Masato SAGA

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SAGAノート#3:緑とアートを愛して

5月の嵐山は新緑に満ち、アート巡りにうってつけだ。 人の流れをすり抜けて、川伝いに上がれば、嵯峨嵐山文華館さんに辿り着く。今回の展示は四季とりどりの花を描いた日本画で、横山大観や菱田春草らが描く情景により花暦がうつろいでゆく。私は2階に展示されていた今尾景年の花鳥図4点に特に惹かれた。鳥たちは生き生きした表情で戯れ、その羽毛はツヤと柔らかさを存分にたたえる。花は大小さまざまに掛け軸を飾り、洗練された構図に整えられている。会期中にもう一度見に行きたい作品だ。 午後は阪急で大

    • SAGAノート#2 おもてとウラと

      『何がよくて悪いのか コインの表と裏みたいだ』 山根麻衣「THE REAL FOLK BLUES」より 100円硬貨が2枚あった。職場近くの自販機に滑り込ませ、缶コーヒーを買う。つかの間の一服とともに、脳内会議がスタートした。議題は『硬貨の「おもて」と「ウラ」はどう決まるのか』である。 ※この会議はあくまで個人内の問答であり、現行制度に疑問を呈したり、他者との意見のぶつけ合いを期待したりするものではない。もっぱら妄想の類であると一笑に付していただくことを望む。 100円

      • SAGAノート#1 白紙にひとふで

        1枚、タイルを描き上げた。 こちらの作品は『ゼンタングル』というアートで、9×9センチの紙(タイルと呼ぶ)にペンで様々なパターン(タングルと呼ぶ)を描くものである。今日は四角に区切ったタイルに同じタングルを並べ、全体が1つにまとまるようにしてみた。隣同士のタングルが新たな見え方を生み、境界があいまいになる。この不思議な錯覚は、白紙のタイルにひとふでずつ加えていった後に見返すと格別の驚きと喜びをもたらしてくれた。 最初の一筆はいつも緊張する。一面の銀世界に足を踏み入れるよう

      SAGAノート#3:緑とアートを愛して