見出し画像

映画感想文「クライ・マッチョ」クリント・イーストウッド監督

配信で「クライ・マッチョ」を鑑賞しました。
感想を書いてみようと思います。

※トップ画像は、お土産でいただいた飛騨の最中「飛騨街道 旅がらす」。
「クライ・マッチョ」は91歳のイーストウッドさんと少年のロードムービーなのです。まあ画像のような和風マントはしてないけれど。

       ***

2021年のアメリカ映画で、イーストウッドさんが監督・主演。
イーストウッドさん演じる落ちぶれたかつてのロデオスターが、元雇い主の頼みでメキシコに彼の息子を引き取りにいく。
母親は酒乱で育児はしてないのだけど、息子を手放そうとしない。息子は闘鶏(その鶏の名前が「マッチョ」)をしながらストリートで暮らしている。
ただ息子は母親と暮らすことにこだわっていないので、父親との暮らしに期待し、イーストウッドさんと共にアメリカを目指す。
一方、それを許さない母親は追っ手を差し向けるーーーー。

というのが簡単なあらすじ。
この作品の感想をひとことで言うと、「優しい」映画でした。
イーストウッドさんの近年の映画って個人的な印象だと、無駄がなくて余計なこともしなくて、ほんとに素材の中で完結する。ドライな作風。

ただこの作品はまあドライタッチではあるけれど、のんびりしてるんですよね。
あらすじで追っ手を差し向けるって書いたけど、1979年の舞台設定もあってか、そんなにきつくない。
大雑把にいえば「逃走のロードムービー」になるんだろうけど、差し迫った感じはなかったです。
むしろ「そんなにゆったりしてて大丈夫なの?」って思っちゃう。

でもそこが今回の肝なんですよね。
老人と少年が道中を旅する中で、老人は少年に「自分を大きく見せることに意味はない」と説く。マッチョぶることなんてくだらないことだと。
それよりも、気持ちが安らいで自分らしくいられる生活が本当に意味のあることなんだと。

まあ今言葉にしてみたことって月並みだけど、イーストウッドさんがいうと、ちょっと説得力ありますよね。
ハリウッドスターとして、マッチョなイメージを演じてきた人だから。

映画としてはちょっとゆるい部分もあるから☆3つだけど、とても優しい気持ちになれる映画です。
巷でもよくいうけど、ほんとに強い人は優しいのだ。なぜなら人の弱さを抱きしめられるから。

総合評価 ☆☆☆(☆5つが最高)

◇おまけ
今日はなんだか無性にケーキが食べたくなって、雨の中買いにいきました。
人生は甘くていいのだ!

それにしても、イーストウッドさんはどんなケーキ食べるんだろう?
やっぱりシンプルにショートケーキかな。それともチーズケーキかな。
イメージわかないけど、実は甘党だったりして。
(写真のあとも文章あります。よかったらどうぞ)

バナナとカシス、木苺入りのクレームパティシェールだってさ


ここからは少し趣向を変えて、イーストウッド作品全般についてちょびっと書こうと思います。
イーストウッドさんて、とっても映画作りがうまいと思う。
さっきも書いたけど、無駄なことはしないし余計なことはしない。お話の終点に向かって真っすぐ向かっていく。
あと、俳優の力にも頼り過ぎないですしね。
近年の作品でいえば、いわゆる「ハズレ」はなくて、必ず一定水準は超えてくる。

じゃあすべてが☆5がつくかといえばそんなことはなくて、あくまでも自分の意見だけど、うまさが目に付くとさめちゃうんですよね。
とってもうまいんだけど、なんかのれない。

☆5がつく作品って、もう心がぐわんぐわん揺さぶられる作品だから、うまいだけではなかなかそこまでいかない。
やっぱりうまさより、エモさなのだ。
人もそうですよね、あんまり特徴がない人より、欠点が多くてもたったひとつの良点がめちゃくちゃパワフルだと、そこが強調されて魅力的に感じる。

なので、イーストウッドさんの作品って☆5か☆3にスパッと分かれる傾向にあります。
今日はその内訳をご紹介します。

☆5
◇スペース・カウボーイ
◇グラン・トリノ
◇ジャージー・ボーイズ

☆3
◇ミリオンダラー・ベイビー
◇ヒア・アフター
◇アメリカン・スナイパー
◇ハドソン川の奇跡
◇リチャード・ジュエル
◇運び屋

ってな感じ。
例外で☆4なのが硫黄島2部作「父親たちの星条旗」と「硫黄島からの手紙」かな。
これは日本軍が関係しているから、興味が増したというか。

ま、どれも面白いんだけど、自分の中ではこんな感じですかね。
⭐︎5の作品はおすすめです。うまい上に面白い。最高です。
映画鑑賞の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?