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食事に集中しない子ども・ご飯食べない子【前編】

主に1〜4歳くらいのお子さんがいる親御さんから「うちの子、ご飯食べないで悩んでます。」という悩みをよく聞きます。

食事は通常1日3回、365日毎日繰り返されることですし、生きることにも直接つながっていますから、当然と言えば当然かもしれません。また、お母さんとしては、せっかく手間暇かけて作ったごはんですから、なんとか楽しく満足して食事を終えてもらいたいと願うお気持ちになるでしょう。毎日の事なので、大変だろうし、悩むまではいかなくても、ストレス感じるだろうなと思います。

息子に関してはは、食に対してかなり貪欲なので、正直、全く苦労はしていないですが、ここに関してはいくつかのメゾットに近しい部分もあると思っているので、その見直すべきポイントについて何点かご紹介したいと思います。

最初に盛る量が多すぎませんか?

親御さんが「食べない」とおっしゃる中には「こちらが用意した分量を全て食べてくれない」という意味合いが含まれると感じます。大人が驚くくらい子どもが食べるポイントは、そもそも、子どもが完食できる量を最初に盛る、ということです。

子どもにとっても、「ぜんぶ食べた!」ことは嬉しいことです。「ピカピカ!綺麗!」と教えてくれるその様子からも、その嬉しさが伝わってきます。その「ぜんぶ食べた」を何度も繰り返すことで、結果的にトータルでこちらの食べてほしい量を食べていきます。

こうすることで、子どもがご飯を残す(大人から見たら残される)体験が減り、子どもも大人も気持ちよくいられます。ここが大切ということです。

ご飯以外のものでお腹を満たしてませんか?

「お菓子はよく食べるんですけど、ご飯は…」というお子さんは、そのお菓子でお腹が満たされてご飯が食べられないのかもしれません。

特に夕方、夕飯前に「おなかすいた~」とぐずるお子さんはとても多いのですが、ご飯を食べなくて心配とおっしゃる親御さんは、おやつをお菓子からおにぎりやさつまいもに変更する。夕飯はおかずだけ食べたら良しとするなどして、きちんと3食でお腹を満たすことに比重を置くようにするべきです。

子ども自身が食事に集中できる環境ですか?

学校では、当たり前かもしれませんがテレビを見ながらご飯を食べることはありません。我が家にもテレビはありませんが、テレビを見ながらご飯を食べ進めるという2つのことを同時にするのは、幼児期の子どもには特に、難しいことです。これが分かると、大人がご飯中にテレビをつけることが子どもが食事に集中する邪魔をしているというのも分かってくると思います。

ましてや、テレビにくぎづけで手が止まってる子どもを怒るなんて、大人にとってもこんなに無駄なエネルギー消費はないですし、こんな無駄な争いはありません。怒っても無駄。どんな子でもテレビに見入ったら手が止まります。テレビを消して、食事に集中できる環境を作ることの方が先です。

遊び食べを、大人が無意識に許してませんか?

「食べない」理由でとても多いのが「途中で遊んでしまうから」です。一口食べてはどっかへふらふら、また戻ってきて食べる、または大人が追いかけて食べさせる。

その食べさせ方がすでに「遊びながら食べてもいいんだよ」というメッセージを子どもに送ってしまっています。遊んでしまって食べない場合、大人の対応を変えて「食事をする環境」を作り直す必要があります。

遊びながらご飯を食べることはない、ご飯を食べるときは座っている、終わったら立っていいというのが全体の共通の雰囲気としてあって、それを最初から毎日3回繰り返していると、子どもは小さくてもその雰囲気を当たり前として、途中で席を立ったり遊んだりしなくなります。

たまにその雰囲気が分からず、もしくは分かっていても、どうしても遊びたくて遊んでしまうお子さんも中にはいます。そこで大人がどう対応するか。まずは「座って食べましょう。」ということを繰り返し伝え「食べるときはどうするんですか?」と子どもに考えさせる声かけをすべきです。

それでも、何度言っても、まだ遊んでるときは「遊ぶならご飯はおしまいでいい。」とし、遊ぶ=ご飯終了であることを伝えます。

この辺でだいたいの子が、あ、やべぇ。とばかりに戻ってきて座ってまた食べ始めるのですがもしそれでもまだふらふらと遊んでる場合は「ご飯はおしまい。」そして本当におしまいにして下さい。例え途中であっても、そのあとやっぱり食べると泣いてもです。

これは全然スパルタではありません。1歳でも2歳でも3歳でも、子どもをひとりの人間として尊重して接すると、当然こうなります

人間はご飯を座って食べるる。食べているときは遊ばない。席を立ったらおしまい。だという至ってシンプルなことを、怒るわけでなく、ただ淡々と、態度と言葉で伝えるのです。

この辺り、日本の親御さんが実に苦手とするところで、変に情に流されがちです。だからこそその大人の揺れ動く感情を、吸収する時期の子どもがすばやく感じ取って、結果として遊んじゃう訳です。

逆に欧米の親御さんはこのあたりほんとにはっきりしていて躊躇なしです。遊ばせながら食べさせるというのは、聞いたことがありません。で、この一見厳しいやり方の何がいいかというと、まず、大人がこうだよと言ったことを必ずやる、という姿勢を見せることで「遊んでたら食べられない」ことを子ども自身が悟ります。1回悟った子どもは次の食事の時から遊ぼうとはしません。逆に、遊んでても何でもいいから食べて~と大人が思っている場合には、いつまでも遊びます。

そしてこうすることで、次の食事の時にはぜったいお腹が空いてます。お腹が空いてたら何でもガツガツ食べるのが、人間の本来の姿です。食べるときは食べる、遊ばないというけじめを、子ども自身がつけられるようになります。

人間としてどう食事するか、一番いいのは、一緒に楽しく食べること
これに勝る環境はないですので、是非、楽しい食事をして下さい。

読んでくれてありがとうございます! 頑張っているチームのみんなに夜食をご馳走しようと思います。