見出し画像

夏の夜の夢【短編小説】

F「夏だね〜」
M「夏だね〜」
F「夏といえばさ、肝試しとかの時期だよね」
M「肝試しね、あったねそんなの。僕は小学校の修学旅行でやったきりやってないけどね」
F「そうなんだ。私はね、結構好きなんだよね、肝試し。毎年心霊スポットを検索しては、そこに訪れて、これがあの…って思いながら怖がる人たちの顔を思いを馳せて感慨にふけるのが好きなの」
M「僕は、君のその発言がとてもホラーだと思ったよ、今年は是非自分の頭の中を探検してみるといい」
F「そんなのつまらないじゃない〜!私のことは、私が一番知っているもの!今更自分がどうなのかなんて知る必要がないことだわ」
M「そうかなぁ、僕はそんなことはないと思うけどね。試しに君の友達に、君がどんな印象なのか尋ねてみるといいよ、案外人によって違うと思うから」
F「ねねね、ちょっとだけ脱線してもいい?」
M「いいけど、どうしたの急に」
F「君はさ、どんな風に死にたい?」
M「急に真面目な話だね。そうだなぁ。うーん、僕はベタだけど、家族に看取られながら死にたいかな。見送る立場になるのはたまらない」
F「そうなんだね、私ちょっとだけ驚いちゃった。君は、死ぬなんて言葉気軽に言うなよ、とか言わないんだね」
M「言わないさ、言ったってしょうがないだろ、それにこの問題は僕も少しだけ気になった」
F「へへ、そっか。君の死に方はとても素敵だと思うよ」
M「お前はどうやって死にたいの?」
F「私?私はね、生きててよかったって言って死ねたら最高だと思う。どんなに辛いことがあっても、どんなに苦しいことがあったとしても、私の人生はよかったってそうやって言える人生は素敵じゃない」
M「そうだね、とても素敵だね」
F「なんでこれを聞いたかっていうとね、話題が切れそうだったからだよ☆〜(ゝ。∂)」
M「そんなことだと思ったから全く気にしてなかったよ」
F「ではでは今日はこの辺で!また会えるといいな!お前ら!」
M(いったい誰に喋ってるんだ、そっとしとこう)

mou_cielと言います。支援いただいたお金は、記事をよりよくするためのカメラ購入に当てさせていただきます☺️ ですがこのnoteをあなたが読んでくれたことが僕にとって何よりの励みです。