もとはフリーゲームのゲームであり、今も遊ぶことができます。
Switch版とSteam版は、登場人物との新たな雑談やクリア後の特典が追加されているので、フリーゲームで触れて、好みに合いそうなら製品版を買うのでも良いと思います。

ゲーム概要

試験勉強のため、深夜にファミレス『ムーンパレス』を訪れた主人公は、気が付いたら異世界のファミレスに居た。
そこは、脱出は不可能で、年をとることも死ぬこともできず、食べ物も無いという空間だった。ドリンクバーは飲み放題だけど、コーヒーの機械は故障中で、ミルクも切れている。

そんなファミレスで、先客として滞在している、スパイク、ガラスパン、セロニカ、ツェネズと話すアドベンチャーゲームになります。
一部、謎解き要素はありますが、基本的には人と対話を繰り返すゲームです。
会話を繰り返すことでゲームが進行していき、更に会話できることが増えていきます。また、ドリンクバーの飲み物は、好きな席で飲むことができます。

プレイ時間は、公式では2時間から2時間半と記載されており、自分はクリア後のコンテンツまで楽しんで3時間半くらいでした。

感想

プレイ時間は短いですが、濃厚なゲーム体験を得られオススメです。

自分は、16桁の箱を開ける際に、謎解き系のゲームを遊ぶ時によく陥る「変に難しく考えすぎて詰みそうになる病」が発動し30分くらい悩みましたが、普通に遊ぶ際には変に詰まるところも無いと思います。

気怠い雰囲気が漂う登場人物たちと、雑談だったり、雑談に見えてその人にとって大切なことを話したりする、その独特の空気感が心地よいです。

どのキャラクターたちも、会話を繰り返す中で愛着が湧いてきて、どのように物語が進むのかわからないうちから、みんな幸せになってほしいと自然と感じていました。

ゲームの中盤から、クリアに必須ではなさそうですが、世界観の考察に繋がる間違い探しが遊べるようになります。
ファミレスらしく難しい間違い探しでしたが、自力で解けて満足です。
ただ、画面の汚れと間違いが混同して大変な所があったので、これから遊ぶ人はゲームやモニターの画面を綺麗にしてから遊んだほうが良いと思います。

深夜のファミレスを体験したことはありませんが、多分、間違い探しをしている時に感じていたあの気持ちが、深夜のファミレスで過ごす雰囲気に似てるのかなと思いました。

ふんわりと雑談を楽しみながら、物語の盛り上がりにはしっかり感情が動かされ、最後にはきちんと物語上の謎や伏線が回収されるので、雰囲気を楽しむゲームとしても、物語を味わうゲームとしても高い満足感が味わえます。

もちろん、グラフィックや音楽も素晴らしく、高いレベルで世界観の構築が行われています。

深夜のファミレスの空気も、いつの日か経験したいと思いました。

（クリアした日：2023年12月13日）