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赤ドレスの女(100/100)

お疲れ様です。

おかげさまで今回で100回目を迎えました。

こんなサラリーマンのブログをどなたが見てくれているのでしょう。日本の一部の皆さまに支えられて中年の手習いも目標の100回達成できました。通勤以外でこんなに続いたことはございません。本当にご愛読ありがとうございました。

今日、打ち合わせでホテルに呼ばれて行ってまいりました。まれにではありますが打ち合わせにホテルを指定される地方のお客様はいらっしゃいますけど、社長さんの会社は大久保にありますのでめずらしいことだなと思いました。

社長さんは赤いワンピースで待っておられました。寒い日に派手だなと思いました。1階の喫茶店でお話していますと様子が変です。

身を捩じらせ苦悶の表情を浮かべます。かと思うと大きな溜息。そして薄ら笑い。何度も組みかえるミニスカートから伸びる足。

私は、私はもしかして。

何となく私の話にも上の空です。テーブルの上のアイスレモンティーにささる口紅のついたストローを見ると噛まれてペシャンコ。

これはもしかして。

荒れ気味の呼吸に合わせて腰のあたりをゆっくりとさすり始めました。上半身をおもむろに屈ませ私の方にあげた目は心なしか潤んでいます。胸元がいつになく大胆です。

誘惑。

「山本さん…」
100回記念にふさわしいハスキーボイス。
「お話の途中なんだけど、私…」
「ハイッ」

「ごめんなさい、失礼するわ」
ヨロッと立ち上がり小走りに消えていきました。
御手洗い。

あんな薄着してるからです。2月並みの寒さなのに。
春とはいえ油断できないのは
長く生きていればわかることでしょうに。

冷静に考えれば私を誘惑するはずがありません。暗いただのサラリーマンです。定年前なのに無趣味だし、昼はてんやの野菜天丼でした。断る理由を探していたなんて恥ずかしい限りです。

空のコーヒーをもう一度飲み干すと社長さんが戻ってきました。
「ごめんなさいね。」
そう言うと部屋の鍵をテーブルに置きました。

だからなに? どういう意味よ? 教えてよ
         自意識過剰? 考え過ぎか?!

失礼しました。


追伸
これで目標の100回を終わることができました。
100の短歌を詠むなんて感激です。
まだ進退は考えているところでございますが、
ひとまず1ヶ月ほどはお休みさせていただこうと思います。
またお会いできる日を私は楽しみにしています。
1年間、失礼しました。

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