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”ハイブランド”の品質について物申す

MOTHER’s DIAMONDのコレクションは完全受注生産です。
ご来店いただきサンプルをご覧ください。
ギフト・プレゼントのみ承っております。

*店頭サンプルと比べてお納めするジュエリーの品質が低い

結論から言うと、
店頭に飾ってあるジュエリーの品質と
オーダーをいただいて納品するときの品質が
異なっているブランドがあり憤りを感じています。
当然、オーダーされてお客様にご納品する方が品質が悪いです。
注)すべてのブランドではなく、とあるブランドです。

*なぜサンプルとお納めするジュエリーの品質がことなるのか?

店頭に並べるサンプルとお納めするジュエリーの
ダイアのコンディションと作り手が異なっていることが原因です。

*品質が下がる原因について

大きな原因はブランドの過度な利潤追求が原因です。
高品質なジュエリーを作るより低い品質で販売する方が当然、
大きな利益が出ます。

①販路の急拡大
急激な販路の拡大は品質を維持するために大きな課題となります。
路面店の進出、百貨店に対するテナント進出、ネット販売の開始などがあげられます。

②十分な納期を取らない
高品質なジュエリーを作るためには
「ダイアの品質」+「加工所の質」+「留め職人の腕」に掛かっています。
詳しくは後日、”高品質なジュエリーのチェックポイント”で書きます。
 
①+②=品質の低下
「ダイアの品質」
ダイアは天然の物を扱う限り量が限られています。さらに高品質なダイアモンドのみを取り扱うことは高価格になり、スポットで一部の品質のみを購入することは卸のルールから非常に難しくコンディションを維持することが難しいです。

「加工所の質」
ハイジュエリーの作るためには貴金属の質や鋳造の質など加工所さんのモラルや所持している機材の質が必要です。発注先を変えれば作れるジュエリーの品質が変わります。

「留め職人の腕」
ハイジュエリーのダイアモンドを止められる職人さんは本当に限られています。きれいに留めるためにはダイアの質と枠の質が重要で一つでも欠けるときれいに留められず、石取れなのど不具合の原因になります。
逆にダイアの質と枠の質を下げれば腕の良い職人さんに依頼する必要もなく適当な品質で安くジュエリーを作ることが出来ます。

*ブランドの性善説の限界

様々な有名な企業とコレボレーションやタレントさんを起用して一般の方に対して認知度や印象を向上させることで製品の価格を上げることが出来ます。
イメージを作る事は資金力も必要でとても大変ですが、一方で一度イメージを作りこんでしまえば一般のお客様が気が付かない場所で手を抜くことは容易に可能です。
特にジュエリーは小さく肉眼で差異を見つけることは一定の知識と技術が必要で、肉眼で違いを見つけることはプロでも難しく一般の人には出来ません。
一般の方はイメージを買ってるのであって、品質を買っているわけではないといういますが果たして本当でしょうか?
有名だから、高いから、店員がキレイと言ったから「良い物だ!」と思っている又は思いたい購入した方もいらっしゃると思います。

店頭で購入された方は受け取る際に販売員の方からルーペを借りてサンプルとご購入されたお品物を比べてみてはいかがでしょうか?


*業界の課題

~あくまでMOTHER's DIAMONDの個別な意見です~
・高い技術力を持った加工所と職人の減少

最近、ブランドの製品(店頭レベル)をみて感じることは
「昔のジュエリーの方がキレイだったな」と。
品質を下げ販売数を増やした結果、ブランドの利益は増えました。
そして、ある程度の品質で早く大量に作れる加工所と職人の利益が増え
高い技術力を持った方の仕事が減りました。

ブランドも婦人雑誌の広告に載せるコレクションジュエリーに関して、ダイアと枠の品質は店頭に並ぶジュエリーと明らかに高品質で別物です。

”高品質だけでなく一般的な質も扱えばよいのでは?”と思う方もいらっしゃると思います。

「水は低きに流れ、人は易きに流れる」
という言葉がありますが一度、手を抜いた仕事をすると切り替えが難しく、技術の維持が難しくなりコレクションジュエリーを作るときも低い方の質になってしまうそうです。

非常に共感します。
メレーダイアモンドのアソートと同じ感覚です。
「この位、良いだろう」と少しでも甘えると途端に選別の質が下がり、
元の基準に戻すために時間が掛かります。
MOTHER's DIAMONDで使用するメレーダイアモンドはトップクオリティーを意識し続けなければなりません。

*MOTHER's DIAMONDの業界への貢献

コレクションの高品質を大切していることは以前のブログでも書きました。
今、お願いしている加工所さんと石留め職人さんが引退などで仕事をしなくなるとMOTHER's DIAMONDのコレクションは維持できません。
その時、品質を下げてお届けするくらいなら潔く撤退します。

協力してくれている方々の技術を次の世代に継承するために利潤の追求よりも高品質の維持を追及していきます。

幸い若い世代で興味を持ってくれる方々と仕事をさせていただく機会があり、皆さんが育ってくれるために努力し続けます。


2024年2月5日
MOTHER’s DIAMOND
BRAND MANAGER


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