マガジンのカバー画像

青山誠と学ぶ保育基礎講座ほいくきほんのき

9
青山誠と学ぶ保育基礎講座ほいくきほんのき、が5月からスタートします。 講座に寄せて思うこといろいろ。補足。ときにアーカイブ的なものなどなどをこちらにまとめていきます。
運営しているクリエイター

記事一覧

「青山誠と学ぶ保育基礎講座ほいくきほんのき」に寄せて その9〜保育者同士の対話、そのまえに保育者の「意見」ってなに?

「青山誠と学ぶ保育基礎講座〜保育の読む、書く、見る、対話する」に寄せて。 今回は、保育者同士の対話、そのまえに保育者の「意見」ってなんだろう…というお話です。 保育の仕事って実は5割くらい、保護者や同僚といった「おとな」相手の仕事なんだなぁ…ということに気がついたのは、仕事を始めてから数年経ってからのことでした。 同時に、人間関係をそれほど円滑にすすめられない私にとって、それは控えめに言っても、子どもを相手にするときよりも「それほど興味が湧かない」、「できれば極力少なくで

「青山誠と学ぶ保育基礎講座ほいくきほんのき」に寄せて その8〜そもそも保育の基本とは

「青山誠と学ぶ保育基礎講座〜保育の読む、書く、見る、対話する」に寄せて。 今回は、そもそも基本って何?という話。 このnote、またこのnoteの先にある「保育基礎講座ほいくきほんのき」では、基本とか、きほんとか、そういう言葉を使っています。 でもちょっと待って、基本って何? これだけ多様な保育観や保育実践がある中で、基本といったって共通するものなんてあるのかな、と思われるむきもあるかもしれません。 確かにその通りなんです。 私もこれまで複数の職場、保育現場を経験してき

「青山誠と学ぶ保育基礎講座ほいくきほんのき」に寄せて その7〜「対話っぽい」のやめませんか?

「青山誠と学ぶ保育基礎講座〜保育の読む、書く、見る、対話する」に寄せて。 今回は、対話っぽいのやめませんか?というお話。 政治の動向や、保育界の流行りなんかもあり、いま子どもとの対話に注目が集まっています。 でも正直いって、対話っぽいけど対話にはなってないものも散見されます。 対話ってほんらい、痛快であったり、苦々しかったりします。 それは自分がずらされるから。 子どもという他者と対話するならば、そこで自分がいままで思っていた価値観や、感じかたをずらされることがあります

「青山誠と学ぶ保育基礎講座ほいくきほんのき」に寄せて その6〜対話の初心

「青山誠と学ぶ保育基礎講座〜保育の読む、書く、見る、対話する」に寄せて。 今回は、対話の初心。 対話って技術いろいろあるけれど、実は始まる時点で9割決まっちゃってるかも……というお話。 いまなにかと話題の子どもの対話。やってはみたものの、むずかしい!という悲鳴?があちこちから寄せられてます。 それで私のところにも、対話の実際やその技術、コツについて教えてくれないかというご依頼をいただくことも多々あります。 子どもとの対話、ミーティングの実際については別のマガジンにまとめて

「青山誠と学ぶ保育基礎講座ほいくきほんのき」に寄せて その5〜間がけ、対話の前に

「青山誠と学ぶ保育基礎講座〜保育の読む、書く、見る、対話する」に寄せて。 今回は、間がけ、対話のまえに。 子どもとの対話についてあれこれ考える前に、 言葉がけのその前に、 保育者って「間がけ」してるよね〜、というお話。 私自身はいわゆる保育者の養成校に通わずに、独学で幼稚園教諭と保育士の資格を取ったのですが、今は、ご縁があって大学で学生さんたちに授業をしています。 二つの学校で授業を受け持っているのですが、どちらも「言葉」という授業です。 そうすると、保育を目指す学生さん

「青山誠と学ぶ保育基礎講座ほいくきほんのき」に寄せて その4〜続・見る

「青山誠と学ぶ保育基礎講座〜保育の読む、書く、見る、対話する」に寄せて。 今回は、保育者が子どもを「見る」ことのきほん、子どもを現場で見るときの実際をすこし紐解きます。 前回は、保育者が見ることって世の中のほかのおとなたちが子どもを見ることとどうちがうか、どう決定的に違うか、のお話でした。 それでも保育現場の実際においては、前回のお話はともすると「理念的に」もっといえば、ポエムみたいに聞こえてしまうかもしれません。 そんなのポエムだろ、実際の保育現場ではもっとたくさんの

「青山誠と学ぶ保育基礎講座ほいくきほんのき」に寄せて その3〜見る

「青山誠と学ぶ保育基礎講座〜保育の読む、書く、見る、対話する」に寄せて。 今回は、保育者が子どもを「見る」ことのきほん、について。 先輩から「子どもをよく見なさい!」と、よく言われた新人のころ。 そんなざっくりとした投げかけをする先輩も先輩でしたが、 こっちだって並の新人ではなく(下の下の下、もうゲゲゲ、です)、 幼稚園に就職してみたものの、実習にも行っていなかったから(大学では文学を学んでいたため免許は入職後に自分で取得)、 3歳と5歳の区別もきません。 歩いてくる子を

「青山誠と学ぶ保育基礎講座ほいくきほんのき」に寄せて その2〜保育の技と同僚性

「青山誠と学ぶ保育基礎講座〜保育の読む、書く、見る、対話する」に寄せて。 今回は、保育の技と同僚性の話。 保育の技を保育者が「同僚性を通して」学んでいく場合、おおまかに二通りの道筋があるような気がします。 ひとつは意識的に、もうひとつは無意識的に。 意識的なほうは、先輩から「これはこうだよ」とか「そうはしないで」とか、直接的に教えられる場合。 私もふりかえれば、新卒で入った時期と、りんごの木に入った時期は、けっこうそのような機会が多くありました。 新卒で入った園では、

「青山誠と学ぶ保育基礎講座ほいくきほんのき」に寄せて その1〜保育者の技について

春をまって新しい講座を始めます。 青山誠と学ぶ保育基礎講座ほいくきほんのき〜保育の読む、書く、見る、対話する 長いタイトルにすべて盛り込みました。 今回はこの企画に盛り込んだ思い、特に保育者の技について、あるいは保育者と保育の技、ということについて、考えてみたいと思います。 なんのジャンルでもそうだと思うのですが、 ある仕事なり、芸なりにおける技ということを、門外漢な人ほど軽視しすぎたり、反対に重視しすぎたりします。 身も蓋もない話ですが、保育者にだってやっぱりうまい保