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管理職はなぜ必要なのか? ~経営者の役割と管理職の立ち位置~

こんにちは。
モチベーションLAB所長です

今回は「管理職はなぜ必要か」というテーマでお話ししたいと思います。ここが分かると管理職に必要な思考や行動も見えてくると思います。

では一つひとつ解き明かしていきたいと思います。


労使とは?

まず「労使」という言葉を考えてみたいと思います。
労使とは、労働者の労と、使用者の使のことです。労働者とは社員のことで、使用者とは経営者のことを言います。

この二つの言葉をもう少し詳しくみてみると、
労働者とは、使用者からの指示や命令に基づいて、業務を遂行する人
使用者とは、指示や命令を出し、労働者に仕事をさせる人
ということになります。
ちょっとドライな言い方になりましたが、
実は会社には、労か使のどちらかしか存在しないのです。 

では管理職は、労に属するのでしょうか、あるいは使に属するのでしょうか。
答えは使ですね。管理職は使用者の側になります。

管理職は、労働者であり、使用者でもあるのではないかという意見もありますが、本来、その両方にかかるということはあり得ません。
管理職は明らかに使用者の側になります。

給料をもらって仕事をしているので、勤労者の扱いにはなりますが、本来、経営者が行うべき管理という仕事中で、一定の範囲で、権限や役割が移譲され、経営者の代わりに業務を行うという立場です。
したがって、管理職とは経営者の一員ということになりますね。


管理とは何か?

では、次の考察に入ります。
前章で申し上げた「管理」とはいったい何を指すのでしょうか。

これも定義づけることは難しいのですが、きわめて簡単に言うと次の三つだろうと思います。

  1. 方針や目標を明確にすること。

  2. その方針や目標をメンバーに落とし込むこと

  3. その方針や目標の達成のためのプロセスを統制していくこと。

管理とはこのようなことを指します。

したがって、管理職とは、経営者側の一員として、会社(あるいは組織)の方針や目標を明確にし、これをメンバー(つまり労働者)に落とし込んで、
達成に向けてのプロセスを統制する人これが管理職の基本的な役割だろうと思います。


ここまでの整理

ここまでを整理してみます。
本来は、管理とは経営者の仕事です。
管理こそが経営者の仕事と言い切っても差し支えないのかなと思います。

そして、経営者が方針や目標を明確にし、これを社員に落とし込んで、その達成に向けてのプロセスを統制するべきなのですが、業容が拡大して、組織が大きくなって、社員が増えて、ということになってくると経営者はすべてを管理できなくなります。

すべての社員に、滞りなく、偏りなく、まんべんなく、管理を行き届かせる責任が経営者には割るわけですが組織が大きくなると、物理的にそれができなくなるわけです。

そういったときに、経営者の代わりに方針や目標を具体的かつ明確にし、これをメンバー落とし込んで、達成に向けてのプロセスをマネジメントするという人が必要になってくるわけです。

つまり、やはりここでも、管理職とは経営者の代わりに業務を行う、経営者の一員(使用者側の一員)ということになりますね。


抽象的な目標を具体化しなければならない

先ほど、経営者の代わりに方針や目標を具体的かつ明確にと述べましたが、会社の方針や目標は、抽象的です。具体的ではありません。
しかし、目標が抽象的では、一人一人の社員は「自分は何をしたらいいのか」わからなくなります。

したがって目標を具体的にしてメンバーに共有することが大切になってきます。
さらに適切な動機づけにより社員(メンバー)をやる気にさせ時には指示を与えたり指導を行うことも必要です。
また、組織全体を活性化し、安全かつ快適に、そして気分よく仕事に打ち込める環境をつくり、最終的には部下に成果を出させなければなりません。
こういった具体的なマネジメントが必要になります。

これこそが管理職が行うべきマネジメントというものです。

「なぜ管理職は必要か」

つまり、管理職とは、経営者の管理が行き届かないという場合に必要になる存在であり、役割だということですね。

本来、経営者が自分ですべて管理できるなら、わざわざ管理職を置く必要はありません。

一方、組織が大きくなってくると、そんなことは言っていられません。経営者が一人で管理するなど物理的に無理です。

一方、大きな会社だと課長クラスの管理職は何百人、何千人いることも珍しくありません。トヨタ自動車クラスの企業なら管理職は何万人もいるのかもしれません。

そして、課長クラスの管理職は中間管理職などと呼ばれて、自身より上位の管理職が存在します。

つまり、課長への指揮命令は部長クラスがすることになるので、経営者の代わりというよりは、部長の部下という意識の方が強いのかもしれませんが、あくまで、使用者の一員、経営者の一員という意識や誇りは捨てないでほしいなと思います。

そして、あくまで経営側の一員ですから当然のこととして、経営理念、経営方針、事業計画などを社長はじめ経営陣と同等のレベルで考え、その達成のために、管理職というよりも、むしろ経営職という意識を持って仕事に臨んで頂きたいなと思います。

これは私がコカ・コーラ勤務時代に人事部長として新任管理職の皆さんにお伝えした言葉です。

というわけで、今回は「管理職はなぜ必要か」ということについて述べてみました。

なお、このコラムを動画にしてYouTubeにアップしています。
よければご覧になってください。
今回もありがとうございました。


(追伸)名ばかり管理職の問題をどうみるか

ちなみに部下なし管理職(例えば担当課長などの職位名称)は、名ばかり管理職とか、不要なんじゃないかとか言われたりもしますが一定の必要性があると思っています。

管理職たる課長が、自身の役割から一定の限定的な範囲で「管理に該当する仕事を担当課長に再委任」するというならその存在に意義がありますよね。

ただ、賃金の処遇上、つまり賃金を一定の水準で固定化するだけの目的で
担当課長という名の管理職に任用するというのなら、これは本来の管理職とは異なるので、少し問題ありかなと思います。

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