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letter 『story マルルの贈り物』について

『story マルルの贈り物』について、続きがあるのかと質問がありました。

 この物語は2022年のクリスマスに特別企画として生まれた物語です。

 少年のマルルに突然訪れた戦争が家族という大切な存在を奪ってしまいます。

 戦争に行ったお父さんは帰らぬまま。そして一緒にお父さんの帰りを待っていたお母さんは戦火に呑まれてしまします。

 命は助かってもショックから声を失ってしまったマルル。

 ひとり雪の向こうをみつめるところで話は終わります。

 マルルについて、この後どうなったのか、どんな人生を歩んでいくのかは書くつもりはありません。

 この物語は題名にもあるように、story自体がマルルからの贈り物です。それを受け取ったひとりひとりが、それぞれの答えを見つけて欲しいと思います。

 ただひとつだけ断っておくと、マルルは決して孤独な少年ではないというこです。

 物語の中で既にマルルは愛されること。そして、愛することを知っています。

 遠く白い世界を見つめる マルルの視線の先には、家族の笑顔があるのです。

 暖かい家族の団欒がマルルの心にある限り、青年になってもマルルは武器を持つことはしないでしょう。

 むしろ自分のように悲しい思いをすることがないよう、愛し合い許し合うことのできる世界を作るためにその力を注ぐことでしょう。

 そして、自分の意志を伝える声と言葉を取り戻すのだと思います。

 マルルはきっと人生の伴侶となる愛するひとをみつけ自分の家族を持つのだと思います。

 愛されることを、愛することを知っているから。

 『storyマルルの贈り物』の続きは、受け取った私たちひとりひとりの想いが決めていきます。

 どんな未来を描くのかは、あなたの想いひとつです。

 

 

 

ことばはこころ。枝先の葉や花は移り変わってゆくけれど、その幹は空へ向かい、その根は大地に深く伸びてゆく。水が巡り風が吹く。陰と光の中で様々ないのちが共に生き始める。移ろいと安らぎのことばの世界。その記録。