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カルテに書いた本 ここ数年 その3

2023年6月、いわた書店の一万円選書に当選しました。
どんな本が好きなのか、noteにも残しておこうと思いました。
幼い頃から今までを振り返って、時系列で書いています。

以前書いた記事はこちら


16冊目『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』ビル・パーキンス ダイヤモンド社

2020年頃から、「Voicy」を聞くようになりました。初めにおすすめされて過去放送を全部聞いたのが『学びの引き出しはるラジオ』の尾石晴さん。晴さんがおすすめされていた本の中にこの『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』があり、この本を手にしました。

大学の時のことを思い出しました。私は大学でサイクリングのサークルに入っていました。7~8人ぐらいのグループで、夏休みに敦賀から北海道へフェリーで渡り、春は南港から四国や九州へ渡り、合宿をしました。1週間ぐらいの行程だったと思います。

自転車にテントやキャンプ用品を積んであちこちを旅をしたことは、私の中でものすごく大きな体験として残っています。フェリーターミナルの軒下で、寝袋一つで寝たこと。どこまで行ってもたどり着けないような気がして、ひたすらヘアピンカーブを上ったこと。その峠も下りはあっという間で10分ぐらいですぐに着いてしまったこと。さっきまで濃い霧に覆われていてほとんど何も見えなかったのに、急に霧が晴れて美しい視界が広がったこと。冷たい雨の中、目的地のキャンプ場まで20キロ近く走ったこと。その土地で出会った方々に親切にしてもらったこと。こういった体験は若さや勢いがあったからできたのかも、と今は思ったりしますが、20前後の若いうちに体験できて本当に良かったと思っています。

私が大学1年生で初めて北海道への合宿に行ったとき、当時3年生だった1人の先輩が親からお金を借りて(出してもらってだったかもしれません…)この合宿に参加をしていると言っていました。何かを食べたり、銭湯に行ったり、キャンプでカレー等を作って材料費費を割り勘したりするたびに、その金額を小さい手帳に書き付けていました。帰ってから親に何にどれだけ使ったが報告するためだと言っていました。そのときは、「まめだなあ」ぐらいにしか思っていなかったのですが、この本を読んで急にそのときのことを思い出しました。

その先輩の親御さんもそういった若い頃にしかできない体験や若い頃にしておいて良かった体験、というものを持っていたのではないかと思いました。いくつになっても体験はできるけど、若いときだからこそ大きな意味を持つ体験や、自分の価値観のおおもとになる体験といったものも、やはりあるように思います。それは偶然手にした体験かもしれませんし、自ら取りに行った体験かもしれません。私の場合はなんとなく興味を持って入ったサークルで初めての合宿で偶然手にした体験でした。その先輩は、何回目の合宿を体験していて、自らその体験を取りに行ったのだと思いました。

今まで常識と思っていたことが今後も常識であるとは限らないと、ここ数年で本当にたくさん考えさせられました。今までの仕事のやり方でいいのか?このまま定年まで同じペースで走り続けるのか?家族との時間をどう過ごすのか?などもいろいろ考えさせられました。

いったん無職になってもいいから、自分のこれからの生き方や、価値観をちゃんと見直そうという決断を2022年にしました。幸いにも、そう決断した頃、隣の市で会計年度職員の小学校の図書館司書の募集がありました。面接と実技試験を受けて今日に至ります。私が自分で決断して取りに行ったから、新しく小学校の図書館司書という道がひらけたのだと思います。ビビりで心配症の私が思い切った大きな決断ができたのは、この本の影響もあったのかもしれません。


まとめ

あんなにも憧れてやりたかった仕事を、自ら辞める日が来るなんて思いもしませんでした。今でも本当によかったのか、とふとしたときに問う自分がいます。それでも思い切って決断して手放したことで見えてきたこともがあります。

ずっとやりたいと思いつつ先送りにしてきたこを、少しずつやっています。noteに書くことで自分の気持ちも整理できています。


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