おばあちゃんの知恵袋 問題編2

「ばあちゃん、死ぬ前におれに形見を残してくれたらしいんだけどよ、簡単には教えてくれねえんだ。知りたかったら謎を解いてみろって、まあそういうわけでさ。でもおれじゃ解けねえんだよ」
道すがら、青一は光太郎に説明した。
「それでおれの力を借りたいっていうわけなんだね」
「頼むよ、光太郎。せっかくばあちゃんが最後に残してくれたものが何か、おれ、知りてえんだ。わからずじまいだったら、ばあちゃんに申し訳なくて」
光太郎と青一(せいいち)は「日高」と書かれた表札のある、いかにも日本家屋という感じの家に入った。青一の祖父母の家である。今は祖父が一人で住んでいるとのことだった。
居間で青一が光太郎に差し出したのは、一枚の紙だった。
「ばあちゃんが亡くなる前に、こいつをおれに託したんだ」
「ほう、『S.HからS.Hへ』と書いてあるけど」
「ばあちゃん、小夜子っていったんだ。昭和ヒトケタの生まれにしては、近代的な名前だろ? それは『日高小夜子から日高青一へ』という意味だ」
光太郎はうなずいて、紙に目を戻した。
重要なのは、『S.HからS.Hへ』の下に書いてある、数字の羅列のほうのようだった。次のようなものである。

41  41  21  42  5  24  1  8

「なるほど、こりゃたしかに」
光太郎は少し考えこんでしまった。
これは何だろう?

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