カズベキの犬

映画・小説から日々の徒然まで。主にホラーが好きな社会人 (27) 早稲田 → 都内IT…

カズベキの犬

映画・小説から日々の徒然まで。主にホラーが好きな社会人 (27) 早稲田 → 都内IT勤務

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  • エッセイ

    街、旅、暮らしのエッセイ。ちょっと豊かになる、がモットーです。

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    小説や漫画の感想文です。思うがままに、がモットーです。

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【エッセイ】#13 親子で過ごせる時間は3年

ふとなにかの広告で「人生で、親子で過ごせる時間は3年」というコピーが目に止まった。たしかリモートワークを推奨する広告だったと思う。 リモートワークをすれば、もうちょっとだけ親子の時間を引きのばせますよ、と言いたげな内容だったと思う。 それはいいとして、「そうか、親子で過ごす時間は 3年 なのか」とシンプルに思ったわけです。 「親子で過ごす時間」というのはどうやら、寝る時間は除いてお互い意識がある状態で空間と時間を共にしていることを指すらしい。 リビングでTVを見ている

    • 【エッセイ】 #12 月の爆撃機

      良い曲には3種類ある。 音がいいか、声がいいか、歌詞がいいかの3つだ。 そうはいっても個人差がある。 自分は歌詞が好きな曲と遭遇すると、とことん聴いてしまうタイプという自覚がある。 歌詞がいい曲を創る筆頭といえば、ミスチル。大ファンである。 なぜミスチルが好きなのか。 それは「直接的ではないが心に触れる」歌詞を書くからだ。 ミスチルは「日々わかったつもりでいて、わかっていない」「もやもやしているが、言葉にできていない」そんな人々の機微を掬うような言葉を歌詞にする。こ

      • 【エッセイ】#11 あの日観たレイトショー

        中学生の頃、ショッピングモールが嫌いだった。特に日曜日は最悪だった。 まるで儀式のように買い物に訪れる人々、夕方に近づくにつれ倍速で動くような忙しなさ。あの空間にいると、ハリボテの幸せを浴びるようで辛かった。 みんな一生懸命幸せを見出そうとしている、そんな自分も家族に連れられここにいる。家族の幸せを壊したくなかったからだ。 広いはずの世界でなぜこんな場所にいるのだろう、 みんなこの場所で何を見出して今、笑顔でいるのだろう。 親の目を盗んでWOWWOWにハマっていた映画

        • 【エッセイ】#10 父が猫を抱いた夜

          心に残る父との思い出はそんなに多いものなのだろうか。 決して父と仲が悪かったわけではない。 ただ、父はあまり自分のことを話すタイプでなかった。 父親として以外の父を知る余地がなかった。 唯一知っているのは釣りが好きだということ。 若い頃は毎週末レガシーに乗って釣りに勤しんでいたことは知っている。 平日の夜、外房の漁港に連れられて一緒に釣りをしたことも覚えている。 やけに星が綺麗で、少し湿った夜風が吹くあの夜。 それでも父親と胸の内を明かし合う、なんてことはなかった。

        【エッセイ】#13 親子で過ごせる時間は3年

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          【漫画感想】 #1 外道の歌

          ついに終わってしまった。 最高にエグくて読むのが辛い、名作漫画が終わりを迎えてしまった。 その名も「外道の歌」。 今回は、まさにアングラと呼ぶべき "復讐" をテーマにした名作漫画ついて紹介したいと思う。 外道の歌(善悪の屑) 概要当初は「善悪の屑」という名前で少年画報社『ヤングキング』2014年10号から2016年7号まで連載された作品が、第二部として継続連載されたものが「外道の歌」である。善悪の屑は全5巻。外道の歌は全15巻。作者は渡邊ダイスケ。 ちなみに、一

          【漫画感想】 #1 外道の歌

          【映画感想】#2 「BLUE GIANT」俺たちのタマダ、アニメの枠を超えた最高のJAZZ映画

          鑑賞後の興奮が冷めやらぬうちに、書こうと思います。 ついに、漫画が原作のアニメ映画 BLUE GIANT(ブルージャイアント)を映画館で観てきた。 一言でいえば、最高のJAZZ映画だった。JAZZをよく知らなかった自分でも心の底からそう思わせられくらい濃厚な2時間だった。いや、本当に一瞬でした。 今回はそんな最高の映画「BLUE GIANT」のあらすじとその魅力について書きます。 BLUE GIANT あらすじ BLUE GIANT は漫画が原作。山漫画の名作として知

          【映画感想】#2 「BLUE GIANT」俺たちのタマダ、アニメの枠を超えた最高のJAZZ映画

          【エッセイ】 #9 遠藤周作に学ぶ、どうしようもない夜の過ごし方

          張り詰めた糸が、プツンと切れた。 そうやって職場に顔を出さなくなった人を度々見かけてきた。 真面目そうにしていたあの人。 いつも笑顔でいたあの人。 張り詰めた糸は、緩められなかったのだろうか。 そんな当たり前でしょうもないことを考えてしまう夜が誰にでもあるのではないだろうか。 今回は人生にたびたび訪れる、どうしようもない夜に読み流して欲しいようなことを書いてみる。 どうしようもない夜に読んでみる本遠藤周作 の「眠れぬ夜に読む本」という作品がある。 この作品の冒頭

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          【映画感想】#1「ザリガニの鳴くところ」に哲学を学ぶ

