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【哲学】【弱者を抑圧する道徳⁉️】奴隷道徳とルサンチマン


はじめに

19世紀の哲学者フリードリヒ・ニーチェは、従来の道徳を批判し、新たな価値観の創造を訴えた人物として知られています。

本記事では、ニーチェの哲学における重要な概念である「奴隷道徳」と「ルサンチマン」について解説し、彼の有名な主張である「神は死んだ」と「超人」との関連性を探っていきます。

1. 弱者の怨念が生み出す「奴隷道徳」

ニーチェは、従来の道徳を「君主道徳」と「奴隷道徳」に二分しました。

  • 君主道徳: 強者による価値創造。力強さ、高貴さ、自己肯定を重視。

  • 奴隷道徳: 弱者による弱者のための道徳。弱さ、謙虚さ、自己否定を重視。

ニーチェは、当時のキリスト教道徳を「奴隷道徳」と見なし、弱者による強者への嫉妬や恨みから生まれたものと批判しました。

2. 弱者の精神を象徴する「ルサンチマン」

「ルサンチマン」とは、フランス語で「恨み」や「怨念」を意味する言葉です。ニーチェは、弱者が強者に対して抱く劣等感や嫉妬から生まれる感情を「ルサンチマン」と呼び、従来の道徳はこのルサンチマンに基づいていると主張しました。

3. 権威への反抗と新たな価値創造:ニーチェの「神は死んだ」

ニーチェは、「神は死んだ」という有名な言葉で、従来の道徳の根拠であるキリスト教信仰の崩壊を宣言しました。

神という絶対的な権威が失われた今、人間は自らの力で新たな価値を創造しなければならないというニーチェの主張は、弱者の怨念に基づく「奴隷道徳」からの脱却を促しました。

4. 弱者の克服を目指して:超人

ニーチェは、「超人」という概念を提示しました。超人とは、従来の道徳を超え、自らの意志で生き、新たな価値を創造する存在です。

超人になるためには、弱者の精神であるルサンチマンを克服し、自己肯定と自己超越を目指す必要があります。

まとめ

今回は私が個人的に好きなニーチェについてまとめました。
ニーチェの「奴隷道徳」と「ルサンチマン」は、従来の道徳に対する批判だけでなく、弱者の精神を克服し、自らの力で生きようとする人間の意志を表現しています。

彼の哲学は、現代社会においても、新たな価値観を創造するための重要なヒントを与えてくれるでしょう♨️

参考文献

  • ニーチェ『善悪の彼岸』

  • ニーチェ『道徳の系譜』

  • 永井均『これがニーチェだ』

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