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学校機関が新卒の学生に派遣社員を勧めている恐ろしい実態


始めに

皆様、こんにちは。
私は前回までの記事で、無期雇用派遣(技術派遣)はただの雑用派遣スタッフだからおすすめしないという話をしてきました。なお「技術者派遣」や「無期雇用派遣」という言葉の意味が分からないという方は、前回までの記事を先にご覧いただけると嬉しいです。
正社員なのに派遣先へ!?無期雇用派遣に要注意|無期雇用派遣やめろ (note.com)
~新卒就活生の方へ~正社員での就活の場に潜む派遣の求人があるんです|無期雇用派遣やめろ (note.com)
本題ですが、実は技術派遣会社への就職を斡旋している人物がいるのです。
それは就活、転職エージェントや、なんと一部の学校の教授までもが関わっています。今回は、一部の学校機関が派遣会社に斡旋をしているという話を中心にしていきたいと思います。

無期雇用派遣(技術派遣)についてのおさらい

無期雇用派遣というのは、派遣会社に正社員として雇用され派遣先で働くという雇用形態です。しかし、あくまで正社員扱いされるのは、派遣元にいる時だけであって、派遣先ではただの派遣スタッフです。そのため、派遣先の正社員からは下に見られがちで、やることも雑用が多いです。
近年の派遣会社は、無期雇用派遣があたかも一般企業の正社員かのように嘘をついて採用をしています。「技術派遣(技術者派遣)」と言い換えているケースが多いです。
このせいで、正社員としてのキャリアを希望している方までもが派遣社員になってしまうという問題が発生しています。

データで見る派遣会社への就職

「本当にそんなこと起きてるの?」と思った方、こちらのデータをご覧下さい。
日本大学「就職先企業・団体」ランキング2022最新版【全20位・完全版】 | 親と子のための大学研究2023 | ダイヤモンド・オンライン (diamond.jp)

 *ダイヤモンドオンラインより引用

こちらは、2022年3月に日本大学を卒業された方の就職先企業や団体のランキングです。
会社名は言いませんが、ここにランクインしている20社(団体含む)のうち
なんと6社が派遣事業やSES事業を主力としている会社です。このランキングに乗っている20社(団体含む)のうちのいずれかに就職をした人数は、合計で601人ですが、派遣事業やSES事業を生業とする6社のいずれかへ入社をした方はこのうち193人、実に3割近くにも登ります。
このうち、自ら派遣社員になりたいと思った方がどの程度いるかは分かりませんが、わざわざ4年制の大学を出てまで派遣社員になりたいという人ってそこまで多いのでしょうか。少なくとも、私はそうは思えません。

警戒喚起をするべきではないか

新卒で派遣会社へ就職する方の割合がここまで多いとなると、学校の方でも警戒喚起をするべきではないでしょうか。実際「安易にアウトソーシング系に入社しない方がいい」と呼びかける教授も中にはいるそうです。しかし、中には学生に派遣会社をゴリ押してくる教授もいるのです。私の見解になりますが、新卒で派遣会社に入社してしまう方が多い理由の一つだと思っています。

私の通っていた専門学校で起きた事例

いよいよ本題です。私はIT系の専門学校に通っていましたが、本当に学校や教授が学生に派遣会社をゴリ押していました。信じられないという方もいらっしゃると思うので、ここからはその手口を紹介します。

内定辞退は原則禁止

私の専門学校、選考を受ける(受けた)会社と、内定を貰った会社を全て報告しなければならず、内定承諾書を提出後は原則内定辞退が禁止でした。
内定を貰った会社を報告するというのは普通のことでしょうけど、選考を受ける会社を全て報告というのはよくわかりません。
そして、内定承諾書を提出後の内定辞退禁止についてですが、法律上は入社の2週間前までであれば可能です。にも関わらず、学校側は内定辞退禁止とひたすら言い続けていました。学生を洗脳するかの如く何回も言われましたが、法律上は全く問題のない行為なのであくまでローカルルールの押し付けに過ぎません。

内定辞退をしようものなら・・・

内定承諾書を提出後に内定辞退をしたいと告げると、教授が長時間にわたり恫喝をしてきました。それも他の学生がいる目の前でです。実際に、私の目の前で恫喝をされている学生さんがいましたが、その時の教授の言い分を要約すると「常識的にあり得ない行為」「企業側の迷惑考えろ」「そんなんじゃ社会に出た時やっていけない」「一から就活し直したら内定出ないかもしれないぞ」という内容でした。
法律上全く問題のない行為をしただけにも関わらず、ここまで言われる必要あるのでしょうか。むしろ専門学校の教授にも関わらず、就職に関する法律をよく知らない教授の方が常識がないように思えます。

