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ヒプステの亡霊がヒプステNEを見た感想

ぜーーーんぶ一個人の感想!
自己責任で読んでください
ちなみに前から4・5列目、かつ真ん中寄り、かつ通路が近い(客降りがあった)、超観やすい席だった。嬉しい!

ヒプステとヒプステNEは、たぶん目的が違う作品

前提として、ヒプステとヒプネオ(旧ヒプステとの差別化のために勝手に命名)は「目的が違う作品」だと思った。

ヒプステは「原作の知識がある人も新鮮に楽しめる誰も見たことがないヒプノシスマイクを見せてコンテンツに貢献する。と同時に、人気コンテンツ×既に経験を積んでる実力者の力で舞台作品の新たな可能性を切り開いて業界に貢献する」

ヒプネオは「未だヒプマイに触れたことない人にヒプノシスマイクというコンテンツを届けて新規顧客を開拓してコンテンツに貢献する。と同時に、可能性に溢れる若手に最高の成長機会を提供して業界に貢献する」

なのかなって。

もっと短く言うと
ヒプステは「ヒプマイを深め、舞台の可能性を広げる作品」
ヒプネオは「ヒプマイを広げ、俳優を育成する作品」


どちらも大切なのはわかるからこそ、刀ミュと刀ステみたいに平行してやって欲しかったのが正直なところ。

キャストの感想

イケブクロ


●一郎
座長に抜擢されただけあってラップもダンスも演技も安定感はある。高野晃をめちゃくちゃリスペクトしてることが伝わった。でも高野一郎よりも19歳を感じる。

高野一郎は「名実共にBigなBro。圧倒的な強者、故の傲慢。護られたい」
石川一郎は「自分が弟を護らねばという強い使命感でBig Broであろうと肩肘張ってる少年。護りたい」という印象。

なので高野一郎は頼りがいの塊だけど、石川一郎にそれを求めたらギャップを感じると思う。
石川一郎は「19歳の山田一郎」を感じられるので、長男だから頑張れた一郎を摂取しに行くのが良いと思う。

でも高野一郎を意識しすぎてて石川くん本人のオーラが隠れちゃってる印象を受けた。石川くん良い役者さんだから、公演を重ねる中でいい意味で先代を意識しないようになってモノマネから脱却していって石川一郎を確立できたらいいな。あともっと筋肉ついたら良いな。

●二郎
喋ってもラップしても松田さんの声がする。声帯Bluetoothで繋がってる?ってくらい声が似てる。次男特有の心の余裕と健やかさで、ぜひ使命感強め長男の石川一郎を支えてほしい。

●三郎
「高野家の、血!!!」に終始圧倒されすぎて良し悪しとかまで見れなかった。笑
ラップしてても話してても、トーン高めの声なのに随所で高野晃の声がしてる。
「〜です」のsの発音とか、aiueoの発音とか。発声から身体の動かし方まで、真似とかでは辿り着けない、血縁者由来の「同じもの」を感じた。すごい…血…。
歴代三郎の中で最もパワータイプ。ヒプステの三郎2人の方が細かい所作は上品だけど、高野一郎の譲りのパワフルさがある。
高野三郎は「山田三郎」というより、「高野一郎の弟の三郎」という感じ。パワー系パワフル三郎は新味で良い。

一郎二郎が小さいのか三郎がデカいのか、三兄弟の身長差や体格差がヒプステほどはない。
てか高野三郎、結構ガタイが良い。高野家だから?発育の面でもまだまだ成長しそうだし、なんなら今後声も低くなりそうだけど物理的に大丈夫そ?

ヨコハマ

●左馬刻
めちゃくちゃ良かった!今回良かった人TOP5に入る。ちなみにTOP5は左馬刻、理鶯、おいちゃん、一二三、乱数。

いい意味で、顕嵐くんと全然違う左馬刻像でアプローチをしてくれたので「これこれこれ!新キャストに求めてるのは、こういう役者さんの持ち味を出したアプローチ!」と思えた。
喋りにもラップにもビリビリするほどドスが効いてて「ひょわ…」となるけど、その恐ろしさが「ヤクザ」に説得力を持たせてた。暴力で人を組み伏せて支配下に置いてきた人間の質感。もっとヒリヒリさせて欲しい。デカい。強い。怖い。かっこいい。怖い。
ダンスバキバキに踊る。

