思い出す旅をしたい
一人旅をするときは誰かと一度行ったことがあるところに行くのが好きだ。過去に訪ねたルートをなぞりながら,気になってはいたが時間の都合でしぶしぶ通過した店に入ったり,その時の他愛のない会話を思い出したりする。「旅はどこに行くかより誰と行くかが大事」とはよく言われるが,実際こうして一人で回っていると同じ場所でも景色が違って見えるのだからその通りだと思う。
こういう旅の楽しみ方を覚えたのは,実家を離れて暮らすようになったからかもしれない。見知った土地に帰ることがもはや非日常の「旅」となってしまった。帰るたびに新しい店舗や道ができている。
でも一方その時の生活をなぞっていくと何か変わらない背景というか匂いというか,そういった懐かしさがあって,それが心地よいのだ。多分自分はそういった場所を増やしたいのだと思う。
非日常と懐かしさが心地よく混ざり合う,そんな場所を。
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