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Netflix「ペーパーハウス」、ハリウッドを凌駕する勢いのスペインドラマ。

Netflix「ペーパーハウスシーズン3が7/19から配信が開始された!
S1S2観た人なら俺に言われなくとも絶対にS3は観ると思うので、まだ観ていない人向けに書いていきますね。

スペイン製作のドラマなのですが、Netflixで配信している英語以外の言語で制作されたドラマの中で一番視聴数が多かった作品らしい。英語のドラマ含めても「13の理由」に次いで2位という事だから、そっちの方がインパクトあるのでは?
かくいう私もこんなに熱くさせてくれるドラマは「ブレイキングバッド」以来かもしれない。
ネタバレ無し、のつもりで書いてます。

そして、このシーズン3からNetflix製作に代わり第1話を見ただけでもスケールが急激にアップしていました!バジェットの拡大が画を見て伝わってくる。
大抵、予算が大きくなると口出す人多くなる分、面白く無くなるというのが常ですが、Netflixは制作陣にあまり口を出さないというのが定説(映像については意外とうるさいらしいけど「明るすぎる」とか「フィルム感もっと出した方が」という方向性なんで好感持てます。)とりあえずS3の半分くらいまで見た感じでは期待を軽く超えて上行く出来です!

さて、大まかなストーリーですが、脛に傷持つ連中を集めて一世一代の大強盗計画を実行に移すというシンプルかつ爽快なドラマ。計画の首謀者の教授(中央)、物語の主人公ともいえる指名手配中の女トーキョー(右端)、現場のリーダー格のベルリン(左端)、最年少で天才ハッカーのリオ(右2番目)、偽札作りのプロのナイロビ(右3番目)、溶接など工業機器の扱いに慣れてるモスクワ(左3番目)、それとその息子デンバー(左2番目)、元兵士の双子のオスロヘルシンキ。という具合に、本名や生い立ちなど隠したまま、この地名で呼び合いながら5ヶ月間かけてこの緻密な強盗計画を体に染み込ませていくという用意周到ぶり。だからこそ確執も生まれれば、絆も生まれる。

これだけキャラクターが多いのに全員立ってるのは連ドラのなせる技でしょうね。映画だとそこまで踏み込めない。その中でもトーキョーがかっこ良すぎる。日本人にとっては名前の親しみやすさもあるけど、とにかく短気で自由奔放な性格は周りを巻き込んでとんでもない事件に発展しまうのだが、許せちゃうんだよね。

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何しろ、このドラマ、S1の13話、S2の9話と1時間ドラマ全22話でこの一つの強盗計画を描くわけなんだけど全く飽きさせない。
それというのも、この計画、王立造幣局を狙って警察との攻防戦の最中に新札を刷り続け、それを強奪しようというもの。金額にして24億ユーロ!それを刷りあげるのには11日間必要とあって、警察との交渉を引き延ばすのも一つの見所。
教授の犯罪美学は、一人も死者を出さずに誰の財産も奪わずに大金を手に入れるということを理想としていて、そんな教授と警察側の女性の交渉人ラケルとのやり取りも目を離せない。強盗と警察として、裏側では男と女としての駆け引きが繰り広げられる。

そうなんです。そこはスペインというお国柄からか登場人物が次々と恋に落ちてしまうんですよ。それによって完璧なはずの計画に亀裂が入ってくる。通常のドラマだと「おいおい、こんな時にイチャイチャですか〜」とじゃまに思える展開だけど、この密室の緊張感の中だとあるのかも?と思えてしまうのも、お国柄だけではなく演出の上手さもあるのだろう。

ただ、交渉人ラケルがこれだけ緊迫した状況の最中でも勤務時間が終われば近所のカフェで呑んでしまうというところが、日本人の俺には納得できないところなんだけど、それが無いとラケルと教授との出会いも無くなる訳でシナリオ上の都合なのか国民性なのかは謎だ。

あまりに気になって俺のスペイン人の友人ダビちゃん(教授似!)にこの件を聞いてみたら、なんと「そのドラマ見てないから分からないよ。」という反応だった。マジか!熱烈的に勧めておいた。ただ、自分的にかなり気にいってるシーンで教授とベルリンが二人で歌う曲を聞いてもらったら、Bella Ciao(さらば恋人よ)という曲でイタリア内戦の時の反ファシストの象徴のような曲らしく、この二人の政治的なスタンスを表してるらしい。それ知ってたら、そのシーンでもっと泣けたのになぁ。

ペーパーハウス」は強盗という悪人を主人公に描いているけど、自分たちのことを義賊と称している。いわゆる体制と反体制の戦いだから悪人なのに感情移入できるんだろうね。
これがシーズン3になるとそれがより色濃くなっていくんだけど、それは後々のお楽しみで!

日本には「ルパン三世」っていうコンテンツがあるんだから、こんな感じの作品出てきても良いはずなんだけど、なかなか振り切れない感じですね。

ともかく、これから初めてペーパーハウスを観れるなんて羨ましい!俺ももう一度そこに戻って見直したい!いや、また初めから見直すと新たな発見があるかも?
一気見確実のドラマです!

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