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ざんねんないきもの事典「匍匐前進しか出来ない女」

私、一体、何がしたいの?

どうしたいの?
何が伝えたいの?
最近、その問いが頭を埋め尽くす。

あぁ、私、本当何がしたいんだろう。

書くことは、好きだ。
だけど、最近の記事は何だか嫌いだった。
何かこう、大事なことが欠落しているのだ。

本来、この書くことは、何かを伝える手段だ。
書くことが目的ではないはずだった。
しかし、この土台ともなる何を伝えたいかが、今の私には全く無い。
だから、誰にも何も伝わらない。
そう痛感していた。

私の経験から私にしか伝えられない事。
それって何?
このままでいいのだろうか?

この難問になりつつある問い。
この問いの答えに繋がる出来事が、昨日あったので書き記すことにした。

脳内バグと私のトリセツ


「おい、一気にいかなあかんぞ。」
夫が、娘にそう声をかけた。
私は、娘と夫を横目に、いつものルーティンである掃除機をあてていた。

が、次の瞬間。
娘の顔が歪んだ。
そして、飲み込んだはずの風邪薬がリバースされたのだ。
娘は、昨晩から体調を崩していた。
おそらく風邪であろうと、夫が出勤前に風邪薬を飲ましてくれていたところだったのだ。
しかし、娘の体調不良とリバースと言うイレギュラーな出来事に、私の脳内に、バグが生じたのだ。
私は、一瞬固まり、全ての思考と動作が停止した。

パニックが起きたのだ。

どう言ったことが起きたのかを説明する前に、一度私と言う人間の取り扱い説明書を伝えさせていただきたい。

  1. 私は、ルーティン化する癖があり、急な予定変更やハプニングに、極度に弱い

  2. それに加え、メモリー機能というのだろうか
    今、何をしていたかを記憶しておくメモリーポケットが極端に小さい

  3. さらには、目についたもの全ての情報に反応してしまうという性質も持ち合わせており、私の日常は大変色鮮やかであるというものだ

そのため、私を取り囲む環境は、カラフルそのもの。
誘惑と刺激の連続なのである。


さぁ、ここから話を戻そう。
娘の嘔吐により、ルーティンが崩され、バグが生じた私に何が起きたのかだ。

私はパニックになり、自分が何をしていいのか、ただただわからなくなったのだ。
しかし、その間にも夫は、非常に俊敏な動きで、娘の嘔吐の処理、服の処理、着替え、洗濯、しまいにはバグで自分が掃除機をかけていた事を、すっかり忘れた私の掃除の後始末までしてくれたのだった。

その間、私が何をしていたかと言うと、ポンっと入った携帯のLINEに反応し、一人驚愕と同時に、喜びの舞を披露していたのだった。
今、振り返っても本当に情けない。

そのLINEの内容とは、息子の幼稚園の入園抽選有無に関する連絡だった。
ママ友から、抽選なかったよ!良かったね!と言われ、息子の抽選を忘れていた自分に驚愕した。
今朝のちょっと前までは覚えとったんやで。ホンマに( ;  ; )
と、自分に小さく言い訳をした。
そして、驚愕も束の間、すぐ小躍りし、歓喜の叫びを上げていたのだった。
今、家の中がどんな状態なのか…。
恥ずかしながらこの時の私の脳からは、完全に欠落していたのだ。

そんな私に、全ての業務を担ってくれた夫が、一言こう発した。
「小児科、予約したんか?」

そこで、私は我に返った。
すると、途端にぐったりした娘が、私の視界を独占した。
私は、慌てて小児科に予約を入れた。

そんなこんなで、夫にほとんどの片付けと家事を、ママ友には抽選の知らせをしてもらった。
素晴らしいお膳立ての後に、私はやっと弱る娘を小児科に連れて行くことができたのだった。

そして、帰宅後、慣れない運転にイレギュラーな刺激的すぎる日常に、娘より弱り切った私。
弱る娘も幼き息子も放置し、私は、夜19時まで夢の世界の住人と化したのだった。
自分でも、もう言葉がないほど、お粗末な一日だと感じた。

ざんねんないきもの事典に仲間入り⁈


そんな一日を、自分なりに夜、振り返ってみた。

まじで、役立たずやないか、私…。  

この言葉しか、今日を表現する言葉は浮かんでこなかった。
まぁ、情けないわ、恥ずかしいわで、穴があったら入りたいってこの事やないかと思った。
と、同時に穴に突き落とし、唾を吐きかけてやりたくなった。
どないなってんねんや、私の頭は。
と、喝を入れ、自分を責め、羞恥心に襲われ、軽蔑するサイクルを一通り辿ってみた。
そして、何周かこのサイクルを周ってやっぱり思った。

でも、悲しいかな、これが私なんだよなぁ。

本当に、痛々しい女である。
しかし、嫌だ〜!こんなん私じゃね〜し!っと逃げるのを今日、ようやく止めることが出来た。

逃げを止めた。
good job!と思う反面、あぁ、私って本当に残念な女。
そう、残念な生き物なのだ、という言葉が脳内にこだました。

すると、こんなアニメを思い出した。
『アニメ ざんねんないきもの事典』
娘がよく、「ここに出てくる動物キモッ」と笑って観ていたアニメだった。
なんだか私にピッタリな事典ではないか。
厚かましくも、極小の尺を頂けないものかと小さく願ってしまった。



そして、こんなことも思った。
きっと家族は、こんな私と居て、日々ひっくり返るようなことばっかりだろうな。

特に夫。

もうすぐ結婚して丸8年になるが、よくこんな女と居れたもんだと思ってしまう。
私自身、正直なところ、こんな残念な自分に嫌気がさした時期が長かったからだ。

しかしだ。
そんな私だから、そんな私しか見せれん景色があるかも。
と、書きながら小さな光に向かって、匍匐前進する自分が現れ始めた。
まぁ、ポジティブでいらっしゃること。
と、そんな見苦しい自分に失笑した。

恥を乗り越えた先に見えたのは?

でも、これかもな。
私にしかない物。
私の経験。
私にしか伝えられないもの。
と、真剣に思う自分も居る。


あぁ、でも正直言うと、もっとなんかカッコいいものが良かったなぁ、と思う私もやはり居る。
でも、やっぱりこれが私なのだ。

恥ずかしい自分。
ダメダメな自分。
七転び八起きなんて出来てない。
もう起き上がれない事ばっかりで、匍匐前進か這いつくばっているのかすら分からない時もある。

もう一度言うが、これが私。
そう、等身大の私なのだ。


ここまで書いてようやく気づいたことが、一つある。
私、伝えたい事ちゃんとあるやんってこと。

等身大の自分でええんやない?
大丈夫よ。


これこれ、これやったんよなと。
そうして私は、やっと難問をクリアした褒美として、頭の中に余白と言う素晴らしい時空間を手に入れたのだった。


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