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究極パフスリーブ

「哀れなるものたち」

昨年から取り組んできた企業PR誌のリニューアル創刊号が無事校了。ようやく映画館に行く余裕ができて、まずは「哀れなるものたち」へ。シネコンでは終わってしまったものの、渋谷のWHITEは上映していて、平日の昼間で満席でした。寝不足の脳みそにも、あっという間の3時間。19世紀末なのか、未来世紀なのか、さまざまな要素が混在する世界観の中、エマ・ストーン演じる主人公ベラが美しい白痴という特殊な人の立場を超越して、あらゆる女性の代表のように、縛られているものから心身を解放し、自分自身の決断で我が道を進んでいきます。ベラが「医者になる」と決めた時はジンときました(外科手術で元夫を羊に変えてしまうのは凡人の想像の領域を越えていましたが)。眉毛の感じからか、日本で演じるなら市川実日子ちゃんかなと思ってしまった。

ベラの衣装は、パフスリーブ好きにはたまらない、巨大パフスリーブ。上半身はボリューミーでも、ミニスカートやショートパンツを合わせるのがベラのパーソナリティーに合っていました。
手がけたのは英国のデザイナー、ホリー・ワディントン。冒頭シーンのブルーのドレスは、やはりホリーが衣装を担当した「レディ・マクベス」のドレスにどことなく似ていました。ニュースに疎いので、あとで知りましたが、ホリーはオスカーの衣装デザイン賞を受賞したのですね。

エマ・ストーン×衣装デザイン賞といえば、「クルエラ」が記憶に新しいです。こちらは「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のジェニー・ビーヴァンでした。エマとヨルゴス・ランティモス監督は、次回作「 Kinds of Kindness」でもタッグを組むようです。

哀れなるものたち Poor Things
2023年/142分/イギリス
ヨルゴス・ランティモス監督


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