おばあちゃんの知恵袋 問題編3

光太郎は、青一(せいいち)のおばあちゃんの暗号を解いた。
だがそれは、最初の暗号でしかなかった。
二人はこうして、深みにはまっていくことになるのである。
さて、最初の謎を解いたのはよかったが、彼らはもうこれで終わりのつもりで、のんびりした気分になっていた。
青一のおばあちゃんの部屋に、本棚がある。二人はこの部屋に入った。
「たしかここにあったと思う」
青一は本棚を見て、ほどなく、その本を見つけた。
「これだ。『耳なし芳一』」
「よかったな、青一。その本がおばあちゃんの形見なんだよ」
「そうだなあ。それをわざわざ暗号にするってえのもな」
何か納得がいかない様子の青一を残して、光太郎は帰ろうとした。もう用は済んだはずだ。
だが、青一が叫ぶような声を上げたので、足が止まってしまった。
「おい光太郎、この『耳なし芳一』の本だけどな」
「どうした?」
「こんなものが挟まってた」
青一が見せたそれは、またも暗号が書かれた紙だった。
次のようなものである。

阿刀田高
ヌルハチ
宇野宗佑
石川さゆり
東てる美
織田信長
伊藤博文
伊奈かっぺい
荒木大輔
伊東四朗


それは青一のおばあちゃんが仕掛けた、第二の暗号だったのだ。

(つづく)

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