見出し画像

極楽鳥と鳥の頭蓋骨

先週東京丸の内のKITTEに入るインターメディアテクで特別展示されている「極楽鳥」を見に行った。
インターメディアテクは、東京大学総合研究博物館と日本郵便が協同運営している施設。行こうと思った理由は、最近はまっている本の著者である松原始先生が所属され、そしてたまたま鳥に関する展示が行われていると知ったからだ。

インターメディアテク開館10周年記念特別展示

「極楽鳥」では、19‐20世紀にかけて鳥をモチーフに制作されたジュエリー100点近くと、その鳥のはく製を対比して展示されている。
今みたいに情報に溢れていない大昔から、大空を飛び回る鳥は美しい生き物の象徴として注目されてきた。
彼らの美しさは、飛ぶことに特化したアスリートのような体と、オスがメスに選ばれ子孫を残すために進化したルックスにある。
人間の世界ではルッキズムは批判的に受け止められているが、鳥の世界はまさにルッキズム。冒頭の写真のオオフウチョウもそうだが、オスはメスにもてるために上手な歌と鮮やかな羽色、迫力ある羽でアピールする。
極楽鳥のモチーフとされるオオフウチョウ、私には邪魔で仕方ないようにみえる飾り羽も、メスにはたくましく魅力的に映るのだろう。

インターメディアテクでは、特別展示以外に常設展として東京大学所蔵の学術標本や、山階鳥類研究所所蔵の鳥のはく製350点余が展示されている。見渡すと、子供たちが目を輝かせカメラをもって走り回っている。将来科学者となるかもしれない彼らの好奇心がほほえましい。

私はジュエリーより、鳥のはく製の見事なコレクションやこちらが気になってしまった。

鳥の頭蓋骨標本

仕事柄ヒトの脳を見ているせいか、ヒトと比べてこんなに小さい脳であんなにすばしこく飛び回れるんだ・・・と実物大をみて素直に感心した。
調べてみると、鳥の脳は人間と比べて大脳よりも中脳(視覚をつかさどる)と小脳(運動にかかわる)が発達しているとのこと。高速で飛びつつ、遠くから獲物を見つけて食べるために進化した結果なのだろう。
ちなみに私の頭は横に広く絶壁頭。もし鳥だったら空気抵抗が大きくて飛ぶには不利だ。
絶壁頭って、人間の進化という視点から何かメリットがあるのだろうか。いや無いな。