甘い言葉で釣る

甘い言葉で釣って、新卒の方を派遣スタッフにするという行為は派遣会社がやりがちですが、なんと教授もほぼ同じことをやっています。
卒業の前年度の1月に、内定がないIT系の学生全員を対象にした会社説明会があり、その説明会は強制参加だったのですが見事にSES事業を中心に利益を上げている会社でした。労働者派遣事業の許可番号もしっかり取得しています。しかも社員数の割に採用人数が多く、ブラック臭が漂っていました。しかし、その教授は「この学校の卒業生が多く活躍しています」だとか「この学校で学んだことが活きる会社です」といった風に甘い言葉を投げかけていました。
その会社に入社したところで、卒業生と一緒に働けるかどうかや学んだことが活きるかどうかなんて派遣先によって異なりますので、全く信用できません。もっとも、その当時の私はそこまで深く考えていませんでしたが。

客先常駐(SES)のデメリットを言わない

上記のように甘い言葉を投げかけることはあっても、客先常駐のデメリットについては1度も言われませんでしたし、なんなら客先常駐というのがどのような働き方かの説明すらされたことがありません。そもそも、客先常駐というのはIT業界ではかなり多いですし、その教授もIT業界経験者です。
確かに、これから社会に出る学生さんが自ら業界の研究をしてほしいというのはわかりますが、せめて少しぐらいは説明してもいいのではないでしょうか。IT業界経験者の体験談であれば、ネットの記事より信憑性もあるでしょう。にも拘わらず、あえて何も言わないのは客先常駐のデメリットを隠したいからというのも、理由の一つなんでしょうけどね。

合同企業説明会に派遣会社が出展している

ある日、大規模な合同企業説明会が実施されました。しかし、その合同企業説明会に、派遣会社が多数混入していたのです。具体的な社名は出しませんが某A社や某N社、某K社といった大手技術派遣会社、その他中小の派遣会社やSES企業を含めたらキリがありません
私は、その頃派遣業界についての知識がなかったため、とある大手技術派遣会社の説明会を聞きましたが、「技術の会社」をやたらと強調していて、実態は派遣だということは一切言われませんでした。なお、合同企業説明会に派遣会社が出展しているというケースは、学校主催のものだけでなく自治体が主催となって行うような合同企業説明会でもあるようです。
このような場に派遣会社が紛れ込んでいるなんて、普通は考えもしませんよ。

内定が無い学生に恫喝をする

恥ずかしながら、私は卒業の約半年前まで内定が無い状態だったため教授から何回もSES企業を勧められました。内定がないIT系の学生が強制参加の会社説明会、及び1次選考会があり、そちらも案の定SES企業だったため選考会を受けた直後すぐに選考辞退をしたのですが、それを教授に告げると、案の定怒鳴られましたその時に言われた文言は、内定辞退をした学生に言った内容とほぼ同じです。
そもそも、選考に強制参加という時点でおかしいのに、選考辞退をしただけで怒鳴ってきたの、今の自分でも全く理解できていません。そこまでして派遣社員になってほしいのでしょうか。

なぜここまでの行為に及ぶ?

私の推測になりますが、恐らく就職率を上げたいのではないでしょうか。
仮に、学生が内定のないまま卒業しても、学校からしてみれば知ったこっちゃないです。卒業後の学生の人生なんて、学校側からすればどうでもいいですからね。しかし、私の通っていた学校、専門学校ということもあり就職率○○%!!といったことをウリにしていました。そのため、もし内定のないまま卒業をする学生が現れたら、就職率に傷がついてしまいます。なので、意地でも就職率を上げるためにこのようなことをしているのではないでしょうか。
その上、無期雇用派遣というのは正社員という名目で派遣スタッフを集めます。それでいて、派遣会社やSES企業というのは一般企業の正社員と比べて採用されやすいです。内定率を上げたい学校にとってこれほど都合の良い存在はありません。

対策

就活についての相談は、一人だけではなく様々な方に行うと良いです。
私の学校の場合、教授は前述の通り酷い有様でしたが、就職課の方は学生の人生をしっかりと考えている様子でした。実際に「客先常駐の仕事はなるべくしたくない」と相談をしたら、労働者派遣事業の許可番号を取得していない企業や、社内SEなどを募集している会社を紹介してくれました。
また、他の学校の事例では、就職課が派遣会社へ斡旋をしているのに対し、教授が派遣会社に対しての注意喚起を行っているという事例もあるようです。このことからも、就活においては様々な方の意見を聞くことが大切であると言えます。
仮に、就職課も教授も頼りにならないという場合は、保護者に相談するのも手です。保護者というのは、自分にとって最も身近な社会人経験者です。そんな保護者の意見というのは、とても大切なものになると思います。

最後に

いかがでしたか。私のような低学歴の人間だけが派遣会社に押し込まれそうになっているなら、わざわざこんな記事を作ることはありませんでした。
しかし、最初にお見せしたデータの通り、大学卒であっても派遣会社に新卒で入社する方が後を絶たないというのが現実です。
また、大学主催の合同企業説明会にも当たり前のように派遣会社が出展しているらしく、この記事の内容は、就活生であれば他人事にすることは出来ません。くれぐれも人材派遣業界、また派遣会社へ斡旋をする人間にはお気を付けください。
ここまでご覧いただきありがとうございました。









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