でも浅沼さんっぽい声を出そうと意識しすぎてるのか、私が見た回だとえげつない訛り方した瞬間がたまにあった。「おかしも おかしも おかしも」と同じ音で「毒島メイソン理鶯だ」と言ってた。
「左馬刻っぽい声を出さなければ」って意識が植原さんらしさをちょっと抑えてる気がしたので、一旦発生とかあまり気にせず植原左馬刻を思い切り見せつけて欲しい。

ヒプネオのでかつよ枠(物理的なデカさで圧倒してくる枠。鮎川寂雷、加藤十四、バーンズ理鶯、青柳獄など)の一角を担いそう。

●銃兎
水江銃兎リスペクトを感じたけど、指先まで一部の隙もない宝塚のごとく「品」のある仕草をするSMの女王様っぽい水江銃兎さんに対して、YUKI銃兎は仕草に粗さが目立つ。
真似しろって意味ではなくて、「水江銃兎っぽい銃兎の性格なのに、性格と仕草がチグハグ」という違和感を感じたから、YUKI銃兎の仕草に合致するYUKI銃兎のキャラに育っていくといいな。

ちなみにラップがとても上手い。聴き取りやすい。
キックボクサーか?ってくらい足技が鋭い。足が長い。あと顔が綺麗。めちゃくちゃ良い匂いした(客降り)
もしかしたらアクロ枠になるかも。

●理鶯
かなり良かった!今回のメンバーで、1番原作に忠実だった。原作通りの体型で、原作通りの顔に、原作通りの声。演技もラップもダンスも上手かった。韓流アイドルみたいなかっこよさがある。
戦車のごとくでけぇ!強ぇ!勝てねえ!(物理)なバーンズ理鶯めちゃくちゃ好きだけど、原作は益永理鶯だよね、という納得感。

バーンズ理鶯は「理鶯が現実世界にいたら、現実的に考えてこれくらいホリが深いしこれくらいデカいです」。益永理鶯は「絵から飛び出してきました」って感じ。
里中盧笙、水江銃兎、益永理鶯。
骨格からキャラ三銃士。

ヒプステの骨格枠であると同時に、でかつよ枠でもある。

もうちょいパンプアップしてほしいかな思ったけど、バーンズさんも公演重ねるなかでどんどん筋肉がデカくなっていっただけでtrack1は結構細かったな。

シブヤ

●乱数
良すぎた!!!!!本っっっっ当に良かった!!凄い。個人的にはMVP。
1人だけ仕上がり具合がレベチで、劇一本とレプライとBOPを一回経験してますよね?ってくらいの仕上がり具合。初公演でこの乱数を出せるのはチート。もしかしてループしてる??
乱数を完璧にモノにしてた。
せこりょ乱数も安井乱数も大好きだったんだけど、三井乱数……………これは衝撃。
井出独歩、鮎川寂雷、三井乱数。
ヒプステ、ノーマークからの大衝撃三銃士。

ラップも演技も上手いんだけど、何よりダンスが上手すぎる。バキバキのキレキレに踊るのに軽やか。
ヒプステで1番ダンスに衝撃を受けたのは福澤侑くんなんだけど、同じくらいの衝撃を受けた。
ヒプネオのパフォーマー枠(ハイレベルのパフォーマンスを魅せてくれるし観客もそれを期待する枠。廣野空却や有馬、たきりょ帝統など)として、ヒプネオを引っ張っていくのは間違いなくこの人。

うわーーーー、たきりょ帝統と三井乱数が同じステージに立ってるの見たかった……。

あと表情管理が神がかってる。弾ける笑顔から攻撃を受けてる時の苦悶の表情から裏乱数の表情まで、観客に背を向けた瞬間で演技してる。マジで1秒も気を抜かず「乱数の動き」をしてた。
指先からステップの一つまで意識が行き届いてて、正直完璧すぎて人間味がないレベルなんだけどそれがまた「中央区の傀儡」っぽくて良い。
本当に完璧な乱数だったな。

●幻太郎
顔が良い。顔が好き。
顔面枠(顔がいいので顔を見てるだけで楽しい枠。水江銃兎など)
元々私があんまり幻太郎のキャラを掴みきれてなかったからだかど、今回の舞台で良し悪しを語れるほどよくわからなかった。

●帝統
たきりょ帝統とは違うアプローチで良かった!

