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あの頃のままでは

「あの頃、ペニー・レインと」

リージン・ローハンと同じくらい、スクリーンで見かけると「大人になったなあ」と感慨深くなるのがケイト・ハドソンです。母親はゴールディ・ホーン様。ブロンド・足長・二重瞼という古くからアメリカ人に好まれる美人タイプで(最近なら、ブレイク・ライヴリーですね)、まず思い出すのは、なんといっても「あの頃、ペニー・レインと」のペニー・レイン役。ペニー・レインは源氏名で、ロックバンドのツアーにくっついてバスで全米を回るグルーピーな少女は、生まれた時からハリウッドの光と影を見てきたであろう彼女にハマリ役でした。ちなみに、ペニーたちグルーピーに交じってツアーの記事を書く音楽雑誌ライター見習いの青年の母親を演じたのはフランシス・マックドーマンド。子どもにケミカルなものを食べさせなかったり、いろいろと個性的な主張のあるワンオペ・ママのこちらもハマリ役です。

「あの頃、ペニー・レインと」(2000)

その後のケイトは多くの作品に主演する人気女優に。わたしは職業柄、女性誌エディターを主人公にした「10日間で男を上手にフル方法」を結構な回数、観ています。主人公の女性は社会問題の記事を書きたいのに、女性のライフスタイルにおけるハウツーものしか担当させてもらえず、公開当時、ライフスタイル誌にいるのにグルメ記事ばかり担当させられていたわたしは激しく共感したものでした。この頃のケイトには、ペニー・レインの面影があります。この役のエディターも「プラダを着た悪魔」のアン・ハサウェイのように、女性誌を辞めてワシントンに面接に行くのですが、クライマックスはラブコメならではの展開になっています。

「10日間で男を上手にフル方法」(2003)

近年のケイト様はというと、それはもう彫刻のような美貌を保っておられます。わたしが鑑賞した作品でいえば、「マーシャル 法廷を変えた男」での原告役。こんな美しい人が存在していいのか?というくらいのお美しさです。他人からみれば、お気楽な暮らしでも、夫に愛されず、どこか憂いを帯びた有閑マダム役は、妻のいるロック歌手に寄り添うグルーピーな少女の儚さに通じるものがあるような気もします。

「マーシャル 法廷を変えた男」(2017)

「ナイブズ・アウト:グラス・オニオン」では、コミカルな役柄でこんな感じ。だいぶん変わった気もしますが、演技力のせいかも。
Apple TV+の配信ドラマ「Truth Be Told」の2ndシーズンでケイトは主人公を演じているようですが、残念ながら未見です。
それでもやっぱり、わたしの中のケイト・ハドソンは「あの頃、ペニー・レインと」のペニー・レインになってしまいます。

「ナイブズ・アウト:グラス・オニオン」(2022)

映画とは何の関係もありませんが、見出し画像は最近食べた苺の甘味。ロイヤルホストの苺とピスタチオのブリュレパフェも食べましたが、苺を感じられませんでした。

あの頃、ペニー・レインと Almost Famous
2000年製作/123分/アメリカ
キャメロン・クロウ監督


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