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貧血さんと副腎疲労

分子栄養学カウンセラーの毛利有香です。

いよいよクリスマス目前。
毎年、年末年始はイベント続きで大忙し。ハイテンションで切り抜けるもお正月を過ぎたら体はぐったりして疲労感はMAXに…という貧血さんも多いのではないでしょうか。

その疲労感は鉄不足だけのせい?

・寝ても疲れが取れていない
・常にダルい
・朝起きるのが辛い
・表現のしようがない疲労感
そんなことはありませんか?

鉄が不足するとエネルギーをうまく作り出せず疲れやすくなります。
また鉄は全身に酸素を送り届ける働きがあり、不足すれば酸欠状態になってまるで高山病のような症状が起こることもあります(疲労感や息苦しさなど)。

私がカウンセリングをする中で、鉄分やその他の栄養素もしっかり取り入れていくと疲労感から解放される方がいらっしゃいます。
その一方でこれまで鉄をとってきたにも関わらず、疲労感は変わらない、むしろ悪化していると訴える方がとても多いのです。

そんな時に疑って欲しいのは「副腎疲労」です。

副腎疲労とは

副腎疲労とは副腎という臓器から適切にホルモンが分泌できなくなり、さまざまな不調が起こることをいいます。

聞き慣れない言葉ですが、全国には副腎疲労外来を設けているクリニックもあります。

副腎疲労の症状は疲れやすさやだるさだけではありません。
・カフェインに依存している
・甘い物への強い欲
・集中力の低下
・感情を抑えられない
・鬱っぽい
・自律神経失調症と診断された
・睡眠障害
・常に眠い
・立ちくらみ
・低血圧
・月経にまつわる不調
・ストレスに対応できない

これらが当てはまる方は多いのではないでしょうか。
私もその一人。調理師として肉体労働をしていた頃、毎日5杯のコーヒーを飲んで必死に仕事をしていました。カフェインがないと体がだるくて動けなくなってしまうんです。コーヒーを飲むと少し体がシャキッとした感じがしてテンションも上がり、また仕事を続けることができました。

今思えば私は幼少期からすでに副腎疲労だったのかもしれません。
とにかく塩辛いものを常に欲していて、お酒のおつまみになるようなものやポテトチップスなどのスナック菓子が大好きでした。
母からは味の濃いものばかり食べると病気になるからと止められていましたが、我慢できずに卓上の塩を舐めることもありました。
この「味の濃いものを欲する」のも実は副腎疲労の症状なのです。

副腎疲労の原因

私がカウンセリングをし、さまざまな方と出会う中で感じたのは「貧血さんと副腎疲労はセット」ではないかということです。
私自身もそうでした。
ではなぜそのようなことが起きるのでしょうか?

副腎から分泌されるホルモンの材料にはさまざまな栄養素が必要です。
まず貧血さんは自覚なく食事の量が非常に少なかったり、栄養に偏りがあるということが大いにあります。

・食事量を減らすダイエットをしていた
・胃腸が弱く食事量が取れない
・好き嫌いが激しい
・ベジタリアン傾向やマクロビ傾向でヘルシー嗜好の食事をしていた
このような食生活をしていた方はホルモンの材料が不足していますので副腎疲労の原因になりかねません。
私も10代の頃から健康オタクでしたので「食べないことが体をキレイにする」という流行の言葉を信じ、極端な食事法を繰り返していました。

また、
・食事と食事の間が長い
・一日2食
・16時間断食
・ファスティング
・お米の量を減らしている
・お腹が空いても食べるのを我慢している
・爆食いしてしまう
・消化吸収がうまくできない
このような方は低血糖を起こしやすく、これも副腎疲労の原因となります。
胃腸を休めるため食事の回数を減らしている、子育てや仕事が忙しく食事をする時間がない、太りたくないからお米の量を減らす…。このような女性が後をたちません。

そして貧血さんの特徴として実感していることは「自己肯定感の低さ」です。
私は子供の頃から自己肯定感が低く、「太れば価値がなくなる」「いい子でなければ価値がない」「頑張らなければ生きている意味はない」と思い込んでいました。
本来、人は存在しているだけで尊く価値があります。しかしそこに気がつくことがなかなかできませんでした。

