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ジェシーとトッド

映画「エルカミーノ」

「ベターコールソウル」最終章開始前に、「エルカミーノ」も復習しました。「ブレイキングバッド」の続きを描いたNetflixの映画です。
時間軸としては「ベターコールソウル」→「ブレイキングバッド」→「エルカミーノ」の順なのですが、念のための再鑑賞です。
「エルカミーノ」は「ブレイキングバッド」で化学者ハイデンベルグの初代助手だったジェシーが主人公。その最終エピソードで、麻薬製造所に囚われていたジェシーが脱出し、どのように自由の身になるかが描かれています。ジェシーを麻薬製造所の牢獄に拘束して働かせていたのが、ハイデンベルグの2代目助手だったトッド。ややこしいのですが、トッドを演じる役者さんはジェシー・プレモンスといい、実生活ではドラマ「ファーゴ」で共演したキルスティン・ダンストのパートナーです。

「ブレイキングバッド」撮了の5年後に制作を開始したという「エルカミーノ」でも、ジェシーはまるで直後に撮影したかのように、おかわりないベイビーフェイス。

「ブレイキングバッド」のジェシー
「エルカミーノ」のジェシー

そんなジェシーに比べて、トッドのかわりようったら!
「ブレイキングバッド」では、中身はサイコパスだけど、外見はさわやかなアメリカ青年だったのに、同一人物と思えない、この太りよう。

「ブレイキングバッド」のかわいいトッド
「エルカミーノ」の中年太りトッド

ジャンキーなのに憎めない、この二人。
「エルカミーノ」のクライマックスで、ジェシーは、慕っていた仲間のマイクが「おれならあそこへ行く」と語っていた場所へ向かうのですが、その道中、ジェシーが恋していた亡きジェーンの姿があるのにジンときます。

「ブレイキングバッド」に登場する主要メンバーは、元々は真っ当な社会人だったはずが、人生のどこかでアンラッキーがおこったり、悩んだ末に選択した道が願ってはいない方向へ向かい、日本でいうところの反社になっていった人たち。ジェシーも本来は家族思いで、友人思いで、高校も卒業していて、ハイデンベルグから経営学の学位取得を勧められるくらい助手として優秀な男子。ところが、最初はちょっとした誤解や行き違いから、どんどん懐疑が積み重なり、ついには憎しみを生み、奈落へ落ちていく。真っ当に生きている人と何が違うかといったら、さほど何も違わず、もしかしたら自分もああなったかもしれないと共感を覚えるジェシーやマイク、ハイデンベルグの家族といった人物像が、一連の「ブレイキングバッド」作品が支持される理由のひとつなのではと、「エルカミーノ」を見ていても思います。

「ベターコールソウル」の最終章に、ハイデンベルグとジェシーが登場すると、すでに公表されているようです。きっと二人でマイクに連れられ、ソウル・グッドマンの法律事務所を訪ねてくるんですよね。ウォルター、ジェシー、マイク、ジミー(ソウル)、そしてキムとの絡みが楽しみです。