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かわいい読書

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装丁がかわいい本の読書感想文。
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2015年1月の記事一覧

小野正嗣『九年前の祈り』

小野正嗣『九年前の祈り』

小野正嗣『九年前の祈り』(講談社)

第152回芥川賞受賞作。
たたかう読書が続いていました。久しぶりのかわいい読書です。装丁のかわいさは、ぜひ書店でお確かめ下さい(笑)

小野正嗣『九年前の祈り』は、北海道の田舎から出てきたわたしにとってはどこか懐かしい気持ちになりながら読み進めた物語だった。九州地方の海辺の集落を舞台に、東京から幼い息子を連れて出戻りした主人公・さなえの心情が描かれている。

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獅子文六『コーヒーと恋愛』
昭和30年代、経済成長期のなかでも堅実なTVタレント坂井モエ子44歳の物語。8つ下のヒモ男と同居し、休日はコーヒー愛好会「可否会」を愉しむ。美味いコーヒーを淹れる特技を持つ彼女の恋愛は悲喜こもごもだが、苦味がなぜか笑えておいしい一冊。 #読書感想文