フランス議会選挙、与党が過半数割れ

 フランスで2022年4月24日に大統領選挙が、6月19日に議会選挙が行われましたので、その結果を紹介いたします。

2022年フランス大統領選

 フランス大統領選の注目点は何だったのでしょう。それはひとえに、ルペン氏が本当に勝つかもしれないというビジョンだったと思います。

 事前の世論調査の支持率ではマクロン氏が54%に対してルペン氏が46%となっていました。世論調査はもちろんブレのようなものがありますので、ルペン氏支持者にとってはもしかしたらという期待、マクロン氏支持者によっては焦りのようなものがあったと思います。

 最終的な得票率はマクロン氏が約58.55%に対してルペン氏が約41.45%となりましたが、2017年前回選挙での両氏の得票率(約66%対34%)より差が縮まりました。

 マクロン氏は(いわゆる)中道ルペン氏は(いわゆる)極右とされています。両者の対決は決選投票で、第一回投票もあります。
 その際はマクロン氏が27.85%、ルペン氏が23.15%、そして(いわゆる)極左のメランション氏が21.95%でした。ルペン氏とは僅差でギリギリの2位争いをしています。
(中道・右翼・左翼というカテゴリ分けが嫌いなので”いわゆる”とさせて頂きます)

マクロン氏支持率推移

 フランスでは2018年末に黄色いベスト運動と言われる大規模な抗議が発生。2019年を通して低く推移しますが、2020年初めにコロナ対策で支持率が上がったそうです。
 なお過剰なコロナ対策が続き、今では黄色いベスト運動以上の抗議が続いていると思うのですが、支持率が維持されている理由はよく分かりません。

NHK記事リンクはこちら

2022年フランス議会選挙

 そんなマクロン氏の与党連合は第1勢力を維持したものの、過半数(289議席)を割り込む245議席となりました。改選前の346議席からは101議席の減となります。

長周新聞より

 中道与党連合以外にも、
 (いわゆる)中道右派の共和党が136議席から61議席と半分以下に減少
 ルペン氏の国民連合は8議席から89議席に躍進
 メランション氏の不服従のフランスは左派連合を組み131議席を獲得
 その他の議席も躍進
 となりました。

 何故、中道・極右、極左という言葉に”いわゆる”という枕詞を着けてきたかというと、国民連合も不服従のフランスも共通する点があるからです。
 長周新聞より抜粋します『とくに反グローバリズム、EUの下での国家主権侵害や緊縮政策への反対を互いに強く訴えており』とあります。

 私は国際政治は素人ですが、企業・資産家・海外優遇のマクロン氏と、庶民・生活・国内優先のルペン氏・メランション氏という印象も持ちました。
 次のフランス大統領選挙は、ルペン氏とメランション氏で決選するようなことになるかもしれません。

 日本の政治には達観気味の私でしたが、フランスに気合を見せつけられました。


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