たきりょ帝統は「嘘はつかないけど余計な自己開示もしない。表情も態度も柔らかいけどミステリアスで研ぎ澄まされたモノが見え隠れする」

木津谷帝統は「裏表のないギャンブラーアニキ」だなって印象。

物理的に重い。たきりょ帝統は63kg(印象)に対して、木津谷帝統はしっかり77kgの質感がある。
私はたきりょで帝統の良さを知った人間なのでたきりょ帝統を親鳥だと思ってるけど、原作の帝統が好きな友達は今回の帝統の重量感に大歓喜してた。

ヒプステの帝統はパフォーマー枠だったけど、ヒプネオの帝統パフォーマンスを求めるとギャップを感じるかな。
たきりょみたいなダンスは期待しない方がいい(別に彼が下手なわけでは全然ない)

シンジュク

●寂雷
ごめん、鮎川寂雷が好きすぎた。一番亡霊が出てしまった。
でも鮎川寂雷と違うアプローチをしてくれたのは嬉しかった。私には合わなかっただけで……。
AIで生成したような見た目で、身振りも演技もAIロボットのような先生。
鮎川寂雷は「自分以外はちいかわ(小さくてかよわき生き物)の世界に生まれてしまったけど、ちいかわたちと意思疎通を図りちいかわ世界の一員であるために頑張る友好型のでかつよ」
小波津寂雷は「人間界に誕生した高性能AIロボット。ニンゲンへの理解を深めるためのサンプルを探してる」
という感じ。
人間味の無さ、という意味では原作通りなんだけど、「神宮寺寂雷のスケールのデカさ」を感じられなかったことが残念だったかな…。病院にいる高機能ロボット、という感じだった。

鮎川寂雷は動く時、踊る時にさりげなく白衣に指をかけてブワッサァしたり、大きくターンして髪をブワッサァしたりしてくれてたし、ただでさえデカい鮎川寂雷が髪や白衣の動きの分更にデカく見えるので大好きだった。
小波津寂雷の場合はロボットなので動きに無駄がなく、せっかくプリーツがたくさん入ってる白衣や長い髪のひらみを活かしきれてなかったのがもったいなか感じた。正直、スケールダウン。

●一二三
素晴らしかった。本当に素晴らしかった。MVP。正直ヒプネオ、直前まで「観て判断するためにチケット取ったけど、今金欠だしもったいない事したかな…」と思ってたけど、乱数と一二三だけで充分元が取れました。
演技も良かったしラップもダンスも良かったけど、なにより佇まいが最高だった!

荒木一二三が「深(ふっけ)ぇ…でっけぇ…愛……みんなのマイホーム帰ろうアワホーム……居場所……安心感……優しさ……」。
安藤一二三は「みんなの笑顔が見れるからパーティー大好き🤍ギャル✌️✌️」って感じ。
先代と全然アプローチが違う。本当にそういうのを求めているので嬉しい。
エンターテイナー枠(この人は会場を楽しい空気にしてくれる!と観客が期待する枠。荒牧簓&里中盧笙)として、会場を温めまくってくれる。

三井乱数同様、舞台に立ってる間は指先の動き一つまで一二三。
客降りの時、すごく楽しそうだけど途中でジャケットを脱いで女の子にびびって独歩に抱きつきに行くなど芸が細かい◎
初手でガッツリ観客を掴んで、そのあと出るたびに客席の温度があがるのを感じた。
本当に良かった。オーラありすぎる。集合の時も光ってた。一二三パートは本当に楽しかったしかっこよかった。まさにホストだった。

ホストモードと素モードのメリハリもついてた。
ホストモードは煌びやか!華やか!陽キャ!かっこいい!で、素モードはギャル!可愛い!って感じ。
いやーー良かった。

●独歩
原作に忠実かつ、宮城独歩の儚さと井出独歩のクレイジーな勢い、先代のエッセンスをどちらも上手に取り入れながら「モノマネ」にはなっていない良いハイブリッド型だった。
井出独歩のように会場をぶち沸かすタイプではなく、安定感がある感じ。
そのおかげか、一二三とのニコイチ感が歴代で一番強い。

ヒプステの方の「相性で魅せるコンビ」は荒牧簓&里中盧笙だったけど、ヒプネオは間違いなくこの2人。
あと顔がめちゃくちゃ好き。顔面枠でもある。

オオサカ

●簓
結論から言うと残念だった。
でもなんかね……うん、役者さんが悪いわけじゃなくて、役が難しすぎるの…………。新人にやらせるにはあまりにも荷が重いキャラ…。
だって2.5次元界隈トップオブトップの荒牧慶彦が「人生で一番難しかった役」に挙げてるんだよ……。

