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【レポート #49】長野県・伊那市議会議員選挙レポート(2022 4.24)

 最初に申し上げなければならないのは、この選挙の取材が上手くいかなかったというコトです。 自宅から1時間以内で行ける街なので行けば簡単に候補者に会えるだろうと考えていたのですが、演説している候補に会えない。 演説スポットで待ち伏せしていても誰も来ない。 やっと見つけたと思ったら逃げるように移動していく・・・ 未熟な実力とともに、運も味方してくれませんでした。 申し訳ないです。
 初進出の維新候補というトピックはあるもののそれだけでは記事として成立しそうにないので、この選挙とは少し離れますが共産党の選挙に対する姿勢について考えてみました。 もし宜しければ読んでいただきたく存じます。

◆概要(後編)

  • 市内の寒天製造業者、伊那食品工業は非上場の独立系企業ながら創業以来長年に渡り増収増益が続き、その経営が全国的に注目されており、地元民の間では「かんてんぱぱに入れば一生安泰!」と言われるほど

  • 毎年3月下旬には全国の駅伝強豪校が競う「春の高校伊那駅伝」が行われる

  • “謎の麺料理” ローメンが名物で、呑みの締めにはラーメンよりローメンを好んで食べる人も多い


◆立候補者(定数21/27名)

柴 満喜男  (77) 無所属 現 5期目を目指す
宮原 英幸  (68) 無所属 現 2期目を目指す
小池 隆   (47) 無所属 新 社団法人代表
髙橋 明星  (53) 無所属 新 私立幼稚園職員
池上 謙   (71) 無所属 新 市文化財審議委員
柳川 広美  (61) 共 産 現 5期目を目指す
沢西 光子  (41) 無所属 新 市民団体代表
三石 佳代  (45) 維 新 新 会社役員
河野 直樹  (36) 無所属 新 会社員
飯島 光豊  (70) 共 産 現 5期目を目指す
高橋 姿   (45) 無所属 新 元福祉施設職員
二瓶 裕史  (43) 無所属 現 3期目を目指す
湯沢 武   (63) 公 明 新 政党役員
吉田 浩之  (59) 無所属 新 元市職員
篠塚 みどり (61) 公 明 新 元保育士
三沢 俊明  (57) 無所属 現 2期目を目指す
松沢 嘉   (70) 無所属 現 2期目を目指す
白鳥 敏明  (74) 無所属 現 3期目を目指す
唐木 拓   (43) 無所属 新 不動産賃貸業
馬場 毅   (45) 共 産 現 2期目を目指す
唐沢 千明  (72) 無所属 現 4期目を目指す
原 一馬   (56) 無所属 現 2期目を目指す
飯塚 将圭  (45) 無所属 新 宅地建物取引士
伊藤 のり子 (69) 無所属 新 無職
野口 輝雄  (70) 無所属 現 3期目を目指す
小林 真由美 (68) 無所属 現 2期目を目指す
田畑 正敏  (71) 無所属 現 2期目を目指す

 新人候補が約半数の13名も立候補し、激戦は必至の状況です。 それではこの選挙のPOINTを見ていきます。

◆POINT

①前回の無投票から一転、大混戦に

 前回(2018年)は無投票となったのが今回は6名落選となる激戦の選挙となりました。 前回初当選で2期目を狙う候補者は今回が初の選挙戦となり、今回の新人候補者と知名度としては大差ないと思われ、その際は2期目狙いの候補が不利になる傾向が有るため、この選挙ではどういう結果が出るか、注目です。

②遂に日本維新の会が南信進出!

 日本維新の会 長野県総支部は昨年の衆院選で長野2区から出馬し、落選したものの比例票を掘り起こし北信越ブロックの1名当選に貢献した手塚大輔氏が支部長を務め、県内では佐久市と上田市に党所属の市議がいますが、今回、三石 佳代(みついし かよ)候補を伊那市議選に立て、いよいよ南信(長野県南部)地方に進出してきました。 ここで維新がどのような評価が出るか、ですが三石候補は2011年に県議選、2018年に市長選に出馬した経歴があり一定の知名度は有ると思われるので当選は固いと見られ、何位で当選するかが注目されます。

③共産党、3議席確保成るか?

 公明党は現職2名が引退し新人2名を擁立するという、スムーズな入れ替えが行われており、“負け戦には出ない” でお馴染みの公明だけに当選は固いでしょう。
 一方、共産党は現職3名が今回も立候補していますが、この激戦の中、大丈夫なのでしょうか? 投票が行われた前々回(2014年)の選挙では3人目(2018年に引退)は最下位当選であり、その後任を担った議員は①で触れた “危ない2期目狙い” の候補。 各地で共産票の減少がみられる中、この激戦で3議席を確保できるのか、気になるところです。

 それでは早速、今回の選挙結果を基に注目候補に触れて選挙戦を振り返ってみましょう。

 ・・・あっ、その前に、小ネタをひとつ入れときますね。

◆境界線が分からない「アレ」な候補

 私の知り合いに伊那市の南隣の宮田村の人がいて、彼の家が伊那市とほぼ境目にあるのですが、そこに市議選のチラシを入れた、市の境界線が分からない「アレ」な候補がいたと教えてくれたので、御報告します。

小池 隆(こいけ たかし)候補
(クリックorタップで拡大してご覧ください)


原 一馬(はら かずま)候補
(クリックorタップで拡大してご覧ください)

 この2名です。 原候補は初当選を果たしました。 原候補は公報を見ても結構な香ばしさで、自分の主張を見やすくまとめられる能力の無い人が議員になるのはどうかという気がしますが、2期目の当選を果たしています。

 さて、小ネタはこのへんにして、選挙結果を見てみましょう。

果たして、維新の候補は何位で当選したのか? 衆院選でも使っていた吉村副代表の顔がデカデカと貼られた選挙カーで市内を走りまくっていた成果がどう出るのか! そして、伊那市にも残っていた “閉鎖性” と共産党の選挙戦略について書いてみました。 もし宜しければ御購読いただければ幸いです。

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