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デザインってなんだろう?

私がマトリゴールに来てから直面している、最も大きな課題と困難。
 
それはデザインです。


私は絵理子さんのデザインアシスタントもしていますが、実はデザインをすることは初めての挑戦でした。
 

マザーハウスに入るまで、プロダクトのデザインもしたことがなければ、デザインの勉強もしてこなかったので、「プロダクトのデザインをする」ということが、どんなことなのか全く理解していない未知の領域だったのです。
 
もちろん私たちの周りは様々なデザインでありふれているし、ドラマを見ているとデザイナーがでてきたり、ネットで検索するとデザインの概要は出てくるので、「多分こんなことをするんだろうな、、、」という漠然としたイメージはありました。

 

しかし、マザーハウスに入って絵理子さんとプロダクトデザインをするようになると、自分が想像していた以上にやること、やらなければならないこと、そのプロセスが多すぎて、本当に大変なことしかなく、正直、辛すぎて頭を抱えて悩んでしまうことばっかりです。
 
良い案がでなくて、「ああ、どうしよう、どうしよう、わからない」とストレスが溜まって尋常ではない時もあります。むしろそういう時のほうが多いかもしれません。


ただ、デザイン(ものづくり)はいつも新しい挑戦やアイディアが生まれる瞬間だったり、色々試しながら「これだ」というものに出会える瞬間があるから、集中しだすと止まらなくて、本当に楽しくておもしろくて、奥が深いのです。
 
自由に無心で、時に考えながら、思考と手を動かすことを繰り返します。そしてできた時の達成感が私は大好きです。


そして、今はマトリゴールで日々苦戦しています。


あるストーリーがあって、、、、

マトリゴールに来てから、あるバッグの型紙を自分で作りました。

絵理子さんの背中を見て育った私は、型紙から始めます。

ボディは何とか完成しました。

ただ、最後にハンドルのデザインにすごく悩み、それはどこにでもあるような形になりたく無いし、ユニークすぎてもダメな感じがしたからです。

だからその微妙な間を狙って作ってみたのです。

接着部分からハンドルのトップにかけて、どこで曲線を入れるか、1mm削るだけでかなり見た目が変わるから、それにも注意して形を作り、自分のなかで美しくできたと思っていました。

しかし、絵理子さんとデザインについて話して、これはメンズにはちょっと曲線すぎたことがわかったんです。
確かに、物との対話が多すぎて、誰が使うのか?そこまで考えられていなかったと後から気づきました。

 「メンズが使うバッグなら、もう少し直接的な要素を入れたほうがささるのかも?

とてもバランスが難しい。」

・・・・

これは私にとってとても大事な考えだから、書きます。

私は時々、絵理子さんが考えている修正ポイントのジャッジのレベルが、デザイン観点も含めてよくわからないときがあります。自分の基準で判断すると違うよってなる時もある。それは当たり前で、理解しきれていない部分もあれば、私と絵理子さんは違う考え方をもっているから、美しいと思う部分も、良いなと思う物も違う。

でも、「わからないから、違うから、それは仕方ない。」で片づけてしまっては絶対にダメなんです。
それは私のもともとの性格なのかもしれないが、話し合って理解して、お互いが納得いく答えを見つけたい。そういう考えを持っています。

だから絵理子さんとも、その落としどころ(2人が「これだ!」となる瞬間)を私は見つけたい。といつも思っています。

なぜなら、その落としどころを見つけることが、絵理子さんにとっても私にとっても、会社のみんなにとっても、マザーハウスのプロダクトを作り、マザーハウスのお客様に届けるために、もっとも大事な要素だと思っているからです。

だからいくつもの工程を試したり、絵理子さんと話したりして、「すごくいいね!」の瞬間を見つけています。

・・・・

それからハンドルについて、私はもう一度、使う人のこと、誰に使ってもらいたいのかをよく考えたのです。
 
試行錯誤して色々な形を紙で作りました。直接的な要素を取り入れたのと、接着部分の形を少し角度をつけたり、できたと思った型紙は今までのとはかなり違うものになりました。
絵理子さんが「めっちゃいいね!」と言って「やっとできた・・・!」そう心の中で思いました。


ただデザインには続きがあって、紙で作ることが終わりではないのです。

「実際のハンドルの太さも自分で考えて作ってみて、初めて自分が作りたいものが本当にわかる。それをサンプルチームに作ってもらうんだよ。」
と絵理子さんが教えてくれて、
 
私は、ハンドルの太さ、硬さ、持った時の感覚、使う人たちがどんな要素を求めるのか?それを考えて作ろうと思いました。
 
ハンドルの太さ、硬さ、さらにはパターン。

パターンか、、、

ハンドルのパターンってどうなっているんだろう、、、



※バナーは私が開発担当をしたSou Toteです。絵理子さんのコンセプトを大事に、細かい部分を直したりして作ってきました。ハンドルとボディが繋がったトートバッグは、本当にマザーハウスならではのデザインで、マトリゴールのみんなも生産に力を入れてきたバッグになっています。ぜひ店頭でご覧ください。


読んでいただいてありがとうございました!マザーハウスをもっといろいろな角度から楽しんでいただける毎日の出来事を、生産地やお店からお届けしていきます!