「プロの芸能人です。面白いことをします」と背負わされて出てきてるわけだから、左馬刻がボケるのと簓がボケるのとではハードルが違いすぎるの………。

トップレベルに人気のお笑い芸人というよりも、養成所に通ってる芸人志望の青年だなって感じた。

簓は「芸能人・白膠木簓」と「私人・白膠木簓」「本心・白膠木簓」を行き来してる所まで演じなきゃいけない(ムズすぎるやろ)
荒牧さんは流石にきっちりそこを演じてたけど、北出くんはそこの切り替えが曖昧な印象を受けた。おちゃらけてる時と、孤独が顔をのぞかせる時がぬるっと行き来きする感じ。
キャラを演じながら同時にキャラが演じる演技もしなきゃいけない一二三、乱数、簓の中で、そこが印象を受けた。

ただ凄い頑張ってるのは感じた。
頑張ってるのを感じた分、「無茶苦茶に難しい役でごめんな…」と思ってた。
失礼を承知で言うと「若手が簓を演じたらこれくらいだよね」という質感。

でもライブパートはすごく楽しかった!
北出くんはファンサの神だね。ニッコニコでお客さんにファンサを振り撒き、個別のファンサもガッツリしててサービス精神が旺盛だった。
多分すっっごくいい人だと思う。

●盧笙
こちらも結論から言うと残念だった。
正直、簓と盧笙は観ていて演技面が不安なツートップだったかな。いや、盧笙の場合は演技というよりツッコミか。

ただ盧笙も「ツッコミ力」という役者をやっていてまず身につける機会があるわけないスキルが求められる特殊枠なので、役者さんが悪いとかではない。

里中さんってとんでもなくツッコミが上手だったんだな……って改めて思った。なんで役者やっててツッコミスキルがプロレベルに上手いんだよと言われたらそれはそう。
ツッコミってセンスと技術が必要なんですね…。二郎も「ツッコミにセンスを感じねえな」ってセンスの重要性を言ってたしね…。

どんなにダンスが上手くても盛り上げ上手でも漫才が下手だと意味がなくなるのが簓と盧笙。必要とされるスキルが特殊すぎるので、簓と盧笙のキャストは、決まった瞬間に少しでいいから養成所に通わせてあげて欲しい。


正直、ヒプネオの簓と盧笙で一番残念だったのが「この2人は相性が抜群!」ということが感じられなかったところ。
掛け合いのテンポとか会話の面白さをイマイチ感じられない。頑張って盛り上げようとしてる北出簓を飯田盧笙が拾いきれていないのか、飯田盧笙のツッコミに北出簓のボケが合ってないのか…。

ヒプステの時はどついたれ本舗も推してたけど、現時点ならヒプネオのどついたれ本舗は推さないかな…という。

●零
すーーーっごいよかった!!!
東山零の色気だだもれマスターマインドの「ただものじゃないオーラ」が好きすぎたけど、喜史川零もオーラがめちゃくちゃあった。
あと出てきた瞬間「でっっか…」ってなったでかつよ枠。ラップしててもラスボス感がずっとあった。

ダイナミックでデカくて胡散臭くて強くてただものじゃないオーラが溢れる天谷奴零。本当に良かった。

ナゴヤ

●空却
めっっちゃくちゃ廣野空却の動きを研究してるしリスペクトしてるのを感じた。
ただ廣野が「その時に空却が感じたバイブスに合わせて身体を動かしてる」のに対して中西さんは「廣野空却ならここでこういう動きをするよな」という意識で動いてる様子が見受けられたかな。

そういう意識が働いてる時の空却パートの動きは肩肘張ってて固かったけど、自分以外の人が歌ってるパートでDDBと音楽に乗ってはしゃいでる姿がすごく輝いてたから、廣野のことは忘れて純粋に音楽を楽しんだほうが、逆にもっと空却らしくなれる気がする。
残念というより、もったいない!って思った。

ちなみに演技もラップも良かった。
あと声が原作に似てる!
廣野空却はあんなに人気だけど実は変わり種寄りなので、原作により忠実なのは中西空却。

演技面だと、track3みたいな「寄り添える空却」を十四にも見せてくれたら嬉しかったな。
破天荒で攻撃的なだけで終わっちゃって十四が可哀想に見えちゃったから…。

ダンスは、柔軟性の問題なのか体幹の問題なのか、ちょっと動きが硬かった印象。
「上手くやろう」というよりも、もっと自由に音楽を楽しんで、体を動かすことを純粋に楽しんでる姿がもっと観たい。獄パートでDDBと一緒にバイク運転してる中西空却が本当に本当に素敵だったから…!!

