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【七転び八起きの一転び目①】

 正確に言えばその前にも学生時代とか散々転び散らかしてるんじゃないかとは思うけど、それはもうそれということで、今のビジネスにつづく最初の壮大な大転けという意味での一転び目

 社会人入学で入った調理師学校を卒業してからすぐにお店をオープンしたんだ。調理師免許をとってすぐに自分の店を出す自惚れた頭のおかしい奴だと思うだろ。それはまさにそうなんだけど予想を超えるバカだから、反対向いたり斜め上だったりあっちこっちそっちどっち?って感じで、よしやるぞって勢いでオープンさせたのは古着屋だった。

 いや我ながら本当に頭おかしい。まぁでも説明すると、調理師学校に入学する前に一年間オーストラリアにワーキングホリデーVISAで住んでいて、南半球の夜空って北半球と全く違ってただ見上げるだけで神秘的なんだよ、田舎で見る天の川とか最高だから、それはよいとして季節が真逆のオーストラリアでその頃はサーフブランドの服が好きで良く買い物してたのね、オーストラリアのセールはブレーキぶっ壊れてます?ってぐらい思い切りが素敵だからセール時期狙ってまとめ買いしてたんだけど、日本に帰ってきてからふと思ったの、オーストラリアの夏のセールの後に日本が夏になるってことはセールで大量に仕入れしたのを日本で売れば儲かるんじゃないかって。

 いやもう軽率。26歳の頃だったかな。代表的なおバカさん。
 ネットで古着も仕入れられるから仕入れてみようとか、オリジナルのTシャツも作ってみようとか、とにかく毎日酔っ払って浮かれたバカみたいに楽しく友達と2人でプランを練ってたんだよね、あれは青春だったのだろうか。
 起業するための資金はタイミングよく親父が自衛隊を退職して退職金が出たからってんで貸してくれるってなって、300万だったかな、それを元手に安く貸し出してた寂れたビルのテナントを見つけて古着屋をオープンさせた。

 オープン前にはもちろん懐かしのオーストラリアに買い付けに行ってね、「買い付けで海外に行く」って言ってみたかったからやってみた的なノリ。シドニーとかメルボルンに行けばまだ良いのに、半年住んでたって理由でわざわざ遠くて田舎なパースで買い付けしてたからね、父には今こそ愚息と罵って欲しい。
 ただ、仕入れてたbillabokgとかRIP CURLとかVOLCOMってブランドたち、今となってはメジャーな人気ブランドだから違う先見の明はあったのかもってフォローしてあげたい。ネットで並行輸入してたのもDIESELとかREPLAYとかDesigualとか、あ、MOUNTAIN EQUIPMENTのダウンも仕入れてたなー、後に日本上陸して人気になったブランドだったし、完全に才能の用途間違ってるけど。

 起承転結で言えばこれが『起』なんだけど、ご察しの通りこの後は転と結しかないからね。

【七転び八起きの】マガジン

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