入院は高齢者から「生きる意欲」を奪う
とある朝。
診療所に出勤した私に、スタッフから「入院中のJさんが、転院でなくて自宅看取りの方針となったようで、退院日を決めたいそうです。」と報告があった。
Jさんは私が10年近く訪問診療している患者さん。
診察の終わりにいつもコーヒーを勧めてくれる優しいおばあさんだ。
元気だった彼女も90歳を超えてからは徐々に弱り、1か月前に体調を崩して病院に入院していた。
幸い病気は治癒し状態は落ち着いたが、Jさんは全く食事がとれなくなり衰弱して寝たきりとなってしまった。
主介護者のKさ