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医者のひとりごと

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アラフィフ女医が日々の診療で感じたことをまとめました。
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固定された記事

お看取りを控えた夜

うちの診療所では、24時間体制で自宅療養中の患者さんからの電話を受け、必要に応じて往診して…

もずきち
8か月前
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大吉原展と紅子さん:性産業に生きる女性たちを想う①

今年の新年会。 「吉原」付近で働くドクターから「吉原の住民が、今度東京芸大に美術展のテー…

もずきち
3日前
50

大吉原展と紅子さん:性産業に生きる女性たちを想う②

とある休日。 「性産業で働く女性たちの想いを知りたい」と、まずは「大吉原展」を訪れた私。 …

もずきち
2日前
41

採用に100万円以上必要な介護福祉士。仕事が減るフリーター医師。

私は診療所に勤務しているが、訳あって定期的に経営会議たるものに参加している。 複数の病院…

もずきち
3週間前
84

「医師アタマ」に翻弄される患者

午前中往診先で状態の悪い在宅患者さんを病院へ救急搬送した後、診療所に戻って休憩していた私…

もずきち
1か月前
58

障がいがあっても芸術を:森の中の展覧会へ

晴れた日曜日。 用事の合間を縫って上野の森美術館を訪れた。 目的は台東区主催の障害者作品展…

もずきち
1か月前
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入院は高齢者から「生きる意欲」を奪う

とある朝。 診療所に出勤した私に、スタッフから「入院中のJさんが、転院でなくて自宅看取りの方針となったようで、退院日を決めたいそうです。」と報告があった。 Jさんは私が10年近く訪問診療している患者さん。 診察の終わりにいつもコーヒーを勧めてくれる優しいおばあさんだ。 元気だった彼女も90歳を超えてからは徐々に弱り、1か月前に体調を崩して病院に入院していた。 幸い病気は治癒し状態は落ち着いたが、Jさんは全く食事がとれなくなり衰弱して寝たきりとなってしまった。 主介護者のKさ

故郷で起きたあの事件:孤立が生む狂気

今週始めに風邪をひいてしまった私。 ようやく頭痛、鼻水が引き、健康のありがたさが身に染み…

もずきち
3か月前
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元旦から憂う:能登の追想

今年の元旦は、久しぶりに実家の京都で迎えた。 京都は曇天。時折雨が降るあいにくの天気で初…

もずきち
4か月前
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2023年の振り返り:皆さまに感謝

12月30日8:30をもって、私の今年の業務は終了した。 戦争に政治家の不祥事など暗いニュースが…

もずきち
4か月前
65

1年に「大学2つ分の美容医療医」が生まれているニッポン

医療従事者だけが閲覧できる某サイトで、12月26日に日本医学会連合から厚生労働省等に提出され…

もずきち
4か月前
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タフな鳥たちと、弱化するヒト

私は野鳥観察が趣味だ。 普段医師としてヒトを相手にしていると、病気や老い、貧困、孤独など…

もずきち
4か月前
39

私のお酒との付き合い方

私はお酒が好きだ。 正確には、私の心をリラックスさせてくれるお酒が好きだ。 ビールがとても…

もずきち
5か月前
97

「言い間違い」のドツボにはまる

休日の早朝、noteをチェック中にアルロンさんの記事を読んで思わず爆笑してしまった。 アルロンさんのお母様がとかく「文字入れ替え系言い間違い」が多いというお話。 「昆布と鰹」を「カンブとコツオ」といった言い間違いが家族内に広がっていく様子が楽しく描かれている。 私も過去に、友人がブロッコリーを「ブッコロリー」と言ったり、「胸がドキドキする」を「ドキがむねむねする」と言い間違えたりして「何でやねん」と笑い転げた事を思い出した。 姪が4歳から5歳になった時に、歳を聞かれて「ごっ