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防災について考える㉚【避難所に人が押し寄せる?~避難所運営訓練をやってみよう~】

みなさん、こんばんは!

前回は、災害図上訓練について考えてみましたが、今回は、避難所における避難者の受け入れをカードで体験できる避難所運営訓練について考えていきたいと思います。

▼前回の災害図上訓練についてはこちら▼


今回ご紹介する訓練は、避難所運営ゲームと呼ばれるものです。それでは早速みていきましょう。

避難所運営ゲームとは


突然ですが、みなさん自身が避難所の運営に携わることがあると思いますか?

以前の記事でも触れましたが、避難所の運営は自治体職員だけで行うものではありません。地区の自治会の方や自主防災組織の方はもとより、健康で早めに避難所に避難して方も、場合によっては避難所を運営する可能性があります。

そんな時、みなさんは、殺到する避難者や様々な事象にどのように対応すればよいのでしょうか。この避難所運営ゲームは、避難所運営をみんなで考えるため、静岡県において開発されたものです。

なお、H(hinanzyo避難所)、U(unei運営)、G(gameゲーム)
の頭文字を取り、HUG(ハグ)とも呼ばれ、英語で「抱きしめる」という意味です。避難者を優しく受け入れる避難所のイメージと重ね合わせて名付けられました。

避難者の年齢や性別、国籍やそれぞれが抱える事情が書かれたカードを、避難所の体育館や教室に見立てた平面図にどれだけ適切に配置できるか、また避難所で起こる様々な出来事にどう対応していくかを模擬体験するゲームです。

なお、現在は、地震編・水害編・福祉施設編等の種類があるようです。

準備するもの

①避難所運営ゲーム本体(NPO法人静岡県作業所連合会・わにて販売されています。)
②体育館や各教室等の用紙(適宜コピーし使用します。)
③筆記用具・付箋・メモ用紙等
④付属CD・パソコン・プロジェクター等

ゲーム方法

5~6名のグループをつくり、カードを置く、各用紙に記入する等の役割分担を行います。その後、読み上げられた250枚のカードを体育館や教室等の用紙に配置していきます。

このゲームでは、避難者の情報が書かれたカードを間髪入れずに順番に読み上げることで、避難者が次々にやってくる様子を模擬体験できます。避難者カードは避難生活に必要な1.5m×2mが縮小されたサイズになっているので、順番に体育館に並べることで場所を確保していきます。

最初のうちはあまり悩まず配置できるのですが、しだいに避難者カードの内容はこれでもかと“難題”が増えていきます。
「動物と一緒に避難」「テントを持ってきたので外で過ごしたい」「遠方から来た観光客」など、実際にありそうな状況が盛り込まれ、その都度プレーヤーは考えさせられます。

また、「出来事やトラブル」が書かれたイベントカードも登場します。
避難者カードのほかに「受付をつくろうという声が」「トイレが詰まった」などのイベントカードが突如現れます。避難者対応だけではない現実にも向き合うことができるのです。


※訓練では、下画像のように体育館や教室に見立てた用紙にカードを配置していきます。

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どんなことに気づけるの?

このゲームを通して、避難行動要支援者への配慮をしながら部屋割りを考え、また、炊き出し場や仮設トイレの配置などの生活空間の確保、視察や取材対応といった出来事に対して、思いのままに意見を出しあったり、話し合ったりしながらゲーム感覚で避難所の運営を学ぶことができます。

なお、矢継ぎ早にカードが提示されますので、災害発生直後に避難者が殺到することにも気づくことができます。

この訓練は、なかなか個人でやろうと思ってできる訓練ではありませんが、自主防災組織や消防団のほか、近頃はPTAですとか、学校の先生たちが取り組んでいる事例もあるようです。

確かに、学校の体育館が避難所となる場合、学校の先生方もある程度は避難者の受け入れ等についても考えておく必要があるため、非常に有用な訓練になると思います。

さて、今日はこの辺で。

最後までご覧いただきありがとうございます。

これからもひとりひとりの防災力アップに役立てればうれしいです!

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