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本部朝基の木刀と剣術

以前、日本武道学会で本部朝基の柔道対拳闘の試合の飛び入り参戦について発表したことがあった。本土における空手(唐手)の普及に決定的な影響を及ぼした出来事なので、本部流のみならず近代空手史を研究する上でも重要なテーマだと考えてのことであった。

発表後の質疑応答では特に批判的な質問もなかった。しかし、壇上を降りて自分の席に戻ってきたとき、筆者に同行していた本部会の某氏に対して、ある老空手家がすごい剣幕で食って掛かっているのに気づいた。

その老空手家は某氏と長年知り合いであった。それで、以前日本武道館で某氏が本部御殿手の演武で長刀か何か武器をもって演武したのを見ていたらしい。それで、某氏に向かって、「空手家は武器をもっちゃいけないんだ!」と抗議していたのである。

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