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確定申告の「本質」は、個人事業主の学習機会

今年も確定申告シーズン。「個人事業主/フリーランス」にとっての確定申告って、「本当は」何なのか、ということを考えてみたいと思います。

目次
1. 確定申告の本質とは
2.個人事業主の質と成長可能性が問われる時代に
3.学習機会としての確定申告:確定申告を学びに変える問いの例

1.確定申告の本質とは
個人事業主として生計を立てていると、この時期、「確定申告終わった?」と聞かれることや、そういったやり取りをSNS等で見かけることが多いです。ところが正直、私個人としては、「逆に、終わらない確定申告ってあるのか?なんでそんなこと聞くねん」と少し不思議な気持ちになります。

「確定申告終わった?」という言葉には、"作業としての"確定申告が終わったかどうか、という含みがあるように感じていて、私はそこに対する違和感があります。私の場合は、個人事業主は「小さな起業家であり経営者」だという認識とスタンスが非常に強いからだと思っています。

このスタンスに則って敢えて言うと、確定申告って、決して単なる作業ではなくて、小規模事業者にとっては大事な決算なんですよね。確定申告、煩雑な作業やいきなり変わるe-taxの仕様に振り回されたりと大変なこともたくさんあるのですが、実は、数字を通して、事業者としての1年を振り返る本当にいい機会だと私は思っています。

確定申告のプロセスを通して、紙の領収書やカード、銀行の取引情報を確認したり、請求書や売上、源泉徴収のまとめをする中で、どんな意思を込めて誰に・どこにお金を投じ、どんな信頼関係や文脈の中で仕事や報酬を得ていたかを時系列で俯瞰出来る。つまり、小規模事業者であり「小さな起業家」にとって、有形・無形の資産をメンテナンスする最高の機会だと思っていますし、毎年、私はこのプロセスから非常に多くの学びを得ています。
(私の2018年度でいうと、財務面での具体成果としては開業以来の増収増益を継続できました。学びとしては、子育てしながら事務所を経営するようになった中で、お金と意思と時間の回し方が明らかに変わりはじめていて、その変化を進めていく方向性についてのヒントを確定申告のプロセスから掴めたのが一番大きかったです。)

2.個人事業主の質と成長可能性が問われる時代に
「自由な働き方」「働き方改革」等が日本でもバズワードになり、フリーランサーと企業をマッチングさせるプラットフォーム運営企業からの機会と情報の提供が増える中で、「個人事業主」「フリーランス」としての働き方を選ぶ人が少しずつ増えています。私の周りでも、雇用から業務委託に契約形態を切り替える人を数多く見ていますし、スタートアップや若い非営利組織では、プロジェクトの都度個人事業主が集合して仕事をする、ある種のギルドやバンドのようなチームも増えはじめています。(あくまでも現場インサイトレベルでの感覚ですが。)

その流れの中で、個人事業主やフリーランスを選択するプレイヤーが増えること自体は非常に興味深く、終身雇用を前提としたハイコンテクストで柔軟性の低い日本の労働市場を変革していく可能性を感じるものの、旗を立てて名刺を作るまでは簡単になった時代だからこそ、ここから先は私たち個々人の質が問われる世界になってくるなと思っています。
財務データを活用して学び、成長して成果を出していく個人事業主・フリーランサー・小規模事業者が増えていくことが、働き方や個人と組織の関係を再デザインしていくためには必要ではないか、と信じています。)

そして、話を戻すと、毎年全ての個人事業主にやってくる確定申告という一見面倒くさい作業。これが実は、個人事業主やフリーランスがとても簡単に、もっと起業家的に、変革者的に、経営者的に成長出来る学習機会になっていると思っています。

3.学習機会としての確定申告:確定申告を学びに変える問いの例
・ご自身にとっての2018年の確定申告は、どんな意味を持つプロセスでしたか?

・2018年を通して、何を得て、何を手放していましたか?
・確定申告のプロセスは、どんな学びや気づき、兆しの発見をもたらしてくれるものでしたか?
・もしそうでないとしたら、学びや気づきからご自身を遠ざけているのは、何だと思いますか?

いかがでしたでしょうか。
単なる作業としての確定申告から遊離した時に、何か見えてくる機会や可能性があったなら幸いです。(確定申告を題材にした個人事業主の内省ワークショップとか、いつかやってみたいな、と思いつつ。)

※今年も、freeeさんのおかげで作業観点でもサクサク完了できました。special thanks.

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