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食品メーカが自社で容器を進化させ続ける!中身も外見も重要?

買って良かったものというか、毎日のように食しているものです。
今回も紹介&特許調査です。

今回はミツカンの納豆

毎朝、米食の際には納豆をほぼ毎回食べるのですが、土地柄なのかミツカンのものをよく食します。

一番は「金のつぶ パキッ!とたれ とろっ豆」(以下、とろっ豆)です。フワフワ感が何とも言えず、よくある醤油とからしで味付けしたものとは違った食感です。

「金のつぶ たれたっぷり!たまご醤油たれ」(以下、たまご醤油)も好きでなのですが、近所のスーパーでは安い時が少ないらしく、こちらはたまに食べる程度です。たまご醤油たれがが濃厚なところが、特徴的です。

他に「金のつぶ 押すだけプシュッ!と梅風味黒酢たれ」(以下、梅風味)というものたまに食します。梅風味という変わり種ですが、納豆と梅風味がよく合います。

容器の特許調査

納豆の紹介はこれくらいで、特許調査です。
納豆は古くからある日本食です。特許なんてと思うかもしれませんが、挙げた3つの納豆のたれの入れ方が3種類とも違うです。
これは何かあると思い、特許を調べることにしました。

手が汚れない秀逸な容器

とろっ豆は、ミツカンだけの非常に特殊な容器で全く手を汚すことなく、たれを入れることができます。

パキッ!とするだけ(ミツカンのHPより)

ちょっと勇気が必要な飛び出しタイプ

梅風味は、たれが小さな袋に入っているスタンダードな感じですが、この袋が特殊。強く押すとプシュッっとたれが飛び出ます

プシュ!っとするだけ(ミツカンHPより)

最もよく見るタイプ

たまご醤油も、たれが小さな袋に入っています。手で袋を破るタイプで、いわば、どこにでもあるようなタイプです。

中身と容器は違う会社が作ることが多い

食品の容器、例えばスーパーのお弁当箱とか、牛乳のパックなどは入れ物(容器)だけを作る会社が設計、製造して容器として販売し、中身は食品メーカが入れるということが多いです。
ゆえに、特許調査をする際には容器メーカを調査しないと所望の特許に到達しないことが多いそうです。

蛇足ですが、フランクフルトやホットドッグを買うともらえる、ケチャップとマスタードが同時に出せる「アレ」は、ディスペンパックジャパンの「パキッテ」という容器です。この容器はもともと、食品用ではないというから驚きです。
ご興味のある方は、下記TBSのリンクをどうぞ。

ミツカンが発明したのか??

そんな予備知識がありながら、とろっ豆の容器はミツカンでしか使われていないので、ミツカンの自社開発では?と思って調べたところ、感が的中しました。

とろっ豆の容器はミツカンが特許を取得していました。
しかも、2件!!。特許5323870号と特許5844619号です。図番号もほぼ同じで、図だけではどこが変わったか分からず、間違い探し状態ですw。

特許5323870号の図の抜粋
特許5844619号の図の抜粋

今は販売されていませんが、「パキッ!」とする容器の前に一時期、ジェル状のたれが付いていたことがあります。

2009年頃に販売されていたジェルタイプ(ミツカンのHPより)

そちらもミツカンが特許5243787号として特許取得していました。

特許5243787号の図の抜粋

ミツカンのパッケージの進化

進化の過程としては、まずは納豆の上の薄いフィルムをなくすことに主眼がおかれたようです。

またご醤油は今でもこの形態なので、納豆の上にフィルムが載せてあります。さらにその上にたれの小袋が置かれています。
フィルムをなくすと、たれの小袋を納豆の上に置けなくなるので、たれに何か工夫する必要があったのだと推測します。
そこで、たれをジェル状にすることで、「箸でたれをつまむ」発明をしたのだと思います。

たれをつまむという画期的なアイディアでしたが、つまみやすさと混ざりの良さは背反するので、どうしても混ざりが悪くなりがち。

そこで、完全な液体のたれを入れらるように進化したのだと思います。

ミツカン、すごいですね。これを自社で開発したなんて。

梅風味のたれのパックもミツカンの発明?

梅風味のたれの小袋も調べたのですが、こちらはミツカンが特許を取得した形跡はありませんでした。
少しだけ近い出願はありました。特開2002‐272410(拒絶査定)です。サラサラの液状だと、かけすぎることがあるので、適度にゲル状にするという内容です。

特開2002‐272410の要約

梅風味のたれはゲル状なので、もしかしてと思ったのですがこの発明とは直接関係なさそうです。
ただ、たれの粘度にまで手を加えようというスタンスが素晴らしいですよね。ゲル状でないと、強く押してプシュッっとたれが飛び出たときにピューっと飛び散りますもんね。

最後に

ミツカンは納豆以外にも、お酢、ポン酢、料理酒、各種つゆなどを作る、創業220年にもなる、愛知が誇る老舗です。
提供される食品への開発努力はもちろん、パッケージに至るまで自社で考えるという点には頭が下がります。そういう企業風土なんですかね?

もし、担当者にお話を聞ける機会があれば、製品ごとにたれの容器を変える理由を聞いてみたいですw


最後までお読みいただきありがとうございます!
私は特許出願は多いもののエンジニアであり、サーチャーでも弁理士でもありません。特許調査に間違いなどがあれば、ご指摘をいただければ幸いです。


また、趣味と実益を兼ねようと、家電修理を始めようとしています。今はまだ修行ということで、無償で対応します。修理して欲しいものを超・超・大募集中です。第1回の修理の状況はこちらに。

詳細はこちらのHPにも記載しています!!
応募はHP記載のメールからでも、NOTEのメッセージからでもどちらでも結構です♪
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