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すてきな本屋にしませんか?

というカフェ☕️


空っぽの本棚

温かみがありつつも、どこかさっぱりとしたカフェ

人通りの少ない小道の途中に目に留まるこじんまりとした雰囲気


カランカラン…

少し空気に包まれたようなドアベルの音と共に
物語がやってくる。



本日のお客さま。


切り揃えられた前髪が
幼さを引き立たせる雰囲気の女性

小さい頃は大人っぽいと言われ
年が経つにつれその年齢を過ぎるころ
子供っぽさを残したくなる甘えん坊


語り始められる物語。

「私は都会とは離れた場所で育ちました。
家の周りは田んぼから畑、山に囲まれた のどかな自然と共に幼少期を過ごしました。

小さいころから"人"というものに不思議な感覚があり、自分という存在を常に意識してきました。

私は、他人は、親は、遠く過ごす会うこともない人は…

生きていること
いま目にうつる景色、光、音、そばを流れる風
頬をつたっていく雨、揺れる草のように何も知らずに何も感じず本能だけで生きることへの憧れ

1人になると ふと頭の中がふわっと浮かぶ。
この感覚はとても大事だと思ってます。

それでいて人並みの道を歩んできたつもりです。


私は、恋をしています。
忘れられない恋をしています。

私から、想いを伝えました。
私を取り巻く環境が、私の責任が、交わることのない想いを残しました。

道が交わらずとも、隣を歩んでくれた思い出がいつまでも鮮明に残り、思い出しては想い続ける日々です。


思い出を想い続けることが、私を支えます。


人は、それを未練というのでしょう。


初めは苦しくて、それでも想いを閉じ込めて
何もなかったことを装う自分、強がる自分がいました

それでも会うたびに崩れていき
その私の心の緩さが互いを傷つけてしまいました

互いの気持ちを伝え合いました。

それでいて、少しでもという距離を彷徨っていたけれど、想いの差を感じるたびに辛くて、取り返しのつかないことになる前に離れました。


今でもあの頃に戻りたい気持ちはあります
けれど、それは 楽 であり この先の未来ではないことはわかっています。


だから、想い続けるんです。」



そう言って、ビターのカフェラテを1杯 注文して本の代わりに大切に思う曲を教えてくれた。



自分の心のピントを合わせるためのプレイリスト



きっと、いつか風になり
歩む先を後押しするでしょう


カフェラテを飲み終えたあと、

「本、思い出しました。カイルの森という本が好きです。もう一度読んだら、ここの本棚に飾りにきます。」



そう言ってお店を去っていった。




こんなカフェ、開きたいなぁ


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