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マニアックで美しい配管美「都市空間における管路の形態」屋良信幸


こちらに辿り着いたきかっけは

ついこないだの日経新聞の文化面に載っていた記事です。

「配管美」に着目したマニアックな屋良信幸さんに関する記事です。

ものすごく興味をそそられました。

しばらく電子版だけだったけどやっぱり紙の新聞も追加したところ

私は建築でも意匠設計がメインのお仕事なので

表に見える分かりやすい部分の設計に重きを置くことが多いわけですが

工場や廃墟も好きだし、構造美や設備美にもかなり萌えるのです。

だからと言って特に外壁の配管って意匠設計してる側からすると、

外観を損なうので美しくないし、どちらかというと邪魔なものとして
扱います。

ですが無いと生活は成り立たないので、何とか目立たない様に納めてと
設備屋さんに試行錯誤してもらう配管や設備類。

その中でこんな美しさと面白さが隠れていたのか・・・と驚きました。

屋良さんが集めた「配管」コレクションをもっと見たいと思い書籍を探すと

電子書籍のkindkleに見つけたのですぐに購入。

こちらの本は全49ページになっており写真とそれを説明する文章が一緒に

記載されています。

屋良さんはもともと街歩きが好きでカメラと共に15年ほど国内外を歩き回ってきたらしい。

多分お仕事は普通の会社員っぽい?

2007年に渋谷で見つけた配管に魅せられたのが始まりで

そこから配管に関する写真を3000枚ほど撮りためたとのこと。

警察に怪しまれて職質を受けながらも根気強く続けている。

屋良さんは配管の中でも「ガスの配管」が一番お好きなようでした。

リズムがある配管、対照的に並べられている配管、色んな配管がありますが

不規則だからこそ美しくまとまっている配管を見つけると

たまらなく嬉しいみたいです。

こういうのはアイドルユニットに見えるって。

表現が素敵です。

Perfumeみたいだって・・・。笑

なんとなく理解できてしまうとこが不思議。

ガスの配管だけでもかなり地域性があり

京都は古都特有の景観を考えられたのであろうガス配管になっていて

足元の低い位置や軒下すぐに設置されている。

京都に住んでいたこともあるのに全く見ていませんでした。

建物が密集している都会だと、配管は裏手や路地の細いところに隠れているので写真を上手に撮ることが難しいようですが

解体工事などで建物が撤去された土地の隣の建物にびっくりするような素晴らしい

配管美を見つけるようです。

新聞記事にも載っていた築地の建物

こんな風に見えていなかったところが見えることを「都市の断層」と名付けている。

美しい光景ですよね。

機能的に作ったはずの配管が、これだけ対象に配置されるって気持ち良いですね。

地域性だけでなくお国柄での違いも大いにあるらしく

都市計画の美観に関して厳しいヨーロッパなどは配管も電線も見えなくすることを徹底している地域が多く、配管マニアからすると物足りないらしい。

たまに美しさを保つあまり驚くような配管処理に出会うこともある。

外壁に雨水配管のくぼみを付けて上から下まで通してあったりとか。

施工が大変そう。

色々な地域や国を回られた屋良さんですが

一番豊富に配管の表出を見れた街が大阪の西成とのこと・・・

この街はなぜこんなにも表に配管が露出しているのか

なにか因果関係があるのでなないかと推測されている。

もっと沢山写真を撮りたかったが長居するには怖かったらしい。笑

私は大阪出身の人間ですが、実は西成はまだ行ったことがありません。

街というか別の日本ではない国があるとよく聞きます。

うーん・・・未知の世界・・・

と、ごくごく一部ですが色んな写真や説明が載っていて
(もっと載せたかったけど著作権とかがありそうなので少なめにしました…)

好きな人はたまらなく萌えるだろうし

好きじゃなくても、新しい世界に笑えてくるのではないでしょうか。

私はこれから街歩きする楽しみがもうひとつ増えたな~と

嬉しくなりました。

意図としてそうしたのか効率を考えた末にこうなったのかは

分かりませんが、設備設計の楽しさを垣間見れた気がしました。

素晴らしい発見をありがとう、屋良さん。

mugu


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