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起業一年目の話。 ~オフィス仲介~Vol.2

このマガジンは 起業した経営者あるいは独立したフリーランサーの「一年目」にフォーカスしたインタビューメディアです。「起業しようかな・・・」「独立したけど不安だ・・・」と、これからの働き方に不安を感じる人は、実際の経営者やフリーランサーがどのような考えや気持ちで独立したか、苦労したことは何か、独立する前にした方がよかったこと、等々参考にしてください。このマガジンが、これから起業・独立を考えている方や独立したばかりで不安が多い方の励みになることを心から祈ってます。

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株式会社ルークス(Roox.Inc.)
代表取締役 福山寛人

この話のポイント
・起業は父親の影響
・福山社長の理想は「丁寧なプランニング作り」
・営業方法は目先の利益を追わないこと
・現状での満足度は92点


ー本日は宜しくお願いいたします。まず、福山さんの簡単な経歴を教えていただけますか。

不動産管理会社、オフィス仲介会社、オフィス仲介会社のフリーランスを経て、2012年12月25日に会社を設立しました。起業してから今期で7期目を迎えます。

ー御社の業務内容を教えてください。

弊社はオフィス仲介に専門特化した不動産会社です。既に500社以上の移転に伴うサポートをさせていただいておりますが、「仲介だけして終わり」ということはしないよう心掛けております。そもそも本当に移転する必要があるか、移転するにしてもその時期や解約通知を出すタイミング、内装にかかる期間と費用等、オフィス移転に伴って発生する様々な問題を総合的にコンサルティングするように心掛けています。

ー福山さんが独立したキッカケなどはありますか?

元々親が事業をしておりましたので、その影響は大きかったと思います。よく分かりませんが、早く一人前になって起業したいという意欲は昔からありました(笑)。起業思考が強かったので、創業する1年前にオフィス仲介のフリーランスをしていますが、そこで資金を貯めてから29歳の時に会社を設立しました。

ー会社の設立にあたっては、かなり計画的だったんですね。独立後のメリット、また会社員時代と比べて意識していることはありますか?

会社員の時は管理されていたので、どうしても目の前の数字を追わないといけなかったですが、今では自分の理想を追えることが一番大きいですね。理想というとカッコ良く聞こえるかもしれませんが、私の理想は「一つの案件をプランニングすること」なんです。仲介は業務上、貸主と借主をマッチングさせたら終わりですが、契約の際には様々な交渉が必要になります。一例ですが、フリーレントと言って賃料を一部の期間免除する契約があるんですよ。貸主との交渉の末、フリーレント期間3ヶ月とした契約が出来たとしても内装工事が伸びてしまうと、頑張って交渉したフリーレントが無意味になってしまいます。それって、私からすると完全なプランニングミスなんです。会社員時代はテナントに寄り添った親身なスケジュール管理が出来ませんでしたが、今ではそれが可能であることが一番嬉しいですね。
会社員時代と比べて意識している事ですが、正直、殆どないです。というのも、会社員時代から起業思考が強かったので責任感を持って仕事に取り組んでいましたし、実際、成績もトップでしたので今と比較しても気持ちの面で変わっていることはありませんね。

ー独立した1年目の苦労話などはございますか?

前の会社は業界でもそこそこ名が知れていたので、会社名を言うと相手にしてくれていましたが、創業当時は認知度がないのでナメられることが多かったくらいです(笑)。

ー参考までに1年目の売上を聞いてもよろしいですか?

一年目は3,000万円程度でした。しかしフリーランスの時は2,000万円くらいだったので、法人1期目にしてはよく出来たと思いましたね(笑)。あと創業してからは一度も赤字を出していないことが少し自慢です(笑)。

ー従業員数は現在5人と伺っていますが、人員を増やしながらも業績が上がっている秘訣はあるんですか?

・・・慎重にやることですかね(笑)。むやみに増員・増床しても固定費だけが上がるので、タイミングを見計らって一歩ずつ慎重に増員しながら業務を拡大させています。

ー参考までに、福山さんの営業方法を教えてもらえますか。

クライアントから選ばれる営業マンになることです。実は移転を考えているお客様は必ずしも移転が必要な方ばかりではないんですよ。移転しましょうと物件を提示する事は誰でも出来ますが、私の場合、結果的に移転せず事務所のレイアウト変更だけで終わることもあるんです。そうすると不思議と信頼して貰えて、将来本当に移転が必要になった時に声をかけていただけますし、他の社長様を紹介していただけます。若い時は目先の利益ばかり追っていましたが、途中からは信頼してもらうことの大切さに気付き、営業スタイルが変わりました。目先の利益に囚われず、現状での解決策を考えることが重要なんです。

ー逆に独立する前にした方がよかった準備などありますか?

・・・特にないんですよね。何度も言うようで恐縮ですが、会社員時代から計画的に準備をしていましたし、一人でもやれると感じた時に独立したので、これと言った準備があった訳でもなかったんです。なんか、偉そうですみません・・・。

ーぶっちゃけた話、満足度が100点としたら今は何点ですか?

92点です。半端な数字ですが、更なる発展(8点)を目指しているので、現状では92点ですね(爆笑)。

こんな感じで一人で笑ってました(笑)

ーでは、将来的に不安なことはありますか?

強いて言えば、身体が追いつかなくなることです。当然、年齢は上がっていくのでいつまでも現役では出来ませんし、そのための組織作りや人材育成を考えています。中でも人材育成には時間とお金がかかります。不安というよりは課題に近い感じですね。

ー福山さんにとって、起業や独立はオススメですか?

人によって向き不向きがあると思うので、なんとも言えないです。やはり不安やプレッシャーもありますので強いハートが必要ですし、自信を持ってやらないといけない場面もあると思うんですよ。その時に少しでも後ろめたい気持ちがあると自信は持てないと思うので、正しい気持ちと強いハートがあるのであれば、起業しても失敗しないと思います。

ー今後の目標はありますか?

会社の通過点だけで考えると、事業規模の拡大や人員増加が掲げられますが、個人的な目標だとハッピーな人生を送ることです。具体的な内容は、年齢と共にその都度変わると思いますが、最後を迎える時に胸を張って迎えられたらそれが一番ですね。

ー最後に独立しようか悩んでいる人へ向けたメッセージがあれば、お願いします

アメリカでは70歳以上の高齢者に「一番後悔している事はなんですか?」とアンケートをしたところ、大半の回答が「チャレンジしなかったこと」だったそうです。若い時なら仮に失敗しても体力があるので取り返せますが、年齢が上がると体力がなくなるので、挑戦そのものが出来なくなるんですよね。なので、独立しようか悩んでいるのなら、若い時に挑戦した方がいいと思います。人生一回きりですし、人は必ず亡くなるので、強く思うのなら挑戦してみては如何でしょうか。

ー本日は有難うございました。

株式会社ルークス(Roox.Inc.)
代表取締役 福山寛人
1981年10月、出身は三重県。
座右の銘:面白きこともなき世を面白く すみなすものは心なりけり

感想
終始ニコニコとされており、謙虚かつ低姿勢な社長でした。「人間として何が正しいか」とまるで稲盛和夫氏の言葉を体現するかのように、公明正大な経営姿勢が垣間見え、私自身心が洗われたような錯覚に陥りました(笑)。
オフィス移転をお考えの方、あるいは現状では移転を考えていない方も一度お話を聞いてみては如何でしょうか。
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