          ※この記事は映画「ザリガニの鳴くところ」のネタバレを含みます。 今回は 2022年に公開された映画「ザリガニの鳴くところ」を観た感想について書きます。 結論、余韻がある作品で個人的にはかなりハマりました。 題名や予告からは暗いミステリーのような印象を受けますが、牧歌的な要素もある、味わい深い作品だったと思います。 ただ、この作品には哲学的なテーマが含まれているのではないか? そんなことも考えたので、この記事でしっかり言語化したいと思います。 まずはざっとあらすじから

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          【ホラー語り】#3 村上龍より学ぶ、ホラー映画の存在理由

          時として小説は1つの"答えらしきもの" を 心にポツンと落としていくことがある。 ホラー映画の存在理由は何か? 今回はこの問いに対して私の心に答えを落としていった小説 村上龍の「インザ・ミソスープ」を取り上げる。 あらすじとしては、正体不詳のアメリカ人 フランクと 歌舞伎町で夜の街をアテンドすることを生業とする主人公 ケンジが出会うことから始まる、年末の新宿を舞台にした物語だ。 インザ・ミソスープはその内容から問題作として知られているが、 私は今まで読んだ小説の中でも

          【ホラー語り】#3 村上龍より学ぶ、ホラー映画の存在理由

          【エッセイ】 #8 グロい小説は悪なのか?

          「グロい小説好きなんだよね!」 こんな台詞は私は人生で一度聞いたことがないし、 いま読んでいただいている貴方もおそらく、ないだろう。 そしておそらく、今この記事を読む私も貴方もグロい小説が嫌いというわけではないはず(そう思いたい) ちなみには私は自分のブログでこんな記事を書いている 【閲覧注意】グロい小説おすすめ14選!どこまであなたは耐えられるか? とんでもない記事だ。 そう、私はグロい小説が好きなのである。 いや、別にグロい小説が嫌いでも全然構わないのだ。

          【エッセイ】 #8 グロい小説は悪なのか?

          【ホラー語り】 #1 ホラーが好きということ。

          ホラーが好き。 この言葉で共感を得たことは人生で数少ない。 堂々と人前で言えたことではなかった。自分はそんな人生だった。 ホラーが好き。それを悪趣味だという人もいた。別に間違っていないと思う。良い趣味とは何かもよくわからないけど。 それでもホラーが好きだ。 きっかけは親が契約していたWOWWOW。 内緒でこっそり見ていたのはいかがわしい映画ではなく、 オーメンだった。思春期の夜、深夜2時過ぎ。 荘厳なBGMに包まれ、氷のような目をした少年を食い入るように観ていた。

          【ホラー語り】 #1 ホラーが好きということ。

          【ホラー語り】 #2 安定剤としてのホラーのすゝめ

          「バランスが取れた人間ですよね」 これは自分にとって呪いの言葉だ。 確かに、バランスが取れているなと思う人はいる。 職場の仕事のできる上司はまさにその典型で、適切な場面で適切な言葉を発することができる。コミニケーションを間違えないタイプの人間である。 誰とも壁を作らずに、円滑に物事を前に進められる手本のような人間だ。 そして最近の自分もどうやら間違えない人間になっているらしく、呪いの言葉をかけられるようになったのだ。 バランスが取れている人間など、そもそもいるのだ

          【ホラー語り】 #2 安定剤としてのホラーのすゝめ

          【エッセイ】 #7 夏の夜の"ととのい"

          もう、うんざりだ。 22時。ギュウギュウに詰め込まれた、からっぽの頭を抱えて地下鉄の出口を這い出る。 顔に一瞬、少し冷えた風を感じる。それも束の間。 東京の気怠い空気を溜め込んだアスファルトが熱気を吐き出し、体にまとわりつく。 暑い。東京の夏の夜は風情もないし、何もない。自分の頭と同じ空っぽだ。うんざりする。 そんなうんざりを抱えながら、家路に向かう。 家には350mlのクラフトビールがある。コンビニで買える、少し高めのクラフトビール。 "普通よりも少し良いもの

          【エッセイ】 #7 夏の夜の"ととのい"

          【エッセイ】 #6 セレンディピティとカエルの街NAKANO

          暇になったらとりあえず中野にいく。 今回はそんな自分の小話です とりあえず結論からいうと、中野とは「行ってみれば何かあると思わせてくれる街」だということですね。 先にこの話のテーマとなるセレンディピティについてだけ、サラッと載せておきます。 セレンディピティ セレンディピティ(serendipity)とは、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること。また、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけること。平たく言うと、ふとした偶然

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          【エッセイ】 #5 梅雨を嫌いにならない秘訣

          みんな梅雨が嫌いだという。 梅雨ってジメジメしてるし、いい所なんて逆にあるの?髪も決まらなければ、心も晴れない!という感じに。 まあ確かにその通りだ、反論する余地もなく梅雨はジメジメしてるし、人間にとって一番鬱屈な季節かもしれない。6月なんて祝日すらないし。 でも嫌いな季節を作ってしまうことにもったいなさを感じる自分もいたりする。そんな時自分は季節は大変貴重なものだと考える。 つまり日本のわびさびを創ってきたのだから、日本人として趣を感じる余裕を持てばいいのだ。どんな

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          【エッセイ】 #4 ネコについて考える日

          もう毎日疲れたよね ネコについて考える日があっても良いよね。 ってことで今回は、自分が大好きな「ネコ」について考えてみました。(実家で3匹飼ってました) (とても大事なことなので、ここから少し威厳を持った文体にしてみます。) みなさん、ネコの日なるものをご存知だろうか? 2月22日、これが神聖なる「ネコの日」である。(ニャーニャーニャー=222) 猫が好きあるいは猫を飼っている人ならきっと皆共有している、いわば天皇誕生日といっても過言ではない日ではないだろうか。(

          【エッセイ】 #4 ネコについて考える日