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眞子さまのご成婚、海外の反応が気になったので英語のニュースをチェックしてみました①【Newsな英語vol.2】

マレーシア在住、中級英語学習者のゆりこです。

日本国内のニュース報道って、どのように国外で報道されているかが気になります。

今回は眞子様のご成婚のニュースが、どのような情報として外国語で語られているのか、ランダムにピックアップしてみました。
訳と解釈は英語中級者の私によるものです。
英語学習者のみなさまもご一緒に原典にあたってみましょう^^


CNN(アメリの大手メディア・本社アトランタ州)

まずは、アメリカの大手メディアCNNのサイトをチェック。

記事のヘッドラインは、「Japan's Princess Mako will marry her commoner fiance this month」と極々ニュートラル。
2017年に話が持ち上がった結婚話が3年越しで実現する見込みであることを短めに伝えている記事です。

しかしながら、細かく見て行くと、記事の冒頭の一文に、

a controversial union that requires her to give up her royal status

とあり、「皇室の立場を手放すこと」が「物議」であると言っているような印象を受けました。

記事の中ほどでは、

But a date for the marriage was postponed following a financial dispute between Komuro's mother and her former fiance.

と小室さんの母親とその元フィアンセの金銭的な紛争にも触れていますが、最終的に

Japan's imperial law means only male heirs are allowed to inherit the throne.

と「日本の法では男性だけが継承権を持つ」ということが結論部分として語られていて、やはり冒頭で述べている通りそこ(プリンセスが平民と結婚することで皇室の地位を失うこと)を論点にしているのかな、という印象。

また、記事の中ほどで

Before his introduction as the royal fiance, Komuro was better known as the "Prince of the Sea,"

と「海の王子」として有名だったように書いてありますが、別に有名ってほどでも?という感じだし、
日本人とはやはり視点が少し違うんだな、という感想です。

そして、

The couple is expected to move to New York after the wedding, where Komuro works as a lawyer. The Princess will reportedly forgo a lump-sum payment of more than $1 million, which she was expected to receive to start her new life outside of royalty.

と、結婚後はアメリカ行き、ということが、日本のメディアよりもいくぶんはっきりめに語られているのかな、という印象を持ちました。
一時金の放棄についてもあわせて語られていますね。

動画のニュース(2分34秒)も添えられており、そちらでは記事よりももう少し踏み込んで、「約36,000ドルを返済していない」、「ポニーテールはどうなの?(立場的にふさわしくないんじゃないの?)って世論あり」とか、「女性に皇位継承権を認めるのを好ましく思う国民が多いにもかかわらず…」、等といった、少し踏み込んだ説についても触れています。この記者さんの意見でしょうかね。
(女性女系天皇問題についてはこれまたcontroversialな話題ですが、CNNの記者が動画内でそう言っていた、ということで)

また、「国民の意見は真っ二つにわかれていて、半分がこの結婚に賛成、半分が反対だ」とも。
実際の世論がどれくらいの割合なのか、私は調査報道などを目にしていないので「この記者が言っていた」ということなのですが、そうなのだとしたら、ずいぶんと賛成者が増えたということですね。

動画にはテキストが付いていないですが、短くて単語も比較的簡単なので、英語学習者の方はサラッとリスニングしてみましょう。

次、いってみましょう。


BBC(イギリスの公共放送局)

お次は、イギリスの公共放送局のBBC。
記事のヘッドラインは、「Princess Mako: Japanese royal to finally marry commoner boyfriend」と「Finally」が入ったことで、CNNよりエモーショナルな印象。

1枚目にはCNNと同じ、ご婚約時の会見のお写真が使われていますね。
2枚目の写真はポニテの小室さんのお写真となっています。

記事もCNNよりだいぶ長く、後半に「日本のハリー&メーガン」という小見出しが付いていたり、日本の皇室の家系図が添えられていたりと詳しく、エンタメ性が強めです。

記事の内容について見て行くと、
前半で、ご結婚延期の理由として

The couple were initially set to wed in 2018, but this was put off, reportedly after accounts that Mr Komuro's family had run into financial difficulties.

と。
母親の借金問題であるというより、「家族が金銭的に困窮」という感じで語られているのが、ちょっと「敢えて逸らしている感」?と思わないでもないです。

そしてこちらでも、

They are expected to move to the US - where Mr Komuro works as a lawyer - after marriage.
Their movements have been heavily covered in local media.

と、結婚生活をアメリカで、という説が記事内で早々に語られています。
「heavily covered in local media.」とあるので、CNNではサラッと短めなニュースでしたが地方紙や大衆紙などではもっといろいろ言われているのでしょうかね。後でみてみたいです。

そして、

the princess to suffer from post-traumatic stress disorder

と、「共同通信が伝えた宮内庁発表によると」という説明をつけて慎重に、プリンセスの「心的外傷後ストレス障害」についても触れています。
そのあと、

Her aunt, Empress Masako, also suffered from a stress-related illness, having faced intense pressure to produce a male heir. There is often stigma around mental illnesses in Japan.

と続き、日本の皇室の男子の跡継ぎを生むことへのプレッシャーや、日本社会が精神的な病について寛容ではない、といったことについて、やや批判しているような論調を感じます。

stigmaって、けっこう強い言葉じゃないでしょうか。(汚名、などと訳される言葉です)

小室さんのポニテ帰国の写真をはさみ、記事は続きます。

お二人の出会い、金銭問題の件に触れた後、
「2018年に予定されていた結婚が延期したのは金銭問題が原因ではない、と宮内庁は発表したけど、秋篠宮殿下は『金銭問題の解決が先』と述べられた」旨などが語られ、秋篠宮殿下の誠実さというか、地に足付いた感が語られているように感じました。

そして

Princess Mako will reportedly forego a traditional lump-sum payment of up to 150 million yen ($1.3m; £0.97m) which is typically given to a member of the royal family upon their departure from the household.