●十四
加藤十四はフィジカル強者ならではの心の余裕があって、空却に怒られぴえんしてても見えないところであっかんべできるような図太さがあって、「十四がその気になったら空却は普通にパワーで押し負けるから、空却の横暴を"受けてとめてあげてる"」という安心感が観ていてあったけど、今回はそれがなかったのでひたすら可哀想だったかな…。

儚いタイプの十四だった。

演技も違和感なかったし、歌も上手かった。
ただ歌に関しては加藤大悟が上手すぎた。
けど加藤大悟は30人のキャストの中でも一番上手かったから容易に比べるのは良くない。

とはいえ、ビジュアルボイスってめちゃくちゃ肺活量が必要なようで、息切れがあるのが気になった。
筋トレ頑張ってほしい。青柳塁斗に相談しよう。

●獄
すまんが役者さんが若手ではないことも含めて一番辛口でいく。脚本が原作通り&巻きであることも含めて。

一番ひどかった。
ナゴヤって獄の存在が本当に大切で、空却がやりすぎた時にきちんと叱れる大人として獄がいるからバランスが取れてる。

レプライのバクステでも語られてたように、獄はナゴヤの「裏のリーダー」でもある。
でもヒプネオの獄は正直その器じゃないな、と感じた。

今回の十四が儚い分、空却のスパルタから守って欲しかったけど、全然護らないし、心配するそぶりもないし、止める時も「本気で止める気ある?」って感じ。

原作としても獄はここまで冷酷じゃない。
口では悪態つきながらもバカガキ達を見捨てることは絶対できないしおせっかい焼いちゃう「まともないい大人」であってほしかった。

かといって、ダンススキルやアクロバットやラップや演技が特別上手いわけでもない。見た目が獄に似てるわけでもない。

空却に一目置かれる理由も十四に尊敬される理由もわからない、考えなしに空却に十四を引き渡して一緒にボコボコにする変な髪型のおっさん。
本当に、「お前なんのためにいるの?」と観てて思った獄だった。

空却と獄の2人で、信頼関係もできてないのに泣いてる十四をひたすらボコボコにして、これ十四をいじめた奴らと何が違うん?

前の獄と違うアプローチするのは大歓迎だけど、チームメイトの関係性のバランスとかちゃんと考えてキャラ作りして欲しかったかな。
脚本読んでるだけじゃん。
若手が脚本読んでるだけのキャラになるのはある程度仕方ないけど、中塚さん経験者で年長者なんだから、ナゴヤの他の若手2人を支えるという意味でも、ちゃんと獄を作って出してきてほしかった。

こんなDV家族、全然ナゴヤじゃない。
十四逃げて。

ヒプステではナゴヤを一番推してたけど、無理です。ヒプネオのナゴヤは推せないな、と思いました。

まとめ


【たくさんあったもの】
脚本の原作リスペクト
役者さんの前任者へのリスペクト
DDBのパワー
ラップミュージックの力

【もの足らないもの】
脚本のオリジナリティ
舞台表現の挑戦
役者さんのオリジナリティ
役者さんの筋肉、体幹

●全体的な感想

脚本の流れは言われてる通り原作通りだったし、原作通りにやったから原作のつまらなかったところは原作通りにつまらなかった。あと巻いたことで説明不足なところはあった。でも6ディビの結成ストーリーを繋げるために各ディビから1キャラずつ他のディビの結成ストーリーに少し絡めるように改変するのは、さすがの亀田脚本だった!!!亀田さん(できる範囲で)やってんねぇ!と思えて良かった。

本当に良かったのは一二三、乱数、零の3人。この3人は伝説キャストとやっても大活躍しただろうなってレベル。演技力、ラップ、ダンス、スキル、オーラ、全て最高だった。
でもほとんどの役者さんは「開花しそうな若手達」って感じで、正直演技力とかはこれからだし、キャラをモノにしていくのもこれからって感じ。
ただライブパートは楽しかったから、スキルというよりもライブを盛り上げるエネルギー重視で選ばれたのかもなって思った。

ちなみにキャストに感じたダンス面でのものたらなさは7割くらい筋肉と肺活量で解決できそうだから塁斗'sブートキャンプを開催して、その様子を生放送してください。

予想はしてたけど、先代を意識しすぎて先代の型にとらわれてる人が結構いたから、今後の公演でその型を破って、その人にしかできないその人らしいキャラの形を観せてもらえたら嬉しい。
意図があって全くアプローチを見せてくるのは大歓迎なので…井出独歩とか安藤一二三とか…。

今後の追い方としては、舞台よりもBOPやレプライみたいなライブメインで行くかも。
あとヒプステはナゴヤとオオサカを推してたけど、ヒプネオは乱数目当てでポッセかハマを推しそう。

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