見出し画像

新潟視点でのオフシーズン所感

記事毎に敬体(〜ですます)と常体(〜である)を使い分けていますが、今回は敬体を採用しようと思います。まぁ誰も気にしてないでしょうが

”2023”の立ち位置


Jリーグが24年シーズンからJ1~J3のクラブ数を「20チーム制」にする方針を固めたことが13日までに分かった。それに伴い来季はJ1参入プレーオフが廃止され、J1から1チームが自動降格、J2から3チームが昇格する。来週に予定される理事会で正式に承認される見通しだ。

スポニチ 12.14

2024年からのレギュレーション変更に伴い、来季のJ1は降格枠が「」となります。1/18、新潟がそこに入ってしまう可能性も決して否定はできませんが、往来よりは残留に向けたハードルが低くなりました。更に、分配金の比率が上位に行けば行くほど高くなるなど更なる格差拡大に向かっているJリーグですが、それでも現実的に新潟が目指すのはJ1残留、そして定着 (恐らくクラブもそんなスタンス)。

資本力がピッチ上での成果に直結する現代において、2022年の営業収益が約25億とJ1基準には程遠い新潟。J1定着に向けて経営規模を上げていくための序章として来季のJ1残留はマストです。絶対に17枠を掴み取ろう。


国内市場の雑感

 移籍市場というのは基本的に食物連鎖のように選手が流れていきます。J3→J2→J1下位・中位 (鳥栖とか)→J1上位・中位 (神戸、名古屋)。クラブ規模が大きい=チーム力の強い順に、連れてこれる選手の質も上がっていきます。しかし、今オフはJ2→J1の流れが例年に比べて少ない印象を受けます。

長谷川元希・須貝英大・鳥海芳樹

毎年大卒の生え抜きが流出する甲府ですが、去就が注目されていた大卒3選手が例外なく全員残留しました。そういった傾向は水戸など他クラブにもみられており、市場全体で選手のやり取り自体が少ないのかなとも感じます。その背景には

カテゴリー間の格差拡大によりステップアップの成功例が減った
=J1に移籍しても即J2に出戻りするケースの増加 (イッペイとか)
=選手のキャリア選択に影響?
監督続投のチームが多く、選手編成も継続路線

大雑把に括るとこういった要因が考えられます。下が詰まれば上の動きも停滞するのがこの世界の常であり、12月17日現在では比較的おとなしめな移籍市場となっています。J1トップ2の横浜FM・川崎がCB補強の目玉として上島大南を引っ張ってくる辺り、そもそもの人材が枯渇している側面もありそうですね。

全体的に、新潟サポーターかつ国内サッカーのファンである筆者から見ても物足りない移籍市場となっています。とはいえ獲得の動きが殆ど見られない神戸など不気味な存在もあって今後更に動きが活発になっていく予感も。
例えばこの(↓)報道。

今ではイタリア行きが濃厚?な山形DF半田陸を狙っていた神戸-ガンバは右サイドバックを欲しているはずであり、そうなると藤原奏哉とか玉突きに巻き込まれてもおかしくない…のでここは注視する必要がありそうですね。新潟に損失がない程度に盛り上がって欲しいです。


新潟の編成状況

12月17日現在

【契約未更新】
GK
阿部航斗、西村遥己
DF
トーマスデン、舞行龍ジェームズ、堀米悠斗、長谷川巧、田上大地
MF
伊藤涼太郎、三戸舜介、イッペイシノヅカ、藤原奏哉、シマブクカズヨシ、高木善朗

サポーターカンファレンスで「今いる選手と違ったタイプの選手」「少し人数が増える(30名程度?)」等の強化方針が明らかになりましたが、基本的には継続路線、そしてピンポイント補強です。2年連続でそういった方針なので寺川強化部長が大幅な入れ替えを好まない方なのでしょう。

個人的にもそれには賛成で、アルベルト期から築き上げたポジショナルプレーの濃度を保つためには2020.21から在籍する選手の経験値は何事にも代えられません。監督が代わっても世界2位のボール支配率を誇ったのはアルベルトに2年間叩き込まれた個人戦術があってこそ。群馬戦の田上(↓)のようにバックラインの運ぶ技術がないとアタッカーに攻撃機会を与える事は出来ません。

新戦力を比較的少なめにして、スペイン人監督からポジショナルの文法を学び続けた選手達を中心に据える。新潟の優位性を保っていくためには…という問いに対する的確な解であると思います。

現状の主力流出は0、今後もそのような気配はなく。年が明けてから生え抜きアタッカーが移籍した/未遂に終わった2021年のようなケースもあるので完全には油断は出来ませんが、恐らく大丈夫だろうと踏んでいます。「新潟から世界へ」を実現した先輩を目の当たりにした超有望株の三戸舜介も同様の道を選ぶのではないかなと思いますし。

補強のフェーズに話を広げるとセンターラインの質には物足りなさを感じます。しかし、高齢化が進むCBは市場全体で人材難に陥っている節があり、アンカー/インテリオールは既に5枚揃えました。そうなると集中した資金注入によって2列目・FWに計2.3枚中盤ならどこでもこなせるMFを1枚連れてくるのかなと思っています。頭数が足りていないWG・CFは補強マストですよね。そうなると来季は大体こんな感じでしょうか。

【こうなる?2023新潟】
GK…小島享介/阿部航斗/瀬口拓弥/西村遥己
RB…新井直人/藤原奏哉
CB…トーマスデン/舞行龍ジェームズ/千葉和彦/田上大地/早川史哉
LB…堀米悠斗/渡邊泰基/新卒 (三浦選手お待ちしております)
DMF…高宇洋/星雄次
CMF…島田譲/秋山裕紀/吉田陣平
OMF…伊藤涼太郎/シマブクカズヨシ/高木善朗 (4月に戦列復帰)/補強(?)
WG…三戸舜介/太田修介/松田詠太郎/小見洋太/補強
CF…谷口海斗/鈴木孝司/補強/補強(?)


2024年以降への懸念点

2022年、ピッチ内外で盛り上がりを見せてサポーター目線からでも高い充実度を感じられたアルビレックス新潟。しかし、今後に目を向けると決して無視できない不安要素が浮かび上がります。

まず2021→2022→2023で選手編成に大きな変化がない点。主力を残しながら少しづつ戦力を上積みするという、これまでの新潟なら考えられなかった状況ではありますが、これがいつまでも続く訳ではありません。トーマスデンや三戸舜介など海外で戦える選手、藤原奏哉・高宇洋・谷口海斗などキャリアの全盛に差し掛かる中堅組は近いうちに更なるステップアップを果たすでしょう。それに千葉和彦、鈴木孝司らベテラン組に残された新潟での時間は決して長くないように思えます。

要するに、2024年はここ数年とは打って変わって大幅な入れ替えが予想されます。そうなると前述したポジショナル要素が薄まってしまう上に、新卒が入ってこない+(特に後方で)若手が出てこない現状を踏まえると世代交代にも大きな不安を残します。

サポーター目線ですらこのような事態が予想出来るので、強化部は当然それを自覚していることでしょう。今オフもそうですし、来季以降の新潟にバトンを渡すためにどのような施策を練っていくのか。期待しながら見守っていこうと思います。

ではでは