She is also expected to skip the usual rites associated with a royal family wedding.

と、プリンセスが一時金と結婚の儀式を見送ると報道されていること、そしてそれは前代未聞(初めて)のことであることが述べられています。

また、ここでも、

Under Japanese law, female imperial family members forfeit their status upon marriage to a "commoner" although male members do not.

と、「日本で女性皇族はこうなんだよね、男性皇族と違って」的な視点で論じられています。「平民」と強調してあるあたりにも意図的なものを感じます。

と導かれてきたら、やはりキタ!、というのが、

'The Harry and Meghan of Japan'

の小見出し。
やはりそこと対比しますよね!

そして、日本であまりにも語られたポニテ報道に対して

In a country where appearance plays a big part in people's impressions, some in Japan felt that his new hairstyle was further proof that he was not fit to marry Princess Mako.

と、「日本人は外見を気にするから」と説明。
(個人的には、メディアが何か目に付いたことを扇動的に言いたいだけでは、って気がしないでもないですが)
確かに、多様性のある国の人から見れば、「髪型ごときに何をそんなに。あ、日本人って外見を気にするからねっ」って感じなのかもしれませんね。

その後記事は、小室さんの母親の金銭問題、NYのロースクールへのコネ入学疑惑など、いろいろあったけど、長期にわたる過熱報道に耐えた小室さんは評価された、と概ね好意的に報道。

ここでも、「母親の金銭問題」というにとどめ、「元フィアンセに借りたとか借りないとかいう400万円ものお金を返していない」というスキャンダラスな言い方を敢えて避けているような節があります。
これは、英国流のジェントルマンシップでしょうか、結婚が決まった方への祝福としての礼儀でしょうか。同じく皇室を持ち敬う国としての配慮でしょうか。
なんとなく、そのpoliteな報道姿勢に好ましさを感じてしまいました。

そして、

That, and their decision to live in the US, has earned them the nickname "Harry and Meghan of Japan".

「そのこと(皇室メンバーと結婚する人が物議を醸している人物であること)と、アメリカに住むというお二人の決断」から、「日本のハリー&メーガン」と呼ばれていると導いています。

もう一点、日本に対するリスペクトを感じるのは、日本のことを、

the world's longest running hereditary dynasty

「世界で最も長く続く、世襲制の王朝」と表現してくれているあたりです。

みなさん、これ日本のことですよ。世界一ですよ。知っていましたか?

日本のメディアでこういうこというのってあまり聞かないですけど、実生活でも、イギリス人からはしばしば、日本をこのように美しく伝統的に語ってくださる表現を耳にします。
日本も、自国のことを、もっと美しく、伝統を評価し、善の部分をきちんと自国民にアピールする論調で語るべきなのに、っていつも思います。

そして、特筆すべきはラストの締め。

Though they are much more low-profile than the British royals,

「イギリス皇室よりはだいぶ知名度が低いけどね」っと自国を称えることを忘れません。
こういうところ、好きです(笑)。

CNNとBBC、どちらもニュートラルに、スキャンダラスな言い方を避けて言っている感じがしましたね。


今回のまとめ:日本の報道より「女性の地位」や「寛容性」に焦点か

アメリカとイギリスの大手メディアを覗き見してみると、小室さんの母の借金問題というよりは「女性皇族が『平民』と結婚するとその地位を手放さなければならない法律がある」とか「日本はいろいろ寛容ではない(意訳)」といったあたりに、日本の報道よりも焦点が当たっているのかな?と感じました。

また、「アメリカで暮らす」ということがいくぶん明らかに語られているのかな、という印象もありますね。

Newsな単語&表現のおさらい

憶えておきたい単語と表現をおさらいしておきますね。

financial dispute (金銭に関する紛争)
commoner (平民)
caused a media frenzy (メディアを騒がせた)
a controversial figure (物議を醸す人物)
a country where appearance plays a big part (外見が重要視される国)
further proof (更なる証拠)
scrutiny and public pressure (精査[厳しい目]と世論の圧力)
allegation (疑惑)
give him credit for ~(~について評価する)
withstanding the intense media obsession (過熱報道に耐える)
has earned them the nickname "~" (~と呼ばれている)
much more low-profile than the ~ (~と比べて知名度が低い)
their relationship playing out in the open (二人の関係がオープンになっている)
a rare spectacle (珍しい光景)
hereditary dynasty (世襲制の王朝)


ゴシップネタを語る際には覚えておきたい言葉がたくさんありますね。

 *   *   *   *   *   *   *

次回は、イギリスの大衆紙(セレブ&ロイヤルファミリーの話題多め)「Hello!」や、その大元となっているスペインの大衆紙「Hola!」、「L‘Express」(フランスの週刊誌)、「The Star」(マレーシアで一般的なメジャー紙)などなど、アメリカ・イギリス以外の国の報道の様子も見て行きますよ。

大衆紙だと、もう少しスキャンダラスにおおげさに語られていそうですね。

眞子様にはお幸せになっていただきたいですね。
祝福される前途となりますように、心からお祈りする次第です。

ではでは。


ゆりこ







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