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シネマトグラファー小林基己の「予定調和の足音」

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ムービーカメラマン小林基己が、映画やドラマを見て気づいた感想、また自作についてのライナーノート的なものを書き連ねていくマガジン。撮影技術に関しても公開していきます。不定期更新です。
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#netflix

Netflixアニメ「アーカイン」が物凄い!!映画「アキラ」の純粋進化系を見る思いだ。

Netflixで予告編を見て気になっていた「アーカイン」を見た。しかし、予告編をの数倍上を行くドラマに圧倒された。 もし予告編を見て気になった人は、内容的にネタバレは含まないが見てから読んでもらっても良い。というか、その方が良いかも。 予告編よりも密度の濃いドラマなんて初めてかもしれない。 まず、最初に掴まれたのはもちろん映像である。3Dでありながら絵画を思わせる画像で、何よりも細かいカット割りにもかかわらず、全てのカットのレイアウトが完璧!それを絶妙なカメラワークで見せて

タイムスリップ物のプロットを上手に韓国と北朝鮮の関係に落とし込んだ「愛の不時着」

とうとう、観終わりました!「愛の不時着」 「とうとう」という言葉を使いたくなるほど長かった!何しろ22時間26分!!一話平均1時間24分(もちろんCM無し)が16話である。通常のドラマならシーズン3まで観終わってるボリュームです。 しかし、観てる最中は全く飽きさせないというのが凄い! 「匠の脚本とはこういうものか!」と唸らせられる展開。 実は俺、いわゆる韓流ドラマって、これが初めてなんです。。。 さて、ストーリーはというと、韓国の財閥令嬢で世界展開をするようなトップブランド

Netflixドキュメンタリー「新型コロナウイルスをダイジェスト」に人類の愚かさと希望を見る

Netflixから早くも新型コロナウイルスに関するドキュメンタリー映像が登場した。題して「新型コロナウイルスをダイジェスト」良質なドキュメンタリーを排出している「〜をダイジェスト」のシリーズだ。26分しかないので、ニュースの1コーナーを見る感覚で身構えることもない。 この記事の内容もネタバレも含んでいるので、出来れば観終わった後に読んでもらえる方が良い。 このCovid-19に至っては、各所でいろいろな情報が流れている。TVなどの報道からこういった個人ブログなどまで様々だ。

Netflix「ダーククリスタル」という金字塔 「ダーククリスタル:エイジ・オブ・レジスタンス」

Netflixで新たに「ダーククリスタル:エイジ・オブ・レジスタンス」というドラマシリーズが2019年8月からスタート。 「ダーククリスタル」というと1983年に日本でも公開されている全編マペットによる伝説的名作ファンタジー映画です。その映画版の前を描くのがこの「エイジ・オブ・レジスタンス」 その1982年に公開された映画のストーリーはこんな感じです。 私たちがいる世界とは時代も世界も違う、クリスタルを司る惑星トラが舞台となります。そのクリスタルが二つに割れ、2つの種族、ス

Netflix「ペーパーハウス」、ハリウッドを凌駕する勢いのスペインドラマ。

Netflix「ペーパーハウス」シーズン3が7/19から配信が開始された! S1とS2観た人なら俺に言われなくとも絶対にS3は観ると思うので、まだ観ていない人向けに書いていきますね。 スペイン製作のドラマなのですが、Netflixで配信している英語以外の言語で制作されたドラマの中で一番視聴数が多かった作品らしい。英語のドラマ含めても「13の理由」に次いで2位という事だから、そっちの方がインパクトあるのでは? かくいう私もこんなに熱くさせてくれるドラマは「ブレイキングバッド」

Netflix「ブラックミラー」を観て思う、リアリティの力強さ。

Netflixのオムニバスドラマ「ブラックミラー」を全話見終わった!1本1時間前後の1話完結ドラマでコメディからシリアスなものまで多様だが、共通してるのは近未来のテクノロジーと人間の関係性を皮肉混じりに描いていることだ。 プロデューサー曰く「私たちが不器用であるならば、私たちの今の生き方、そして私たちが生きるであろう10分後を表している」と表現してるように、今のまま何も考えずに生活しているとこういった未来が待ち受けてるかもしれませんよ。という社会風刺を効かせた作品が多い。

Netflix「ラブ、デス&ロボット」が実験する、映像技術の可能性。

Netflixで2019年3月に配信開始した「ラブ、デス&ロボット」。デビッド・フィンチャーと「デッド・プール」のティム・ミラーがエクゼクティブ・プロデューサーを勤める8分から17分という短篇18本で構成されるCGアニメーションオムニバスである。 「ラブ、デス&ロボット」のタイトルが表すとおり愛と死と死を超越した物をテーマにしつつ、性的描写と残虐描写が過激な事で注目を集めている。しかし、それより注目に値するのは、この18本、それぞれの表現方法の多様さだろう。 基本的には3D

二つの世界観を行き来する残虐過ぎる爽快感「ポーラー-狙われた暗殺者-」

Netflixオリジナル映画「ポーラー-狙われた暗殺者-」を鑑賞。ある暗殺組織は従業員である暗殺者の為に年金システムが存在する。50歳を迎えると引退し莫大な現金が手に入るという仕組み。 ただ、この受取人が死亡してしまった場合は、その年金の受取人は会社へ移行する。というシステムを会社側が逆手にとって、引退間近のエリート暗殺者に通常能力者版スーサイドスクワッドのような個性派暗殺チームを仕掛けて、負債を抱えてる会社の立て直しを図るというコミック原作らしい超娯楽エンタテインメント!