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櫻井&相葉結婚に見る見出しの数字力の話

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昨日は夕方に突然降ってきたこの話題で騒然となったわけだけども、このニュースの「見出し」にまつわるあれそれが面白いなと思ったので記録しておこうと思う。

上のツイートはどちらも発表直後のもの。確か16:45頃解禁だったんじゃないかな?
発表されてから、祝福や驚愕に混じって盛り上がりを見せたのが、「櫻井くんと相葉くんが結婚したのかと思った笑」という、ややこしい見出しによる誤認の話題だった。
Yahoo側はおそらくその誤認バズりや指摘を受けて、上記の通り直後に「W」の文字を追加したツイートを流し直している。
発表直後の夕方のニュースでもテロップは誤認表記になっているが、藤井アナが口頭で訂正し、ニュース読み上げの際は「それぞれが」を強調している。

見出しを20~30字程度で考えるとしても、誤認回避出来る文章はいくらでもあると思う。現に、一夜明けた今日出ているニュース記事では「W発表」「それぞれが」「同時に」などの文字が加わっていて、誤認を引き起こす見出しは避けられている。

じゃあ第一報からその形で報じればいいのに、と思うかもしれないが、おそらく今回の場合、誤認を引き起こすような見出しにしたほうが諸々の数字がダンチで上がる。
一応WEB広告業界で10年以上働いていたので、いかに短文かつ目を引く文章を出すかによってCTR(Click Through Rate)etc.にとんでもなく差が出ることはよーく知っているつもりだ。アクセス数のために人の目を引くワードをこれでもかというほど放り込んでクソダサ文章にして売りたい営業と、ネットリテラシーやモラルを守り、かつクリエイティブさを出したい我々制作陣がバトルをするのは広告業界では日常の話である。だけど、どっちも正解だからこの戦いはなくならない。

話を戻そう。
「情報」を出すという仕事で考えれば、誤認表記はタブーであり、正しい情報をいかに短文にまとめるかが見出しだと思う。だけど、「広告(商品)」目線で考えると、誤認スレスレのラインをいかに攻めるかがもはや常套手段みたいなところがあるので、第一報における見出しは情報ではなく広告として考えられているのかもしれない、と思った。

現に、冒頭で載せたYahooのふたつのツイートを見ると、コメント数、RT数、いいね数全てにおいて、誤認見出しのツイートのほうが高い。最初に出されたツイートだからという理由ももちろんあると思うが、「この見出しだと2人が結婚したみたいに見えるよね」という反応をするためにあえて誤認見出しのほうを取り上げている例も含まれているはずだ。そのバズりこそWEB広告の世界では正解であるため、もしもこの見出しを後続のバズりまで計算してつけていたのだとしたら、そのライターは夜神月ばりの「計画通り」顔をして良いと思う。

さらにだ。さらに、今回の誤認は同性婚というわりとセンシティブな誤認を攻めている。奇しくも総裁選前という時期。同性婚についてもたびたび話題に上がっているものであり、その手の話題に敏感なツイッタラーがこの誤認見出しをその話題に結びつけて持論を広げ、その持論がまたバズる…という現象が起こっているのを見た。

ほんの数十ワードの見出しでここまで世間を賑わせられるというのを目の当たりにして、見出しとはもはや「新聞・雑誌などで、記事内容が一見してわかるように、文章の前に示す簡単な言葉。標題。タイトル。」ではなくキャッチコピー「人の注意をひく広告文、宣伝文。」なんだなと思った。
このSNS時代のニュースライターはコピーライターとしてのセンスも必要になるとは、なんとも大変なものだ。そして、見出しが持つ力と言葉の誤認マジックを肌で感じて、改めて文章って面白!!と思うのだった(死神リューク顔)

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