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梅雨の晴れ間-伊香保で森林浴-

梅雨真っただ中の蒸し暑い金曜朝、天気予報では週末晴れると告げていた。雨続きの毎日に心までカビが生えそうだったので、これは出かけるチャンス。暑さを逃れ、日帰りで森林浴でもしたいと思い立ち、車の無い私でも簡単にアクセスできる森を探す。
伊香保までは電車乗り継ぎだと3時間半以上、5000円以上かかるが、高速バスだと2時間半、2000円台で行けるようだ。
伊香保といえば温泉だが、森林公園が近くにありロープウェイで簡単に行けるらしい。シダ池とオンマ谷という野鳥観察ポイントもあるそう。
すぐさまバスを予約した。5時間あれば回れるかな、なんて思いながら。

日曜朝8時に高速バスで東京を出発し、10時半過ぎに伊香保に到着。最寄りのバス停からロープウェイ乗り場を目指す。
6月だというのにウグイスがあちこちで鳴いている。おいおい、ここはまだ春なのか。
乗り場までは急な上り坂。さっそく足の筋肉が悲鳴を上げる。
Google Mapよ、急な坂があるなら先に教えておくれ。心の準備が必要なんだから。

息も絶え絶え、ロープウェイ乗り場、ホトトギス駅に到着。
ロープウェイは市営。地域の元気な高齢者の皆さんがいきいきと働いている。声かけが温かい。
ロープウェイで登ること5分。標高955mの見晴駅に到着。
降りた瞬間、涼しく爽やかな風が出迎えてくれる。蒸し暑さから解放され「これを待っていた」と体が喜ぶ。

展望台より伊香保温泉街を一望。

駅から数分で展望台に到着。
展望デッキ周辺はきれいに整備され、子供の足でも廻れる公園になっている。
今回目指す森林公園はその先。クマ出没注意の看板にドキドキしながら、鈴をチリチリ鳴らし独り歩いて公園を目指す。

20分ほど歩いて伊香保森林公園入口に到着。
森と岩が迎えてくれる。

伊香保に来て森林公園まで足を延ばす人は少ないようで、人影はまばら。
森ではヒグラシがもう鳴き出している。公園を入り、木々の香りを胸いっぱいに吸い込む。
ああ、癒される。

まずは入口近くのシダ池に立ち寄る。
水浴びに来る鳥を待っている人たちがすでに数名、思い思いに時間を過ごしている。

ん?柵の上に丸いものがのっかっている。
シマリスでした。

シダ池で鳥を待つ人に餌付けされているのか、人慣れしたシマリスがあちこちでピョンピョン走り回っている。モフモフな彼らにさらに癒される。
鳥たちの姿は見えない。先にオンマ谷を目指し、後で池に戻って待ってみようとその場を後にする。

オンマ谷への道。ひたすら上り坂。

ホームページの地図から勝手に平坦な公園と想像していた私。実際は敷地内に山を抱える広大な公園で、オンマ谷までの道はひたすら上り坂だった。
20分も歩けばたどり着けるかと、見立てが甘かった私。20分ほど坂道を登っても1/5程しか進まない。電波が悪いのか、スマホのバッテリーもどんどん減っていく。・・・心細くなる。

坂で足を止めると、遠くからコマドリとおぼしき鳴き声が聞こえてくる。
これが馬の鳴き声に似ているとされる「ヒンカラカラカラカラ」か。
あたりを見渡してもそれらしき姿は見えない。
コマドリたちの掛け合いを聞きながら休憩する。
君たちは、都会よりここの方が住みやすいんだろうね。

木漏れ日も美しい。

この森林公園、短時間で回るのは無理だし、ゆっくり回らないともったいない。日を改めよう。
オンマ谷はあきらめ、シダ池に戻る。
鳥たちが水浴びにポチャンポチャンと飛び込んでいる。

水浴びしていた幼鳥。トサカがあるからヒガラかな。
あれ、左右で頭の色が違う。

幼鳥を間近で見るのは初めて。
羽の色は日に日に変わり、成鳥に近づいていく。成鳥になるまでの期間はあっという間で、短い期間で独り立ちしなければならない。20年近くかけて成人になる人間とは大違いだ。
かわいらしい姿をもう少し見ていたかったが、帰りのバスの時間が迫る。泣く泣く池を後にした。

山を下り、隙間時間で伊香保神社へ。こちらはカンカン照りで暑く、観光客でごった返している。

参拝客でにぎわう伊香保神社
御朱印。ツルカメつきで縁起良し。

滞在時間5時間という無茶なスケジュールだったが、カビが生えそうだった心は森林浴ですっかりリフレッシュ。体の疲れも心地よい。
温泉だけでなく、豊かな自然も素敵な伊香保。今度は山歩きの準備をしっかりして、秋か春に来よう。そして温泉でゆっくりしよう。

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