弾丸旅行記〜鳥取砂丘〜②
京都を出て大阪を通り、兵庫と鳥取の境辺りまで2時間くらいで着いた。
兵庫に入ったくらいから雲行きがだいぶ怪しかったのだが、鳥取に入ると完全に雪国だった。
車の速度をかなり下げて運転していた。怖いわーと言いながらも、なんとかなりそうだなと思っていた。
そして、ついに高速を降りた。もうゴールだと思っていたが、ここからが長かった。
高速道路の比ではないほどの積雪量。道には雪がちょっと溶けてかき氷みたいな状態だった。
そのかき氷が非常に恐ろしかった。
タイヤがスリップしまくるのだ。
初めての経験。車体は無回転シュートのように揺れまくっていた。
砂丘の方に向かって行くにつれて、雪は積もっていて運転には細心の注意を払わなければならなかった。
また初めて来た場所なので土地勘もなく、迷いに迷ってなかなか砂丘につかない。
同じ道を何回も通って、なんとか砂丘に着くことができた。
車を降りると激しい横風で雪が当たるとすごく痛い。前を向いて歩くのが難しいほどだった。
ゆっくりと歩いていき、遂に砂丘にたどり着いた。
そこは銀世界だった。
砂の丘ではなく、雪の丘だった。
こんなに横に広い場所で、雪がスネ辺りまで積もっている。
これまた初めての経験だった。
22歳にもなって、雪でテンションが上がり、大はしゃぎしてしまった。気付けば、一緒に行った友達に本気で雪玉を投げていた。
海が見えるところまで行こうとまだ誰も踏んでいない雪を踏みしめて歩き続けた。
意外に傾斜が激しい坂を登り切ると一面に海が見えた。
波は暗く荒々しかった。
海を眺めていると曇っていた空の一部が晴れ太陽が少し見えるようになった。
自然を身体中で感じることができた。
切れる息、かじかむ足先、火照る頬、最高だった。
本当は砂を見にくるつもりだった。
そこには雪しかなかったけど、知らない世界を見て感じることができた。
帰りは友達に運転を任せてぐっすりと寝てしまった。
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