自己肯定感の低さはハッピーホルモン・セロトニンの分泌に関わると言われています。
このセロトニンの材料にも鉄をはじめとするさまざまな栄養素が関わっています。
鉄不足、その他の栄養素も不足していれば鬱っぽくなり「自分はダメな存在だ」と思い込んでも仕方がありません。
自己肯定感が低いから「もっともっと頑張らなければ」と疲れていても休まずに走り続けてしまうこともあるでしょう。
断れないというのも特徴で、自分は本当はこうしたいけど嫌われたくないから相手に合わせてしまう、なんてこともありませんか?これらの「○○でなければいけない」という性格が知らず知らずのうちにご自身を苦しめ、副腎疲労に繋がることも考えられます。
それは精神的なストレスも副腎疲労の原因だからです。

副腎疲労にはステージがある

副腎疲労は三つの段階に分かれています。
①警告期 自覚はほとんどない
②抵抗期 ハイテンション、体がよく動く、カフェインがやめられない
③疲弊期 鬱っぽい、強い疲労感
放置し無理な生活を続けるとステージは次の段階に進んでいきます。
疲弊期ともなると回復には年単位と言われており、いかにして少しでも早く対処をするのかが重要です。

副腎疲労からの脱却

副腎疲労の原因にはこのブログに書いた事以外にも、様々なものが関わっています。一つのことをすればこの不調から解放されるわけではないのです。

最低限取り入れて欲しいことをご紹介します
・低血糖を起こさない
(3食規則正しく食べ、補食する)
・偏らないようバランスよく食事をする
(和食をベースにすると、鉄やその他の栄養素も取りやすくなります)
・生活習慣を整える
(決まった時間に食事をする、23時には寝る)
・精神的ストレスから目をそらさず回避し自分を守る
(苦手な人とは関わらない、その場からすぐ逃げる)

病院では理解してもらえない苦しさ

不調で病院へ行ってもA判定だったという経験はありませんか?
貧血や副腎疲労の症状があるのに放置されてしまうことがあるんです。
鉄が不足しているのにフェリチンを測らなかったり、さまざまなことが原因(炎症や脱水など)で貧血項目の数値が正常値内に収まってしまうことがあるからです。
そして副腎疲労に関してはまだこのような言葉を知らないドクターも多くいらっしゃるため「どこも悪くないですよ、ただのストレスでしょう」と相手にしてもらえない。だるい、やる気が出ないんですと食い下がるとメンタルのお薬を処方されてしまうということもあるんです。
私も不調の原因がわからず、でもこんなにも辛いのにおかしいと様々な病院へ行きました。自分の心は異常なんだと心のケアに高額な費用を注ぎ込んだこともあります。
診断がつかないので家族や職場からは理解されず、「根性がない、サボってるだけだ」と心無い言葉を投げつけられた方もいらっしゃるかもしれません。

目指すは自分を甘やかす暮らし

多くのクライアントさんから聞かれることがあります。それは
このダルさは私の甘えでしょうか?
これには断じて私は言い切ります。
違います!

むしろあなたはこれまでの人生、他の人よりも一生懸命頑張って生きてきませんでしたか?

人に優しく自分に厳しく、自分を後回しにして生きてきませんでしたか?
トラウマや子供の頃から抱えているストレスがありながらも精一杯生きてきた方もいらっしゃるでしょう。

そんな自分をまずは誉めてあげましょう。
そしてこれからは徹底的に自分を甘やかして生きていくのです。

▪️自分の気持ちを最優先にする
▪️規則正しい食と生活習慣を送れる環境に身を置く
▪️栄養をとりながら休息する

これらが副腎疲労からの回復を早めてくれます。
私もそのように取り組み、ずいぶんと元気になりました。
自分を大切にするため、自分に合わない肉体労働から自宅でできる今の仕事にシフトしたり、嫌なことははっきりと断ったり、一人で頑張らず人に頼ることも意識してきました。

貧血も副腎疲労も、「誰かがなんとかしてくれる…」なんてことはありません。(隠れ貧血ではなく貧血と診断されている方は主治医の指示に従い、きちんと治療を続けてくださいね。)
毎日の積み重ねが必ずやあなたの心と身体を元気にしてくれます。
できることからコツコツと取り組んでいきましょう!



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