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読書の記録(38)『どんなイチゴも、みんなかわいい』作 葦原かも 絵 中田いくみ 童心社

手にしたきっかけ

司書になって読み聞かせをしたり、児童書を読むようになって、中田いくみさんの絵にすごく惹かれている。2月に読み聞かせした『ママ、どちがすき?』もすごく好きだ。

『どんなイチゴも、みんなかわいい』も中田いくみさんの絵が素敵だし、『うみのとしょかん』の葦原かもさんのお話なら、楽しく読めそう!と思い読んだ。

心に残ったところ

3つのお話があって、ごくごく普通の小学生の日常が描かれている。大きなイベントや事件があるわけではないけれど、自分の子ども時代を思い出してなつかしくなる。当時はそれなりに悩みがあったのかもしれないけれど、大人になった今は何も覚えていない。毎日学校に行くのが楽しくて、放課後近所の子たちと遊ぶのが楽しくて、夏休みはずーっと暇だなあと思いながらすごしていた。もし過去の自分に戻れるなら、小学生に戻ってあのワクワクした日々をもう一度満喫したい!と思うほどだ。

私は幸せな子ども時代を過ごしたのだと思う。学校が楽しかったから先生という仕事に憧れたし、司書に転職するときも学校図書館司書になりたいと思った。大人の忙しさや余裕のなさが子どもに影響して、しんどい状況の子たちがいるのも理解はしている。せめて、学校にいる間だけでも、子どもが子どもらしく明るく楽しく過ごしてほしいと思う。

主人公のアヤはとっても魅力的。ちょっとおっちょこちょいなところも、小学生ならではのこだわりがあるところも。自分の中にもアヤみたいな部分があるなあと共感しながら読んだ。動物好きな子にも、いたずら好きな子にも、空想好きな子にも、いろいろな子に薦めたい本だ。

まとめ

アヤが小学校3年生という設定がいいのかもしれない。幼すぎないし、悩みすぎない。見守る家族や先生たちも穏やかでいいなあと思う。

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