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【映画】2024年1~3月に観て面白かったもの

新年度が始まって2週間がたちました。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

自分は4月から新しい環境に身を置くことになり、せわしない日々を送っています。はあ。
なので時間的にも体力的にも映画を以前ほど観られなくて、したがって書くことがない。。。
でもなんか書きたいなという気持ちが盛り上がってきたので、パソコンに向かっている次第です。

じゃあ何を書くかということなのだけど、書くことがない時は振り返るのが一番。自分の輪郭をなぞろうではないか。
塗り絵だって、新しい色遣い・塗り方を発明する喜びもあるけど、輪郭をぐりぐりなぞるのも安心しませんか?
この中を塗るんだというが見通しがたってホッとするというか。

というわけで、暦的に四半期が過ぎてキリもいいのでこの1~3月で観た映画の中で面白かったものを挙げてみようと思います。
お付き合いいただけると幸いです。

※配信で過去作品も観ているので、1~3月に公開された作品だけではありません。
順番は観た順です。


◇PERFECT DAYS

ビム・ベンダース監督作品。役所広司さんがカンヌで男優賞をとって話題になりましたよね。元日に映画館で観ました。
個人的にお正月に観て良かった!と思える作品でした。穏やかで優しくてゆったりしてて、役所さんが演じた平山のように生きられたらと。

は!あれから3カ月しかたってないのに、もうあくせくしてる。。。この映画を観た時の気持ちを思い出さねば。
日々の暮らしの、ちょっとした変化に喜びを見出すこと。うんうん。


◇悪い奴ほどよく眠る

1960年の黒澤明作品。モノクロ。配信で観ました。
黒澤作品の中では知名度は高くないかもしれませんが、自分はこの作品が好きなのです。
主演の三船敏郎さんが真面目です。ひげはなく眼鏡をかけて窮屈そうにスーツを着ています。

父親を自殺においやった相手に復讐する役なのですが、感情を抑え込んでいてその姿がいじらしい。にじみでる色気を感じました。
豪快な三船さんも魅力的だけど、こういう三船さんもたまらない。
あ、あと悪い人の「とかげのしっぽ切り」っていつの時代も変わらないんだなと。いい加減やめてほしいっす。

◇ブルーベルベット

デビッド・リンチ監督の1986年作品。
リンチさんといえば癖つよの摩訶不思議作品を撮る鬼才ですが、この作品は見やすかった。
リンチさんにしてはお話の縦軸がはっきりしてて、最後きちんとストーリーが終わる。
ただリンチ文体は確実にあって、裏で何考えてるか分からないあやし~い人たちはちゃんと出てきます。
まあリンチ作品を初めてみるには適しているかもしれません。

物語は、ある青年が野原で切り落とされた人間の耳を発見するところから始まります。
「切り落とされた耳」ってそそられませんか?
リンチさんだから普通の話のわけはないんです。


◇過去のない男

アキ・カウリスマキ監督。2002年作品でカンヌ映画祭のパルムドールをとってますね。
とはいうものの肩ひじ張ったものではなくて、いつもどおりのアキ節。
登場人物は笑わないでブスッとしてて、不幸に不幸が重なっていくローな世界観。
でもね、アキさんはそんな人たちを優しく肯定してくれます。
なんだかうまくいかないし、どうしようもないけど、それでも愛おしい。温かい賛歌なのです。
「生きてるだけで丸儲け」ですよね。


◇BLUE GIANT

2023年のアニメ作品。そして音楽・ジャズの物語。
公開時から評判の良さは聞いていたのだけど、なんだか見逃してしまって、配信で鑑賞。
いやあ、熱い映画でしたね。自分にはこの作品が1つのジャズ曲のように感じました。
登場人物のキャラ分け、ストーリーのうねり、オリジナルの挿入曲、いろいろな要素が絡み合って、まさにジャズ。
サックス吹きたくなります!

そういえば、楽器って持つだけでワクワクしますよね、たとえうまく演奏できなくても。。。
新しい趣味で楽器を始めるってものいいなあ。
お、なんだか新しい展望がひらけてきたぞ。


◇パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女

まあひどい邦題のサブタイトルはご愛嬌ということで、2022年の韓国映画です。
ストーリーは王道で正直既視感はあります。
でもきちっと観客を楽しませてくれます。ポイントポイントをしっかり押さえてくれるんですよね。109分という時間も見やすい。

タイトルからしてカーアクションが見どころなのですが、それ以外にも子連れ逃亡やロードムービー、主人公が脱北者という背景もあって、いろんな味つけが盛りだくさん。エンタメとして仕上がりが良いのです。
韓国映画の地力を感じましたね。


◇オッペンハイマー

はい、今現在公開中の「オッペンハイマー」。クリストファー・ノーラン監督のアカデミー賞受賞作。
「原爆の父」と呼ばれるオッペンハイマーさんの伝記ということで、賛否両論渦巻いてますね。
単体で感想文を書いてるので詳しいことはそちらに任せるとして、大きく言うと自分はこの作品を歓迎しています。

もちろん観る方によっていろいろ感想はあると思う。
でも自分は感想文でも書いたけど、ノーラン節全開の、ノーランさんらしい描きかたが嬉しかった。
むしろノーラン文体の切れ味としては、過去作と較べても、一番ぐらい鋭かったのでは。
「慎重な扱いが必要だから慎重に描きました」では、やっぱり寂しい。
歴史や他者への冒瀆なら良くないけど、彼はむしろもろもろライジング(浮上)させようとしたのだと自分は思う。
デリケートな題材に彼らしいエンタメ手法で果敢にチャレンジしていることに賞賛を送りたい。
ま、普通に面白かったですよ。

以上、7作でした。
書いていて自分の中で気づくこともあって、有意義な時間でございました。
自分の輪郭をなぞるのは、自分がどういう人間か再確認できて良いなあ。
最後までお読みいただきありがとうございました。礼。

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