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僕の『未来英文音読日記』54. 『冷凍庫の主』との約束

1987年4月11日(土)

「豪ちゃん、徒然草がまとめられたのって、鎌倉時代でしょ。
そんな昔にこんな記述が。。。面白過ぎる。。。」

なっちゃんは、いつものようにケタケタと笑った。
英検対策を本格的に始めたが、僕たちは、徒然草の音読を止めない。
それが、『冷凍庫の主』との約束だからね。

その器(うつはもの)、昔の人に及ばず、山林に入(い)りても、餓(うえ)を助け、嵐を防ぐ よすがなくては あられぬ わざなれば、おのづから、世を貪(むさぼ)るに似たる事も、たよりにふれば、などかなからん。

徒然草 第五十八段

仏道修行者としての器量のことを言うなら、今の人はとうてい昔の修行者に及ばない。だから世を捨てて山林に入っても、腹が餓えぬようにするとか、雨風の入り込まぬ用意をするとか、そういう生活手段への配慮をせずにはやっていけない。となれば、どうしても必然的に、俗人が物欲を逞しくするのに似た仕業を、当人にその気は無くとも、してしまうことが無いわけにはゆくまい。

現代語訳

(「すらすら読める徒然草 (講談社文庫) (中野 孝次著)」より引用)





つづく


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