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KOKAJI Challenge~経営理念づくり編

株式会社小鍛冶組。2016年2月。4代目代表取締役に小鍛冶洋介が就任した際に、刷新した経営理念について話をさせていただきます。

キッカケ

当社は、約70年続く会社ですが、バブル崩壊後、長引く不況の中、とても苦しい状況が続いておりました。作業員のリストラ、従業員の給与カット、本社売却など。

また、徹底的な現場のコスト削減。言葉としては良く聞こえるかもしれませんが、費用対効果が良いというより、1円でも安くという意味に捉えられていたと思います。

従業員の方々は、無理をし、気持ちをすりへさせてきたことと思います。

このような状況下で、従業員に対し経営方針を伝えても、経営サイドの意図とは逆の解釈をされてしまいます。従業員も疑心暗鬼になっても不思議ではありません。

しかし、小鍛冶洋介は、専務時代(当時30代後半)に中核ベテラン社員の一人一人に自身の想いを言葉で伝え、少しずつ彼らの気持ちに応えていきました。

徐々に良い方向に変わる会社を見ながら、経営者とは、ビジョンを創造し、その実現に向け想いを伝え、自身も一緒にその実現に邁進することだと確信を持たれたと思います。

2016年2月。4代目社長となるにあたり、全従業員に対し、創業であり祖父である五郎氏の想いと自身の想いをカタチにし、これからの小鍛冶組の方向性をしっかりと伝えるべきということから、経営理念づくりに着手することになりました。

元請けよし、協力業者よし、会社よし

議論のスタートは、「元請けよし、協力業者よし、会社よし」という言葉でした。近江商人の「3方よし」と同様ですが、社長はよく、この3つが良ければ、間違いはないということ皆に言っていました。

これは、現場で管理監督する立場にある従業員(現場代理人)に対して、この考え方で行動をして欲しいという願いでもありました。

仮に、元請けから値引き要求をされたとしても、安易に受け入れると、会社の利益は減り、ひいては、働く人にしわ寄せが行ってしまう。

しかし、トータルで100人工かかるところを95人工で高品質・安全な仕事ができれば、工期が短くなり元請けも喜ぶ、値引き要求されないので会社利益も増える、すると働く人に給与をたくさん払える。

こういう視点を従業員には持ってもらいたい。これが行動指針であり、会社の求める人財像にもつながっています。

経営理念

行動指針をつくり、より上位概念である経営理念を再構築しました。

行動指針で言いたいこと。それは、自分たちだけ良ければいいということではなく、関係者皆が良い方向にいくこと。これが、小鍛冶組の求めるもの。

であれば、会社を取り巻く社会、元請け、協力業者、そして、現場で働く従業員、とそれを支える家族、など、この多くの関係者に支えられて、小鍛冶組があり、その支えに感謝しながら、恩返しをすること。そんな想いをカタチにしていきました。

その結果、当社の経営理念は、「顧客の信頼に応え続け、従業員皆が安心して働ける企業を目指すと共に、事業活動を通じて、地域社会の発展に貢献すること」

「顧客」とは、元請け、協力業者、金融機関、株主など
「従業員が安心して働ける企業」とは、従業員皆が誇りを持つことができ、待遇面でも満足し、その家族も含めて安心して将来設計ができる企業のこと。
「地域社会の発展に貢献する」とは、社会インフラ整備に貢献することはもちろん、地域に根差した企業として、雇用の創出と確りとした付加価値を創造することであり、社会の持続的な発展に貢献すること。

社長の想い

そして、個・チーム・会社レベルで以下のことにチャレンジしていきたいという想いを伝えています。

開拓者精神。これは、めまぐるしく変化する環境へ自ら適応するため、新たなことへチャレンジすることが重要。新たなテクノロジーを活用したり、ゼロから1を創造したり、誰かのマネをするのではなく、他社からマネされる小鍛冶組でありたい。

組織的対応力。原動力は「人」であり、若手もベテランも大切な人財。組織の持ち場、立場で判断し、スーパースターがいなくても皆が連携しシナジーを発揮できる小鍛冶組でありたい。

経営人財育成。グループ会社を増やしていき。意欲のある人に会社運営のチャンスと経験を与えたい。そのグループ会社運営の経験者の中から、次期小鍛冶組の社長を選出したい。

KOKAJI Professionals

上記の、「経営理念」、「行動指針」、「社長の想い」の他、スローガンや中期経営計画、経営課題と重点施策などがまとまった”KOKAJI Professionals”という名の冊子を作り共有しています。

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経営理念とは?

経営理念や行動指針は、字面だけ追えば、「当たり前のこと」。その裏にある想い、そこに至る過程があるから、意味があるのではないでしょうか?

それぞれの会社の経営理念・ミッション・行動指針。その行間にある深い歴史や経験。それは他人ではなかなか知る事ができないことなのかもしれません。

言葉は、時代、時代で変わっても、その行間は変わらない。

経営理念とは、そういうものなのかなと、、、今回、経営理念づくりの話を言葉にしてみて、思ってしまいました。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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