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アルコール依存症とは

アルコール依存症のななにいにです。
私はアルコール依存症と診断されて、今月で半年となりました。診断が下るまで、自分の酒の飲み方は少しおかしいと思っていましたが、それは「個性」だと思うようにしていました。愚かでした。
ただ、実際飲まない生活を継続し、依存症回復プログラムを受けていると、酒を飲んで酔っぱらっているときには当然おかしい言動をしていましたが、酔っぱらっていないときにも不思議な言動をしていることが分かりました。

今回は、アルコール依存症とはどんな病気なのか説明していこうと思います。ほとんどが書籍『アルコホーリクス・アノニマス』と『リカバリーダイナミクス』の引用です。

①アルコール依存症とは怠惰ではなく「病気」です
アルコール依存症とは身体と精神の病気です。医学界でも病気と認められています。アルコール依存症になると、身体の渇望現象と精神の強迫観念からアディクションサイクルという連続飲酒につながって、酒を四六時中手放せないような状態になります。
男性であれば日本酒5合を20年間毎日飲み続ければアルコール依存症になると言われています。女性は肝臓が小さいので日本酒5合であれば10年間毎日飲んだ場合依存症になってしまうそうです。人によってはそこまで飲まなくても依存症になる人もいますし、他の依存症があるなど依存傾向が強い人はすぐにアルコール依存症になってしまいます。
大酒飲みの人と依存症の人の違いは、大酒飲みの人はお酒が大好きなのでたくさん飲むものの、酒量をある程度はコントロールすることができます。しかし、依存症者は全くコントロールをすることができません。
現代医学ではアルコール依存症を治癒することはできません。飲まない生活を続けることで回復をすることはできます。ただ、一滴でも口にすると再び酒が止まらなくなってしまうので、日常から注意して生活する必要があるのです。

②身体のアレルギー
アルコール依存症者はお酒に対して身体のアレルギーを抱えています。花粉症の人の身体に花粉が入るとくしゃみが止まらなくなってしまうように、一滴でもお酒が身体に入ると酒に対する渇望が強くなってしまいます。二杯、三杯、四杯と酒を飲むと、二倍、三倍、四倍と酒の渇望が大きくなります。
具体的には脳の報酬系と前頭前皮質に異常があります。報酬系とは快楽に対して反応する組織です。美味しいものや刺激のあるものを目の前にするとその方向に動くように働きかける、自動車でいえばアクセルの役割を担います。
前頭前皮質は衝動を抑制する組織です。衝動を抑えたり、我慢を促す役割をします。この組織の発達には時間がかかり、大人になるにつれて成長して20歳ころに完成します。そのため欲求に対して子供のころはわがままでも大人になると我慢できるようになります。自動車でいえばブレーキのような役割を担います。
アルコール依存症者はアルコールに対してアクセルべた踏みでブレーキがぶっ壊れている状態です。自分の意志で酒を止めることはできないのです。

②精神の強迫観念
アルコール依存症者は一滴でも酒を体に入れなければふつうの日常生活を送ることができます。しかし、そうとわかっていても一杯目に手を出してしまうのがアルコール依存症患者なのです。アルコール依存症者は精神にも問題があり、それを精神の強迫観念と言います。
アルコール依存症者は社会に生きづらさを感じているケースが多いです。そのため、社会生活で感情のプレッシャーが高まった際、ある程度のラインまでは自分の意志の力で酒を飲まないようにすることができますが、そのラインを超えると飲んでしまいます。
アルコール依存症者は飲んでいないときでも不機嫌でイライラして落ち着きがなく、飲んでいっぺんにフッと楽になる感覚を忘れることができないのです。人の味を覚えたクマは人里に降りてくるという言い伝えと一緒ですね。

③アディクションサイクル
酒を飲み続けると「耐性」というものが付きます。つまり酒に強くなります。アルコールは肝臓でアセトアルデヒドに分解されます。それが酢酸に分解されて、全身で水と二酸化炭素に分解されて、呼気や尿として排出されます。
肝臓でアルコールを分解できない人は「下戸」と呼ばれており、この人たちはアルコールを分解する酵素を持っていないので酒を飲むことは訓練してもできません。酒は飲めるけど顔が赤くなる人がいます。この人たちは肝臓はアルコールを分解できるけれども、アセトアルデヒドを分解する能力が低いので顔が真っ赤になります。アセトアルデヒドの処理能力は酒を飲み続けると向上しますので、すぐ真っ赤になる人たちも耐性がついて、「酒に強くなる」と言われている現象が生じます。飲酒を続けていると同じ量では酔えなくてどんどん飲酒量が増えます。酔ったと感じたときには多量のアルコールが体内にすでに入っており、ブラックアウトや大惨事を起こしてしまいます。
逆に精神の方は逆耐性という現象が生じます。怒られ続けたり、自分を責めたりし続けると、精神的に弱くなってしまうというものです。厳しくてすぐに怒鳴ったり暴力をふるう両親のもとで育った子供が非行に走ったり抑圧されて言いたいことを言えない精神的に弱い子供に育ってしまうのもその原理です。逆耐性でメンタルが弱くなった状態で感情のプレッシャーがかかるとすぐに「ふっと楽になりたいために」一杯目の酒に手を出してしまいます。一杯目の酒に手を出してしまうといつものお決まりのパターンで午前様まで飲んでしまい、翌朝二日酔いで自分を責めたり、空っぽの財布を見て後悔や不安に襲われてさらに精神的に病んでしまいます。そしてその負の感情が、感情のプレッシャーとなって一杯目の酒に再び手を付けさせてしまうのです。
この負のスパイラルを「アディクションサイクル」と言います。こうなってしまってはもう手が付けられないので医療機関で強制的に酒から身を離して入院などの治療を行う必要があると思います。

以上がアルコール依存症の説明でしたがいかがだったでしょうか。
アルコール依存症の回復は一滴も酒を体に入れないことしかありません。さらに、身体のアレルギーに関しては現代の医学ではどうすることもできないので、精神の回復にアプローチをする必要があります。
精神の回復に使われるのが断酒会やアルコホーリクスアノニマス(AA)といった自助グループです。同じ病気を持ち同じ解決策をもつ仲間の中にい続けることや、一杯の酒に手を付けないように人間性を向上させることだと言われています。
私自身はAAや12ステップを通じて人間性の向上のために努力を重ねているところです。これは死ぬまで続く長い旅路ですが、この努力を続けることで飲まない生活を続けられると信じています。

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