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#元町の上で Interviews⑤ カフェハル

『愛がなんだ』『あの頃。』などの今泉力哉監督が東京・下北沢を舞台にひとりの青年と4人の女性の出会いを描いた群像劇『街の上で』。新型コロナウイルス拡大による上映延期を経て、ついに当館でも5/1(土)より公開いたします。公開を記念し、映画と合わせて映画館がある「街」を楽しんでもらうために近隣の書店や喫茶店の協力のもと、noteにてオンラインマガジンを刊行します。タイトルは「#元町の上で」。お店の人が観た本作の魅力、オススメの書籍やドリンクの紹介、さらに映画館スタッフによるお店へのインタビューなどで〈元町〉という“街”の魅力を伝えたいと思っています。映画も街もお楽しみください。


2004年から営業を始めたこちらのお店。
自身も喫茶店好きという代表の徳田さんにお話を聞いた。

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(代表の徳田さん)

このお仕事は学校などを卒業してからずっとされているのでしょうか。

―この仕事の前は会社員でした。ありがたいことに副業OKな会社だったので、会社員をしつつ、カフェでアルバイトをしていました。モーニングの時間帯にアルバイト。そして会社に行って夜中まで働いて、翌朝モーニングのアルバイト。あの働き方は、体力があったからできたけど、今は難しいですね(笑い)。


将来、喫茶店を開くために、アルバイトをしてたんでしょうか。

―明確な目標はなかったんです。このお店も以前は親族が経営する美容院だったんです。

このお店がですか?!

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(外観からみても、美容院らしさはほぼないが…)

周りを見渡すと美容院らしさは一切ない。ただ最近も美容院時代に使っていた備品を、これから美容院を始める知人に譲ったという。


―親族が引退、でもお店は空いている。じゃあお店をしようと思い、はじめました。

このお店は一人で経営されていますが、それははじめから?

―指示するのができないんです、人に。コツが分からないんですよ。私は指示されると動けるんですが、指示はできない。また、みていただけると分かるんですが、キッチンが一人通れるだけのスペースなので、それだったら全部自分でしちゃおうということで、今もひとりでやってます。

取材時も店内は満席だった。メニューもドリンク、片付けもすべて徳田さんが行う。

17年目。徳田さんが思うお店の魅力ってなんだと思いますか。

―はじめのころはやっぱりお客さんは少なかったですが、情報誌とかに載せていただくことで自然にお客さんが増えてきましたね。ありがたいです。でも魅力というと変ですが、普段知り合えない人同士が集まるのが魅力かもしれません。

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(カウンター越しにお客様とお話することも。片付け作業もお一人で)

カフェハルに集まった初対面のお客さん同士で、遊びに出かけたりもあるそうだ。

—お店をしているといろんな種類の人のいろんな話を聞くことができるので面白いです。


人の出会いがあるカフェハルさん。今回の『街の上で』の映画の感想を書くには苦労もあったらしい(すみません)。しかし好きな映画の話になると盛り上がった。

―好きな映画はリュック・ベッソン監督の『フィフィス・エレメント』ですね。

(映画.comより)

―ジャン=ポール・ゴルチエが作った衣装がどれも素晴らしい。他にジャン・キャメロン・ミッチェル監督の『ラビット・ホール』も好きですね。主演のニコール・キッドマンがいいんです。

(映画.comより)

―ベン・スティラー監督の『リアリティ・バイツ』もいい。もう音楽、とにかく音楽がかっこいいんです。

(映画.comより)

他にも『メリーに首ったけ』(監督:ピーター・ファレリー、ボビー・ファレリー/1998年)、『リトルダンサー』(監督:スティーブン・ダルドリー/2000年)など映画の話が続きました。エンタメから、ミニシアター系までお好きな徳田さん。次に来た時はもっと映画の話をしようと思った私です。


今回の『街の上で』、「読書にお供におすすめな一杯」にはアイスチャイをあげていただきました。

―最近のうちに来る若い子はロイヤルミルクティーを注文するんですよ。今までなら女性のお客さんが飲むようなものだったんですが。でもちょっと変わってる青にはミルクティーではなく、チャイを飲んでそうと思いました。

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話を進めていくと、初めてきた人がこんな飲み物を注文するだろうと想像することもあるそうです。例えば『街の上で』のヒロインだとこんな感じ。

―たとえば映画の中の穂志もえかさん演じる川瀬雪さん。あの人はアイスコーヒーを飲んでそう。こういう人は、ミルクとかはいれない。ブラックで飲むんですよ、なぜか。

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(穂志もえかさん(川瀬雪役)


と笑顔で語った徳田さん。映画を観ながら、この出演者は「◯◯が好きそう」と想像するのも映画の見方としては面白いですよね。

最後に神戸・元町でお店を続ける面白さをお聞きしました。

―やっぱり元町にもいろんな人がいる。お店を介して知り合いが増えていくのも嬉しい。「日曜日の朝に寝起きのままでふらっと寄れるお店」。そんなところを目標にしたいですね。

インタビュー後も好きなTV番組「水曜どうでしょう」など終始、お互いの好きなものをお話ししました。


もし荒川青が元町に住んでいるとアイスチャイを注文し、徳田さんと最近観た映画の話をするのかな。そんなことを取材後の帰り道、想像していました。


カフェハル Cafe Haru

【住所】神戸市中央区北長狭通7-1-8

【電話番号/連絡先】090-8526-6732

【営業時間】10:00-18:00

【定休日】毎週火、水曜日

公式Instagram


映画『街の上で』5/1(土)公開

(c)「街の上で」フィルムパートナーズ

文責:映画館スタッフ 宮本

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